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資生堂、LINEヤフーのSalesforce Data Cloud活用事例:生成AIで顧客体験と業務効率を向上する

Salesforce World Tour Tokyo 2023 レポート

 セールスフォース・ジャパンは11月28日から29日にかけて「Salesforce World Tour Tokyo 2023」を開催した。この記事では、初日の午後に行われた「AI & Data基調講演~対話型AIとデータ戦略に企業が投資するべき理由」で取り上げられたSalesforce Data Cloudの生成AIユースケースの仕組みとして資生堂、LINEヤフーのユースケースを紹介する。

Salesforce Data Cloudとは?

Salesforce VP, Product Management, Data Cloud ブラッドレー・ライト氏
Salesforce VP, Product Management, Data Cloud ブラッドレー・ライト氏

 Salesforce Data Cloud(以降、Data Cloud)は、Salesforce製品体系に組み込まれたハイパースケールデータプラットフォームである。「Dreamforce 2022」で発表して以来、セールスフォースはData Cloudの製品強化に取り組んできた。Data Cloudの役割は、Salesforceと Salesforce外のデータを強固に統合することで、最大の特徴は、「業務の流れの中でETLなしで、Salesforce外にあるデータレイクやデータウェアハウスにアクセスできることにある」とブラッドレー・ライト氏は説明した。

 先行的にData Cloudを利用する企業の中には、大きな成果を挙げたところも出てきた。その内の1社であるブラジルのデジタル銀行Interでは、クロスセルとアップセルの精度を高めるためにData Cloudを採用し、マーケティングキャンペーンのROIが従来比で20倍の成果を得た。また、世界有数のレーシングブランドとして知られる Formula One は、Data Cloudをファンプロファイルの充実に利用し、アプリトラフィックを60倍増加させた。

統合データモデルのハーモナイズとAIグラウンディング

 Data Cloudの仕組みを簡単に説明する。使い方は、組織内にある様々なデータソースに接続し、データをData Cloudに取り込むことから始まる。データソースの中には、Sales CloudやService Cloudなど、セールスフォースが提供するアプリケーションもあれば、Google BigQueryのようなクラウドストレージ内のデータやSnowflakeのようなデータレイク内のデータもある。次に、取り込んだデータをビジネス的に意味のある「統合データモデル」にハーモナイズさせる。できた統合データモデルは、信頼できる唯一の情報源(SSOT)として、Salesforceアプリケーション上で様々なユースケースに利用できるようになる。そのユースケースの1つが生成AIの「AIグラウンディング」である(図1)。

 例えば、営業担当者がSales Cloud上でメールの文案を作ろうとしたとする。プロンプトに「アプローチメールを書いてください」と依頼しただけでは、送りたい相手の情報も入っていなければ、自分たちの情報も入っていない文案にしかならない。ところが、Data Cloudを利用すると、鈴木さんというアプローチしたい相手の状況を加味した文面を作ってくれる。その内容は相手から返事がもらえそうなほどの質だ。これができるのは、Data CloudがAIファーストのPaaS「Einstein 1 Platform」上で稼働しており、LLMが鈴木さんに関するSalesforce内のデータとSalesforce外のデータを統合した顧客プロファイルに動的にグラウンディングできるためだ。

図1:Einstein 1 Platformに緊密に統合しているData Cloud 出典:セールスフォース・ジャパン
図1:Einstein 1 Platformに緊密に統合しているData Cloud 出典:セールスフォース・ジャパン [画像クリックで拡大]

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メタデータ活用で、Salesforce外のデータもシームレスに利用

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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