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特別対談 サイベース×IBM(AD)

[特別対談]サイベースとIBMの協業で、顧客志向の分析ソリューションを強力に推進する

IBMと米サイベースのキーマンに栗原潔氏が聞く

 今日、日々爆発的に企業のビジネスデータが増加している。また、厳しい経営環境の中で、企業資産でもあるそのデータを有効活用するニーズが非常に高まっている。こうした状況において、ビジネスのスピードを加速するために必要不可欠なBIやDWHなどデータ分析・活用ソリューションが大きく注目されている。そんな中、サイベースは、日本IBMとの協業により中規模DWH基盤構築を推進する「Powerソリューションデザインセンター」を本年7月1日に開設したことを発表した。センター開設の狙い、分析系分野における両社の協業関係、そして、今日の経営環境においてIBM Power SystemsとSybase IQが提供する価値について、米国サイベース社のマーク・ウェストオーバー氏と日本IBMの高橋信氏に話を伺った。(モデレーターは、ITコンサルタントの栗原潔氏)

企業のビジネスデータの現状や市場の背景

栗原氏
先日、サイベースは、日本IBMとの共同による「Power ソリューションデザインセンター」の開設を発表されました。まず、その開設の背景、特に市場での声や企業の置かれている現状について簡単に教えて下さい。
米国サイベース社
パートナー・ディベロップメント副社長
マーク・ウェストオーバー氏
マーク氏
 現在、企業はデータ爆発時代のまっただ中にいます。業務で作り出されている情報は日々増え続けており、その増える割合は上昇の一途を辿っています。この増え続けている膨大なデータを適切に活用した企業が、成功を勝ち得ています。今回のIBMとの協業も「大量のデータを、適切に利用することができる基盤を提供すること」を目的として行われたものです。
 「Power ソリューションデザインセンター」では、IBMのPower Systems上で当社のデータウェアハウス(DWH)向けDBMSであるSybase IQを稼働させ、動作検証を行なうことを目的としています。当社とIBMにおける長期的かつグローバルな協業関係の成果のひとつです。
 米国においては、昨今DWHアプライアンス市場が活性化しています。これは、顧客が企業に散在する大量のデータをビジネスに役立てることを重視すると同時に、そのためのより良いソリューションを欲していることを示しています。日本でも米国と同様の状況が発生する兆しがあります。我々のSybase IQは、DWHを構築するための最適なエンジンであり、これを強く市場へアピールする機会を狙っていました。当センターがお客様そしてパートナー様に提供できる価値はきわめて大きいと思います
高橋氏
 ご存じのように、本年の2月に当社はPOWER7プロセッサを発表しました。現時点で最強と言ってよいプロセッサです。IBMは、お客様に対してこのプロセッサの価値を十二分に活用できるソリューションを提供する必要がありました。分析アプリケーションは、そのようなソリューションの一例です。そして、この分野ではサイベースが当社のベストパートナーのひとつとなります。
栗原氏
「Powerソリューションデザインセンター」の場所は、サイベース社内にあるのですね。
マーク氏
 はい、そうです。当社の施設内にあります。現時点では7台のPower Systemsサーバーを設置しており、多くのお客様やシステム・インテグレーターが検証のために来られることを期待しています。また、日本だけではなく、海外のお客様も歓迎です。

分析系システムは、"nice to have"から"must have"へ

栗原氏
分析系システムの現状について教えてください。
高橋氏
 昨年に当社が行なった全世界の2,500名以上のCIOに対する調査では、約8割がビジネスインテリジェンス(BI)を最優先投資案件として挙げておられます。企業のビジネスにとって分析系システムがきわめて重要となっていることをよく表していると思います。
日本アイ・ビー・エム株式会社
システム製品事業
パワーシステム事業部
理事 事業部長
高橋 信氏
栗原氏
他の多くの調査でも同様に分析系システムがトップ・プライオリティとして挙げられることが多いようです。この傾向は少なくとも5年以上は続いていますので、単なる流行というわけではなさそうです。
マーク氏
 おっしゃる通り、DWHやBIなどの分析系システムは一時の流行ではなく、企業にとって長期的に不可欠な戦略的案件となっています。分析系システムは、企業ITにとって"nice to have"から"must have"になっているのです。経営者やビジネスオーナーがダッシュボードに基づいて
意思決定を行なうようになり、分析アプリケーションなしではビジネスが回らない状況に来ています。
高橋氏
 確かに分析系システムのミッション・クリティカル化が進んでいると思います。まさに、Power Systemsならではのパフォーマンスとメインフレーム譲りの高信頼性が価値を提供できる動向です。
栗原氏
ハイエンドのシステムにも高い需要があるということですね。
高橋氏
 もちろん、大量生産型の製品も重要です。しかし、ミッション・クリティカル化し、ハイエンドに最適化された分析系システムでなければ対応できない領域も数多く存在します。
マーク氏
 そのようなアプリケーション領域の例として、金融機関における不正検知があります。インサイダー取引などの不正行為を検知するための分析処理で妥協をすれば、金融機関は大きな損失を被ることになります。このような分野では、今後とも妥協のないハイエンドの分析システムが必要とされていくでしょう。

ベスト・コンビネーションとしてのSybase IQとPower Systems

栗原氏
視点をテクノロジー面に移すと、Sybase IQとPower Systemsがベストな組み合わせと考えておられるのは、どのような理由によるのでしょうか?
テックバイザージェイピー代表
ITコンサルタント
栗原 潔氏
高橋氏
 言うまでもなく、POWER 7は現時点で最強のプロセッサです。また、先ほど申し上げました通り、メインフレーム由来のテクノロジーによる信頼性の高さという点でも比類がありません。こういった分析系の高負荷、かつなるべく短時間で処理を終わらせたいシステムには打って付けです。さらに、Power Systemsは多くのお客様でSybase IQを稼働してきた実績もあります。POWER7のIntelligent ThreadsとSybase IQとの組み合わせがさらにマルチスレッドでの実行を効果的にすることが実証されています。
マーク氏
 カラム指向データベースというユニークなアーキテクチャを採用したSybase IQはI/Oのボトルネックが発生しにくいので、強力なプロセッサそしてメモリ・システムの恩恵を受けやすいのです。アプリケーションから見てもPower Systemsは最適です。
栗原氏
テクノロジーの協業の成果として「バッチ高速化ソリューション」というソリューションがあると聞いていますが。
マーク氏
 バッチ高速化ソリューション(図)は、バッチ処理が希望時間内に終わらなく困っている多くの企業に検討してもらいたいソリューションです。現在のシステムにアド・オンすることでバッチ・ロード処理を大幅に高速化するソリューションです。Sybase IQにPower Systemsに合わせた最適化を行ない、ソリューションの魅力を高めています。
図: バッチ高速化ソリューション
栗原氏
バッチ処理は、あまりメディア等で取り上げられることはないと思いますが、お客様の現場にとってはきわめて重要ですね。
高橋氏
 確かに、バッチ処理は「セクシー」なトピックではないかもしれません(笑)。しかし、おっしゃる通りお客様にとっては重要課題です。いかに高速に分析が行なえても、分析を行なうためのデータの準備に時間を要していては意味がないですから。私の経験から言ってもバッチ処理の高速化は、現実的でありながら、お客様にとってきわめて高い価値を提供できることが多いソリューションです。
栗原氏
分析系アプリケーション設計の考え方として、業務系も分析系もひとつのデータベースで行なってしまうという考え方もあると思いますが、いかがでしょうか?
マーク氏
 そのように口で言うだけであれば簡単でしょう。しかし、現実はより複雑です。真の差別化に結びつく分析を行なうためには、専用システムが必要とされるケースが多いと思います。制限にとらわれずにあらゆる可能性を追求できることこそが、分析系システムの価値であるからです。Sybase IQに業務系のデータベースからデータをオフロードすることでこのような高い自由度を実現できます。この時、業務系というかDBは、既存のOracleやDB2、SQL Serverといった他社のDBでも構わないという点がアド・オンと言う所以でもあり、強みでもあります。
高橋氏
 この点でもPower Systemsは、理想的なプラットフォームです。強力な仮想化機能を提供していますので、仮に分析アプリケーション専用のデータベースを構築したからと言って、ハードウェア資源の無駄が発生したり、運用の複雑化を招いたりすることはありません。
 

 

 

ますます強固になるWin-Winの関係

栗原氏
まだお伺いするタイミングとしては早すぎるかもしれませんが、サイベースがSAP傘下となったことの影響についてお聞かせ下さい。
マーク氏
 確かに具体的にお答えするにはちょっと早すぎますね(笑)。あくまでも一般的な視点からお答えしましょう。SAPがサイベースを傘下に収めた理由としては大きく3点が挙げられています。第一に、サイベースのモバイル関連ソリューション、次に、Sybase ASEというデータベース、そして、Sybase IQに代表される分析ソリューションです。いずれの点でも両社にとってメリットが大きいと考えています。

 
栗原氏
Sybase IQの分野におけるサイベースとIBMとの具体的な協業体制について教えていただけますか。
マーク氏
 「Power ソリューションデザインセンター」もそうですが、当社とIBMの協力関係はグローバルであり、トップレベルでのコミットメントに基づくものです。また、テクノロジー的にもきわめて深いものです。過去6年ほどにわたり、当社はIBMのPower Systems開発チームと緊密に連携し、テクノロジーのロードマップを共用し、製品が出荷される前からプロセッサやOSカーネルのアーキテクチャに合わせたSybase IQの最適化作業を行なってきました。製品が市場に出荷されてから、それに合わせてチューニングするというのではありません。もちろん、将来の製品についてもすでに情報交換が行なわれています。
栗原氏
IT市場には多くのベンダー間の「協力関係」があります。その中には、単なる共同販売でしかないものもあるわけですが、サイベースとIBMの関係はそれよりもはるかに深いものであるということですね。
マーク氏
 はい、その通りです。もちろん、セールスやマーケティング面の協業も行なっていますが、それだけではありません。TPC-H(3TB、非クラスタ)のベンチマーク結果を見れば、Sybase IQとPowerの組み合わせが、テクノロジー的にきわめて強力であることをご理解いただけると思います。そして、このソリューションはもちろん、Powerソリューションデザインセンターをパートナー様がご利用いただけるのと同様に、パートナー様からも販売いただいています。現在、株式会社NTTデータ様やNTTデータ先端技術株式会社様をはじめとして多くのパートナー様が販売をされています。
高橋氏
 追加をするなら、IBMがSAPの最大手インテグレーターのひとつであることも重要です。サイベースがSAP傘下となったことで、IBMとサイベースのWin-Win関係はますます強まったと考えていただいてよろしいかと思います。
栗原氏
今回のサイベースとIBMとの協業も、企業の高まる分析系ニーズや問題解決を共同で行う顧客志向の強力なパートナーシップと言えますね。本日はどうもありがとうございました。
 
 

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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