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ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦

動き出した日本の大企業、鍵を握るのは組織の枠に収まらない「半沢直樹」達の活用(後編)

ボトムアップで“組織を動かす”ステップ

 企業文化を育てるには、経営層だけでなく、従業員側も「コツ」を理解しておくと良いでしょう。この「コツ」を理解し組織を動かした国内企業の実践者の方に色々とお話をうかがいました。

 一連の取材を通じて感じたことは、「人」の存在が一番大きいということでした。どんな組織でもそれを動かしているのは「人」であり、「人」が「文化」を形成します。そして、「4+1の力」は単なるツールなのです。

 取材を開始する前は、動き出した国内の企業には何か特別なものがあるのではないか、そんなふうに思っていました。社内ベンチャー制度や研究開発費を特別に割り当てられているといった具合ですね。しかし、振り返ってみると、特別な「何か」はありませんでした。

 今国内で、「4+1の力」を活用し、動き出した企業の「組織を動かすプロセス」を追ってみると、だいたいこんな感じになります。

  1. 新しい技術が生まれ、世の中が変化してきていると気づく人が現れる。
  2. だから、会社はこう変わらないといけないと、はっきりとしたビジョンを持ち、そのビジョンを実現させるために情熱を傾ける人が生まれる。
  3. 周囲を説得し、共に歩む仲間を作り、一つのビジョンに向かって小さな成功を積み重ねて行く。
  4. やがて小さな成功が少しずつ信念となり、その真摯な姿勢に上司も手を貸してくれるようになる。
  5. 上司からの信頼を得ることで、仲間がチームとなりより大きな成果を達成する。

「変わらない理由」を探してしまっていないだろうか?

 どうでしょう?意外なほど、シンプルであっけないものですね。そして、この時、私はようやく一番大切なことに気づきました。

 私達はことあるごとに、欧米と日本企業の違いについてコンプライアンスが厳しい、規制が厳しいといった違いばかりに目を向けてしまいがちです。これは、無意識のうちに「変わらなくても良い理由」を探してしまっているのではないだろうか。と、いうことです。

 何か新しいことを始めるには困難がつきまといます。予算もない、時間もない、リソースもない。でも時代が変化していくという焦りだけがある。そんな時に会社の外を見渡すと、スタートアップの成功事例が飛び込んでくる。ほんの一瞬前が見えなくなった時「変わらなくて良い理由」は、助け舟になる時もあるのです。  

 しかし、本書で取材したボトムアップで組織を動かした人達は、困難を分かった上で「挑戦した人」達だったのです。「自分達がやるべきこと、自分達がやれること」を考え、行動に移した人達だったのです。企業が変われるかどうかの鍵を握っているのは、国家や会社ではなく、皆さん一人一人が握っているのです。

 なぜ、そんなことを言い切れるのかと疑問に思う方は多いでしょう。しかし、私は自信をもって「人」が鍵を握っていると答えることができます。

 なぜなら、本書の取材対象とした企業は通信事業者、自動車業界、放送業界、製紙業界、小売業界、ネット業界といった各業界のこれからのキーマンとなるべき動きをしている企業をターゲットとしています。かついくつかの企業は国内でも最大規模の大企業も含まれます。これほどの大企業を動かす原動力になったのは「わずか数人」の「情熱」だった。と、身を持って知ったからです。

次のページ
組織のなかに眠る「半沢直樹」達へ

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この記事の著者

大元 隆志(おおもと たかし)

ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...

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