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工事進行基準とは何か?

  2008/08/25 11:00

 翔泳社は7月31日と8月1日の2日間にわたり、プロジェクトマネージャー向けカンファレンス「PM Conference 2008」を開催した。「PMに効くプロジェクトを“はかる”ちから」をテーマに行われた12のセッションの中から、NTTデータ経営研究所の広川敬祐氏によるセッション「進行基準適用に向けてのプロジェクト管理のあり方」の内容を紹介する。

売上を計上する会計基準

 「ひとことで言うと、売上を計上する会計基準の1つです」と、広川氏は話題の進行基準について説明する。ただし、売上の計上はそれほど簡単なものではない。

NTTデータ経営研究所 広川敬祐氏
NTTデータ経営研究所 広川敬祐氏

 例えば、一般的な店舗で物品を販売するような場合、販売業務のプロセスである「受注・出荷・請求・入金」は一瞬で終わる。商品を引き渡して、金銭のやり取りを行う過程ですべてが完了するため、「いつ」「いくら」が議論になることはまずない。

 ところが企業間の取引の場合、信用取引が前提となるので、上記のシンプルな4つのプロセスでさえも平均して数ヶ月かかるのが一般的である。この場合、売上をいつ計上するべきか、という問題が発生する。一般的には出荷基準が採用されているが、検収基準の場合もあり、売上の計上基準ひとつでさえ容易ではないことが分かる。

工事進行基準ってどんなもの?

 では具体的に、工事進行基準とはどのようなものなのだろうか。以下の例で考えてみよう。

工事完成基準と工事進行基準の対比
工事完成基準と工事進行基準の対比

 現在IT業界で広く採用されている会計基準「工事完成基準」の場合、完成したビルを顧客に引き渡して初めて損益が計上される。逆に言えば、ビルができ上がるまでは1銭たりとも売上が計上されないことになる。これは長期間の大きな工事を行っている企業を評価した場合に、その健全性が反映されない可能性を意味している。

 この完成基準に対応する概念が「工事進行基準」である。この例では、3年の工期の間、毎年1/3ずつ工事が進行すると考えて、売上40億円と原価30億円それぞれを3年間にわたって毎年計上する。でき上がった後の累積の売上高と原価はどちらの基準を採用した場合も同じとなるが、工事が進行している間も損益計算書に売上を計上するのが工事進行基準の特徴である。

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