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EMCジャパンとアイシロンが7/1付で事業統合、新製品も共同で提供開始

スケールアウト型NASでビッグデータ時代を生き抜く


EMCジャパンとアイシロン・システムズは4月20日、スケールアウトNAS「EMC Isilon」の新製品ラインナップの販売開始、ならびに7月1日付けで両社が事業を統合することを発表した。7月以降はEMCジャパン内に設立されるアイシロン事業部でIsilonソリューションが提供されることになる。

昨年11月付けで米EMCと米Isilonの合併が発表されて5カ月、日本法人代表が揃って発表を行うのは今回が初めてとなる。

EMCジャパン 代表取締役社長 山野修氏
EMCジャパン代表取締役社長
山野修氏

EMCジャパン代表取締役社長の山野修氏は「現在はすでにビジネスマン一人が1テラバイトの情報をもつ時代。それもマルチメディアデータやソーシャルネットワーク上のデータなど、非構造化データの量が急激に増えている。

このビッグデータの時代に必要なストレージこそが、アイシロンが得意とするスケールアウト型のNAS。海外市場ではスケールアウト型NASの普及が急速に進んでおり、我々も今後のNASのメインストリームになると見ている」と、EMCがアイシロンの買収に踏み切った背景を語る。

 一方の、アイシロン・システムズ 代表取締役社長 江尾宏昌氏は「単にサイズの大きなデータを扱えるだけではなく、管理負荷の低減と高パフォーマンスもビッグデータ時代のストレージに求められる重要なポイント。サイロ構成になりがちな従来のスケールアップ型のNASと異なり、スケールアウト型では、高い拡張性と卓越したパフォーマンス、そして管理負荷の低減がトレードオフすることなく実現できる」と自信を見せる。

アイシロン・システムズ 代表取締役社長 江尾宏昌氏
アイシロン・システムズ
代表取締役社長
江尾宏昌氏

EMCが同社のストレージラインナップを補完するプロダクトとして、またアイシロンが絶対の強みと公言する"スケールアウト型NAS"とは、簡単に表現するならば「巨大なバケツにデータをどんどん放りこんでいっても、管理が煩雑になることなく、パフォーマンスも落ちることなく、あたかも1つのディスクのように扱えるシステム」だとアイシロン・システムズ マーケティング部長 武堂貴宏氏は言う。つまりは「スケールアウト=シングルファイルシステムと思ってもらってかまわない」(武堂氏)

今回、両社が共同で発表した新製品は、ハードウェアの「Isilon S200」「Isilon X200」、ソフトウェアの「OneFS 6.5」「SyncIQ 3.0」「InsightIQ 1.5」というラインナップ。既存のアイシロン製品のアーキテクチャを「大幅に向上させ、最新テクノロジを搭載した」構成になっている。

Isilon S200およびIsilon X200の主な仕様は以下のとおり。

○Isilon S200
最大ドライブ数 … 24
ドライブの種類 … 2.5インチSAS、SSD
ノードあたりの容量 … 7.2TB - 14.4TB
搭載可能SSD容量 … 200GB/400GB/1.2TB
最大CPU数 … Intel Westmere×2(8コア)
メモリ容量 … 24GB - 96GB
最大クラスタサイズ … 144
プロトコル … NFS、CIFS、FTP、HTTP、iSCSI
最大IOPS … 140万IOPS
最大スループット … 85GB/s

○Isilon X200
最大ドライブ数 … 12
ドライブの種類 … 3.5インチSATA、SSD
ノードあたりの容量 … 6TB - 36TB
搭載可能SSD容量 … 200GB/600GB/1.2TB
最大CPU数 … Intel Nahalem×1
メモリ容量 … 6GB - 48GB
最大クラスタサイズ … 144
プロトコル … NFS、CIFS、FTP、HTTP、iSCSI
最大IOPS … 30万IOPS
最大スループット … 33GB/s

いずれも筐体サイズは2Uで、ディスクの混在が可能な点も特徴だ。またメモリ搭載量も前モデルに比べて大幅に増えているが、「ストレージのパフォーマンスのボトルネックとなるのがディスクへの読み書き。メモリ搭載量を増やすことでディスクアクセスを抑えることができ、パフォーマンス向上を実現」(武堂氏)することが可能になる。大量のトランザクション処理を必要とし、IOPSを重視するユーザにはIsilon S200、コストパフォーマンスとスケーラビリティを求めるユーザにはIsilon X200という切り分けをしている。

今回はソフトウェアソリューションのバージョンアップ版も同時に発表されている。アイシロンのハードウェア上でシングルファイルシステムを可能にするOneFS 6.5は最大10.4ペタバイトまで容量を拡張できる。また、セキュリティ強化やSSD階層管理も実現しており、ビッグデータの管理をより容易に行うことが可能だ。その他、ビッグデータのレプリケーションを効率的に行うSyncIQ 3.0、スケールアウト分析を実行するInsightIQ 1.5も提供開始となる。

アイシロンの江尾社長は「アイシロンという名前をご存じない方も多いが、弊社は10年間、スケールアウトNAS一筋でやってきた会社。ライフサイエンス企業やメディア事業者などを中心に多くのお客様の要望に応えてきた。だが、最近はそういった企業だけではなく一般の企業がストレージを必要とする時代。非構造化データの増え方はそれくらい急激」と語り、だからこそスケールアウト型NASの需要がますます増えてくるとしている。

標準提供価格はIsilon X200の最小構成時(6TB HDD、6GB RAM、4×1GbEポート)で446万円から。OneFS 6.5が標準搭載されて出荷される。販売はアイシロンの既存販売代理店を通じてのほか、アイシロン営業/販売代理店と協同でEMCジャパン顧客層への製品提供を図る。

EMCジャパン
アイシロン・システムズ
 

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この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

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