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データベースに携わることは人類に貢献するということ―データベース界のラスボス登場!―喜連川優教授


データベースに携わることは人類に貢献しているということ

 ところで喜連川先生はずっと学術機関で研究する立場だ。同じデータベースに携わるにしても、多くの読者のようにIT業界で業務の一環でデータベースを使う、あるいは商用・オープンソース含めデータベース製品を作る立場とはまた違う。先生からはデータベースに携わるエンジニアはどう見えるだろうか。

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 すると先生はこう問い始めた。

「皆さんはこれまで何度OSが変わるのを見てきましたか?その間、データベースは変わりましたか?データベースのほうがライフサイクルは長いのです。ビジネスベースでころころ変わるものとは違うのです」

 確かに。細かいことをいうと、オープンソースデータベースは頻繁に新しいバージョンをリリースしているが、基本的なところはそう変わらない。普段目にしているOSのUIは変化を続ける一方、データベースの基本的なところは安定している。

 いまや社会はデータベースがなくては成り立たない。経済の動きも企業の事業もその基幹には何らかのデータベースシステムが必要となる。CやFORTRANでどんなに頑張っても、データベースをプログラミングしようとしたらとてつもなく手間がかかる。ゆえに「買わざるを得ない」のがデータベースである。世の中には「あればうれしい」ソフトウエアと「買わざるを得ない」ソフトウエアがある。DBMSは明らかに後者である。

 「些細なことに目をやると気づかないかもしれませんが、 データベースは契約社会を支える無くてはならない重要なソフトウェアです。「つまらない」と感じたら、それは大きな間違いです。私たちがやっていることは人類への根源的な貢献とも言えるのです。なぜならデータベース技術は社会を支えているITの基幹であり、データベースの無い社会は考えられないからです。しかも、その中に入っているデータが何よりも貴重であるということ。それを忘れないで」

 先生はデータベースに携わるエンジニアに「私たち」という言葉で力強くエールを送ってくれた。

■■■ Profile ■■■

喜連川優 Kitsuregawa,Masaru

東京大学生産技術研究所 教授/工学博士

1978年 東京大学工学部電子工学科卒業
1983年 東京大学工学系研究科情報工学専攻博士課程修了 工学博士
1983年 東京大学生産技術研究所入所
2003年 生産技術研究所 戦略情報融合国際研究センター センター長
2008年 文部科学省 科学官
2009年11月1日~2011年10月31日 国立国会図書館 科学技術関係資料整備審議会委員
2010年4月 東京大学 地球観測データ統融合連携研究機構長

最近てがけた大きなプロジェクトに、「最先端研究開発支援プログラム(FIRST)(H22-26) 超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価 」。「特定領域研究:情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究(H17-22)」など。モットーは、「良く学び、良く遊ぶ」。趣味は、吉本(お笑い)工学。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/4639 2017/03/15 18:52

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