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  IBM、第6世代x86アーキテクチャ「X6」発表--メモリスロットに挿入するフラッシュストレージを搭載

  2014/01/20 17:00

 日本IBMは1月17日、第6世代のx86サーバ・アーキテクチャ「X6」と、同アーキテクチャを採用したハイエンドのラックサーバ製品「IBM System x3850 X6」など3製品を発表した。2014年1~3月期から順次、販売を開始する。

企業で高まるデータ処理(OLTP処理とアナリティクス)のニーズに対応

 システム製品事業本部x/Pure セールス事業部 事業部長の小林泰子氏
日本IBM システム製品事業本部
x/Pure セールス事業部
事業部長 小林 泰子氏

 X6では新たに、コンピュートやストレージ、I/Oなどのコンポーネントをブックと呼ばれる部品ごとに分け、それらを組み合わせて1つの筐体(4U)を構成するモジュール型のアーキテクチャを採用。また、本体のメモリスロット(DIMMスロット)に直接差し込めるフラッシュストレージ「eXFlash DIMM」を搭載し、ストレージのIOPSを向上させた。そのほか、インテルの新プロセッサXeon E7とIBM独自ファームウェアなどにより、信頼性、可用性、保守容易性を向上を図った。

 システム製品事業本部x/Pure セールス事業部 事業部長の小林泰子氏によると、X6のコンセプトは、基幹データ(OLTP)処理とアナリティクスという企業で高まるデータ処理のニーズにこたえたもの。「仮想化やクラウドへの移行が進む基幹システムに求められる堅牢性や可用性と、Hadoopなどを使ったアナリティクスで求められる高速処理性能を単一のx86サーバで両立した。Fast(高速)、Agile(俊敏さ)、Resilientが特徴になっている」という。

 1つめのFastを特徴付けているのがeXFlash DIMMだ。プロセッサに最も近い位置にフラッシュストレージを配置することで、PCIスロットに差し込んで使用するPCIeフラッシュと比較して3倍のレイテンシー向上を実現できるという。サーバ4U筐体あたり最大480万IOPSの性能を持ち、ストレージ容量は最大12.8TBとなる。

 システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部 システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト・早川哲郎氏
日本IBM システム製品事業本部
x/Pureセールス事業部
システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト
早川 哲郎氏

 「スロットはメインメモリと共有しており、eXFlash DIMMを挿入した場合にストレージとして自動的に認識する。RDMSのログやテーブル本体の格納先や、外部ストレージのキャッシュとして利用することでトランザクション性能を劇的に向上することができる。また仮想環境で利用することで、仮想マシンの集約率を向上させることができる」(システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部 システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト 早川哲郎氏)

 提供価格は、PCIeフラッシュよりIOPSあたりのコストが3割程度安くなる予定という。メモリスロットは一般的なDDR3向けだが、独自に制御するため、X6より前のサーバ製品では利用できないという。

 2つめのAgileについては、ブックとよばれるモジュール型のアークテクチャを備えたことを指している。「ブレードサーバのように、ブック単位で必要な部分のみをリプレースできるので、初期ハードウェアコストを最小限にしてスケールアウトしたり、CPUの世代交代に合わせてCPU部分のブックだけを交換してスケールアップしたりといった拡張が可能になる」(早川氏)。ブックは、CPUとメモリの部品である「コンピュート・ブック」、HDD部品の「ストレージ・ブック」、I/Oスロット部品「I/Oブック」などで構成される。

左から、コンピュート・ブック、ストレージ・ブック、I/Oブック

 最後のResilientについては、X6用独自ファームウェアにより、CPU障害に対して自己修復する仕組みや、メモリ・エラーを回避する仕組みを強化した。また、管理機能の「IBM Upward Integration Module」を使って、事前に障害を予測したり、仮想化管理機能と連携して故障の際にシステムを退避したりといったことが可能になっている。

  X6アーキテクチャを備えた製品は、4Uのラックサーバ「IBM System x3850 X6」と、8Uの「IBM System x3950 X6」、ブレード型サーバ「IBM FlexSystem x880コンピュートノード」の3製品を提供する。

IBM System x3850 X6

 このほか、X6を使ったベストプラクティス構成を、リファレンス・アーキテクチャとして提供する。具体的には、DB2、SAP HANA、SQL Data Warehouseを使ったアナリティクス向けのリファレンスアーキテクチャとして、「IBM System x Solution for DB2 with BLU Acceleration on X6」「IBM System x Solution for SAP HANA on X6」「IBM System x Solution for Microsoft SQL Data Warehouse on X6」の3つを提供。また、Hyper-VとVMwareを使ったIaaS向けのリファレンスアーキテクチャとして、「IBM System x Solution for Microsoft Hyper-V on X6」「IBM System x Solution for VMware vCloud Suite on X6」を提供する。

 なお、同日には、ビッグデータ処理向けのサーバ新製品「IBM System x3650 M4 BD」、スイッチ新製品「IBM RackSwitch G7028」、リソース管理の新製品「IBM Platform Resource Scheduler」も発表した。



著者プロフィール

  • 齋藤公二(サイトウコウジ)

    インサイト合同会社 「月刊Computerwold」「CIO Magazine」(IDGジャパン)の記者、編集者などを経て、2011年11月インサイト合同会社設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集のほか、OSSを利用した企業Webサイト、サービスサイトの制作を担当する。

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