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モダナイズの前に自社データベースを把握できていますか? 複雑で管理不能な状態から脱し「シンプル」に

来日インタビュー:Nutanix APJ セールス担当ジェネラルマネージャー アーロン・ホワイト氏

 2010年代半ばごろ、サーバストレージ/ネットワークを高密度に集約仮想化した単一のプラットフォーム「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)」を提唱したのがNutanixでした。ここ数年はリフト&シフトやオンプレミスからパブリッククラウドへのバースト、災害復旧など様々なユースケースでの活用が目立つように。そんな同社が現在最も注力する市場の一つが日本を含むアジア太平洋地域(APJ)だと言います。今回は、9月7日付けで同社 アジア太平洋/日本担当セールス部門 バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーに就任したアーロン・ホワイト(Aaron White)氏に、クラウドビジネスにおけるNutanixの優位性と、日本を中心とするAPJ市場動向、そしてNutanixの企業文化について話をうかがいました。

来日の目的は、日本の顧客と“直接会って話すこと”

──はじめに自己紹介をお願いします。

 私のITのキャリアは1990年代半ばからスタートしています。最初はCOBOLのプログラマーとしてUnisysで働きました。その後Sun Microsystems、VMware、Citrix、Hitachi Data Systemsなどいくつかのテックカンパニーで主にセールス担当マネージャとして、中東やアフリカ地域といった新興市場を担当。VMwareには2007年から在籍していましたが、ちょうど仮想化という技術にエンタープライズ企業が注目し始めたころで、同社で4年ほどチャネルリーダーとして仕事できたことは非常に良い経験でした。また、VMwareの前にはSun Microsystemsにも8年ほどいましたが、今振り返ると同社の画期的な技術を近くで見ることができたのは、私の人生にとって素晴らしいジャーニーだったと思っています。

 Nutanixに入社したのは今から5年前の2017年です。APJを担当するまでは、ドバイを拠点にEMEA(欧州/中東/アフリカ)エマージングマーケット担当のバイスプレジデントを務めていました。これからはシンガポールが私の拠点になります。ちょうど家族がドバイからシンガポールに移住しているところです。

──日本に来られるのは随分久しぶりだと伺っていますが、今回の来日の主な目的は何でしょうか。

 日本の重要な顧客やパートナーと直接お会いして、現実に直面している課題を聞き、こちらから提供できるテクノロジーについて説明する機会をもつことが一番の目的です。また、新しくなった東京オフィスで、日本法人のメンバーと会うこともできました。もちろん、世界はまだコロナ禍にあるので調整は難しかったのですが、短い期間でも直接会って話す機会をもつことは個人的にとても重要だと思っています。現地のマーケットがどう変化しているのかをオンラインだけで知るのはやはり難しい。今回は3日間ですが、それでも非常に多くの学びが得られたと実感しています。

画像を説明するテキストなくても可

Nutanix アジア太平洋/日本担当セールス部門バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー

アーロン・ホワイト氏

 あらためて申し上げますが、日本はNutanixにとって重要なマーケットです。トヨタ自動車、スクウェア・エニックス、三井化学、札幌市など先進的な事例も増えており、我々もまた、日本の顧客からのフィードバックを製品やサービスに反映してきました。日本の顧客、そして顧客を支えるパートナーとの関係性を強化することはAPJセールス部門の責任者として最も重要なミッションだと言えます。

トヨタ自動車の迅速なリモートワーク整備に寄与

──今例として挙げられたトヨタ自動車やスクウェア・エニックスのように、日本でもHCIを活用するケースが増えてきました。御社がHCI市場で高い評価を得られている優位性はどのあたりにあるとお考えでしょうか。

 元々HCIという市場は8年前、Nutanixが提唱したもので、そのままリーダーのポジションを維持し続けています。これは我々だけが主張しているのではなく、GartnerやIDCといったリサーチ企業による調査でも明らかです。グローバルでの評価が日本の顧客にも共有され、実際の導入につながっていると見ています。

 では顧客がNutanixの何を評価しているのか、ここでは3つの優位性を挙げます。

 1つ目はシンプリシティの徹底です。Nutanixの製品やサービスはとにかくシンプルであることが大前提。顧客の環境で日常的に操作されるものが複雑であってはいけないという観点から、オペレーションを可能な限り簡素化するように設計しています。

 2つ目はマルチクラウドとハイブリッドクラウド、そのどちらのオペレーションもシームレスに実現できる“ブリッジ”として、弊社のHCIソリューションが機能していることです。私は「ハイブリッドマルチクラウド」と呼んでいます。

 3つ目は、時代の変化に遅れることなく、新しいケイパビリティを製品に実装し、顧客の要望に応え続けている点です。たとえばここ数年では、ユニファイドストレージ、アプリケーションライフサイクルマネジメント、シンプル化されたデータベースオペレーション、高度なセキュリティアーキテクチャといった機能を次々に製品に実装してきました。ここで重要なのは、ただ高機能にするのではなく、あくまでもシンプルなオペレーションを前提に、新しいケイパビリティを高い集約度で実現していることです。どんなにハイレベルのHCIテクノロジーであっても、それを管理できなければ意味がありませんからね。

──つまりシンプルでシームレスなオペレーションを徹底しているからこそ、HCIのリーダーとして顧客から評価されているということでしょうか。

 シンプルなオペレーションが重要なのは、シンプルでなければビジネスの変化に柔軟かつ迅速に対応していくことが難しいからです。たとえば新型コロナウイルスの感染拡大は世界中の企業のビジネスのあり方を大きく変えました。リモートワークの普及はその典型的な例です。

 先ほど名前が挙がったトヨタ自動車では、2016年より人事部門が主体となり在宅勤務制度を拡大しており、設計開発部門でもリモートワークを推進すべく「Nutanix Cloud Platform」でVDI(バーチャルデスクトップ環境)を構築していました。新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの従業員が在宅勤務をせざるを得なくなったことから拡張計画を前倒しし、わずか2ヵ月で約1,000台分のVDI環境を構築しました。これはインフラ自体がシンプルだったからこそ実現できたと言えます。

 もう一つ、Nutanixのシンプルさが奏効した例を挙げましょう。私はゲームが大好きで、時間が空くとよくゲームをするのですが、スクウェア・エニックスも我々の顧客です。同社はゲームタイトルのプロモーションWebサイト構築のインフラに我々の基盤を選びました。様々な製品を使っていただいている中で、特に私が感心したのはユニファイドストレージの活用です。既存の3層構成のストレージからユニファイドストレージに乗り換えたことで、(ゲームタイトルの人気など)ニーズに応じた、自在な拡張とマイクロセグメンテーションによるWebサイトごとに独立したセキュリティの確保が可能になりました。かつて必要としていた大量のストレージアプライアンスは不要となり、アップグレードなどの作業もダウンタイムを必要とすることなく、ストレージ管理者の負荷も大幅に削減できたと聞いています。まさにNutanixが提唱するワンクリックオペレーションが、大好きなゲーム企業で実現できたことはとてもうれしかったですね。

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モダナイズに苦しむ日本企業がすべき、最初の一歩

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この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

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