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大きく出遅れる日本のICT利活用―オープンなプロセスを通じた規制・制度改革の実現へ向けて

2010/11/26 12:40

コンビニでは手軽に買えるようになった風邪薬や妊娠検査薬がネット通販で買えない、何度か役所に提出したことのある書類を違う手続きのたびに求められる、外出先でパソコンやケータイを落としただけで個人情報漏洩として新聞の社会面に載ってしまうのでモバイルで仕事を持ち歩けない、三文判で済む簡単な紙の書面であってもファクシミリや電子メールでは送れない、このように日本では本来ならIT技術で解消できるはずの不便を国民に強いる様々な規制や慣行が残っている。

規制や慣行などを見直す専門調査会がスタート

 コンビニでは手軽に買えるようになった風邪薬や妊娠検査薬がネット通販で買えない、何度か役所に提出したことのある書類を違う手続きのたびに求められる、外出先でパソコンやケータイを落としただけで個人情報漏洩として新聞の社会面に載ってしまうのでモバイルで仕事を持ち歩けない、三文判で済む簡単な紙の書面であってもファクシミリや電子メールでは送れない、このように日本では本来ならIT技術で解消できるはずの不便を国民に強いる様々な規制や慣行が残っている。

 IT戦略本部でそういった規制を見直すための「情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会」が立ち上がり、筆者も委員を拝命した。まずはIT戦略本部で積み残してきた課題や国民の声アイデアボックス等を通じて寄せられた意見のうち46項目を精査して優先順位づけを行った。これまで何年もかけて議論されたにも関わらず改革が進まなかった、一朝一夕では改めることの難しい難問ばかりだ。

 専門委員会の進め方もITを活用する方向で大幅に見直す。議事録を公開するだけでなくニコニコ生放送の同時生中継を入れ、委員席に電源を設置してパソコンを開けるようにし、かさばる紙の資料の代わりにデータでも受け取れるようにする。海外出張時など電話でも議論に参加できるようにする予定だ。多くは民間や国際会議であればとっくに実現している当たり前のことではあるが、こうした政府の委員会では行われてこなかったことだ。今回前例を作ったことで、今後は当たり前になることを期待している。(次ページへ続く

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著者プロフィール

  • 楠正憲(くすのき まさのり)

    マイクロソフト 法務・政策企画統括本部 技術標準部 部長 1977年、熊本県生まれ。ECサイト構築や携帯ネットベンチャー等を経て、2002年マイクロソフト入社。Windows Server製品部Product Manager、政策企画本部技術戦略部長、技術統括室CTO補佐などを経て2009年より現...

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連載:楠正憲 10年代の情報社会論
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