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高齢・過疎化が進む日本の自治体DXのモデルケースへ 浜松市が取り組む、官民共創のデータ基盤構築

自治体の役割は、市民のためのインフラ作り

 道路総延長全国1位、橋梁数も中部地方整備局の管内1位と広大な市域を有するも、その約67%は森林であり、市域面積の約50%がみなし過疎地域。一方で、ヤマハやスズキ、ホンダ(本田技研工業)といった日本を代表する企業の創業の地でもあるのが静岡県西部に位置する浜松市だ。同市では2019年10月にAI、ICTなどの先端技術やデータ活用などデジタルの力を最大限に活かして「都市づくり」「市民サービス」「自治体運営」の3つのデジタルファーストに取り組む「デジタルファースト宣言」を行った。浜松市がどのようにデジタルを活用した持続可能な都市経営を実現しようとしているのか、浜松市 デジタル・スマートシティ推進部 デジタル・スマートシティ推進課の瀧本陽一氏に話を聞いた。

持続可能な都市経営のためのデジタル活用とスマートシティ

 「平成の大合併」と呼ばれる時代の真っ只中である平成17年(2005年)7月、浜松市は、浜北市、天竜市、舞阪町、雄踏町、細江町、引佐町、三ヶ日町、春野町、佐久間町、水窪町および龍山村の12市町村と合併した。この大合併によって新たに生まれた浜松市は、全国の市町村で第2位の面積となった。

 2023年5月時点で79万人もの人口を抱えている浜松市。しかしその数は減少傾向にあり、政令指定都市ながらも全国の市町村が抱える課題を凝縮したような自治体だ。そこで浜松市では、デジタルを活用し持続可能な都市モデルの確立を目指している。これを実現できれば、浜松市が日本全体で目指すべきモデル都市にもなり得る。

画像:浜松市より提供【クリックで拡大】
画像:浜松市より提供【クリックで拡大】

 2019年10月、当時の浜松市長であった鈴木康友氏によるデジタルファースト宣言が行われ、2021年3月にはデジタル・スマートシティ構想が発表された。翌2022年7月、鈴木氏はデジタルを活用したまちづくり推進条例を施行し、2023年1月にはDX推進計画も策定している。これら動きの中で、令和2年(2020年)度にはデジタルガバメントとスマートシティの実現を進める組織、デジタル・スマートシティ推進事業本部が誕生している。

 この組織は特定の政策を集中的に進めるための市長直轄部隊で、情報システム部門とは別に立ち上げられた。推進事業本部でデジタルガバメントとスマートシティ全般の舵取り役を担ってきたが、2022年の条例策定を受け、時限的組織だった事業本部を母体に情報システム部門も含むデジタル・スマートシティ推進部が新たに誕生している。

 人口が減り高齢者が増え、過疎で消える地域も出てくるであろう。合併後の浜松市は、そのような地域が市の面積の半分以上も占める。その状況の中で、いかに持続可能な都市経営を行うのか。

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従来の自治体のやり方では遅すぎるからこそ、アジャイルに

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

西隅 秀人(ニシズミ ヒデト)

元EnterpriseZine編集部(2024年3月末退社)

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