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エンタープライズでのモバイル活用に必要な機能を提供するWorklight

  2012/06/13 00:00

 日本IBMは2012年5月17日、企業のモバイル活用を支援する統合パッケージ「IBM Mobile Foundation V5.0」の販売を開始した。提供されるサービスは、デバイスを管理するMDMに加え、クロスプラットフォームのモバイルアプリ開発、モバイルとバックエンドの連携、セキュリティまでが網羅されている。その概要と技術的なポイントなどについて、日本IBMの三戸篤氏、須江信洋氏とに話を伺った。

エンタープライズでのモバイル活用を包括的にサポート

日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業 WebSphere事業部事業部長
三戸篤氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 WebSphere事業部事業部長 三戸篤氏

 日本IBMは、企業のモバイル活用を支援する統合パッケージ「IBM Mobile Foundation V5.0」の販売を開始した。製品で中核になっているのは今回新たに開発された「IBM Worklight V5.0」で、「IBM WebSphere Cast Iron」、「IBM Endpoint Manager」を加えた3つのソフトウェアで構成されている。そのコンセプトについてWebSphere事業部の事業部長である三戸篤氏は「エンタープライズのお客様が、ビジネスユースでモバイルを導入し、活用する際に必要と思われる機能を網羅し、統合している」と説明する。今回、その中で主にクロスプラットフォームのモバイルアプリ開発を担っている「IBM Worklight V5.0」単体での導入も可能とされている。

 IBM Mobile Foundationには大きく「オープン技術の採用」、「クラウドや基幹システムとの連携」、「アプリとデバイスのセキュリティ管理」という3つの特徴がある。

Web のオープン技術で、クロスプラットフォームのモバイルアプリを開発

企業向けモバイルプラットフォーム IBM Mobiille Foundatiion V5..0 & IIBM Worklliight V5..0
企業向けモバイルプラットフォーム IBM Mobiille Foundatiion V5..0 & IIBM Worklliight V5..0

 まず「オープン技術の採用」は、モバイルアプリの開発を効率化するものになる。モバイルは機種ごとにOS、画面対応、解像度、機能が異なり、開発言語もOSによって違う。それぞれに合わせてアプリを開発するのは負担が大きい。そこで「IBM Worklight」は、Web標準技術を活用したクロスプラットフォームのモバイルアプリの開発を可能にしている。

 Worklightで開発を担当する「Worklight Studio」はEclipseベースのツールであり、Web標準のHTML5、JavaScript、CSSで開発を行う。またjQueryやdojoなど、主要なライブラリーやツールと統合し、使うことができる。対応しているデバイスは、iPhone、iPad、Android、BlackBerry、Windows Phoneなどで、フィーチャーフォンを除く主要なプラットフォームが網羅されている。

 Worklightにおけるモバイルアプリ開発では、まず普通のWebアプリをWebブラウザで画面と動作を確認しながら作成する。Worklightには、そこで完成したWebアプリのプロジェクトから、モバイルの各プラットフォーム向けプロジェクトを自動生成するためのプラグインが用意されている。基本的に一つのコードを、それぞれのプラットフォーム向けにビルドすることで、デバイスからはネイティブに見えるアプリケーションが作成される。

日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業 WebSphere第一CTP
クライアント・テクニカル・プロフェッショナル
須江信洋氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 WebSphere第一CTP クライアント・テクニカル・プロフェッショナル 須江信洋氏

 そこではiPhone、iPadの開発言語であるObjective-Cや、Android用のJavaなどの知識は一切不要だ。ソフトウェア事業WebSphere第一CTPの須江信洋氏は「Webアプリ開発のスキルがある人なら、Worklightの開発環境は基礎知識を学ぶだけで、すぐに使いこなすことができるようになる」と語る。

 デバイスごとに画面を調整したい場合は、それぞれに合わせたCSSファイルを作成することなどで対応できる。さらに各OS、デバイス固有の機能を組み込む際は、その部分はネイティブで作成し、Web技術による部分とシームレスに連携したハイブリッドアプリを作ることも可能だ。ネイティブの部分ではそれぞれの専門知識が必要になるが、それをプラグインの形で作れば、再利用などで開発が効率化する。共通する部分はできる限りWebで作成することで、Webとネイティブの良いところを組み合わせて作ることができる。

本製品が紹介されるイベントのご案内 : Impact 2012 開催概要

 日  時 : 2012年7月19日(木曜日)10:00−18:00

 会  場 : 品川プリンスホテル

      東京都港区高輪4-10-30

 参 加 費 : 無料(事前登録制)

 主  催 : 日本アイ・ビー・エム株式会社

 詳細・参加申し込み

モバイルとクラウド、基幹システムを統合

クラウドや基幹システムとの統合
クラウドや基幹システムとの統合

 二つ目の特徴である「クラウドや基幹システムとの連携」は、デバイスの電子カタログのような限定的な利用だけでなく、外出先における在庫の確認と発注などバックエンドとの連携を伴うニーズに応えたものになる。担うのは「IBM WebSphere Cast Iron」で、Salesforce.com、Oracle CRM On Demand、NetSuite SuccessFactorsなどのクラウドサービスと、IBM DB2、SAP、SQL Serverなどの基幹アプリの連携を容易にする。「IBM Mobile Foundation」では、Worklightに新たに追加されたCast Ironアダプターにより、モバイルからCast Ironが容易に活用できるようになっており、デバイス側からはJavaScriptの関数の形で呼び出せば、バックエンドとの連携ができるようになる。一方Cast Iron側では用意されているテンプレートを使えば、プログラムを書くことなく、バックエンドへのアクセスやデータ加工が行われる。

 また、モバイルからのアクセスだけでなく、基幹システムからの通知をデバイスにプッシュで通知する仕組みも備えている。「プッシュの仕組みはOSごとに違うため、個別に対応するのは非常に大変。Worklightを使うことで、OS非依存の共通化されたAPIによって通知機能を容易に構築できます」(須江氏)。その活用シーンは、ワークフロー内での承認通知、フィールドのエンジニアへの対応依頼など幅広い。

デバイスとアプリの両面でセキュリティを確保

 三つ目の特徴が「セキュリティと管理」になる。「IBM Mobile Foundation」は、セキュリティをアプリとデバイスという二つのレイヤーでサポートしている。まずデバイス側は、一般的にMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)と呼ばれている領域になるが、セキュリティという観点では、たとえば端末を紛失した時に端末画面ロックや、データ消去などをリモートで実行可能にしている。同時に端末インベントリーの管理や、位置情報取得、端末構成管理などの機能を提供する。

 一方アプリ側では、端末上に残っているオフラインキャッシュの暗号化、改ざん防止、認証などのセキュリティ関連機能が提供されている。またモバイルのアプリの更新はダウンロードサイトにアップし、各ユーザーに作業を委ねるのが通常だが、Mobile FoundationではDirect Updateという仕組みにより、Worklightのサーバーから自動更新できるようになっている。また、何らかの不具合が発生した場合、特定のアプリの利用を一斉に制限することも可能だ。

 先述の通り、日本IBMでは統合パッケージである「IBM Mobile Foundation V5.0」に加え、効率的なモバイルアプリの開発にフォーカスしたいユーザー向けに「IBM Worklight V5.0」単独でも販売している。それぞれにEnterprise EditionとConsumer Editionが用意されており、EnterpriseはB2E、企業が所有するモバイルデバイスやBYODなど、デバイス数が特定できる利用形態が対象になる。一方ConsumerはB2C、不特定多数のデバイスが利用する形態が対象だ。そのためConsumer Editionの方が、料金が高く設定されている。

 その日本市場における活用シーンについて三戸氏は「限定できないほど、多種多様になると想定している」と語る。モバイルを管理するMDMの製品は数多く提供されているが、エンタープライズ環境を対象にした効率的なモバイルアプリ開発、バックエンドとの連携、そこで必要なセキュリティと管理をトータルにカバーした製品はまだ数少ない。それだけに三戸氏は「市場が立ち上がる今が大事」と気を引き締めている。

本製品が紹介されるイベントのご案内 : Impact 2012 開催概要

 日  時 : 2012年7月19日(木曜日)10:00−18:00

 会  場 : 品川プリンスホテル

      東京都港区高輪4-10-30

 参 加 費 : 無料(事前登録制)

 主  催 : 日本アイ・ビー・エム株式会社

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