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スマート化する都市

キーワードは“ライフサイクル” スマートシティーを実現するために重要な「エンタープライズ・アセット・マネジメント」の考え方

■第三回

今回は、スマートシティーを実現するための重要なソリューションのひとつである「エンタープライズ・アセット・マネジメント」(EAM:Enterprise Asset Management)の考え方と、建物や施設にフォーカスした新しい市場領域である「スマーター・ビルディング」についてご紹介します。

スマートシティーを実現するための重要な「エンタープライズ・アセット・マネジメント」とは?

 Asset、つまり「資産」という言葉を辞書で引くと、「個人または法人の所有する金銭・土地・建物などの総称、財産」というのが一般的な記載ですが、今回ご紹介する「エンタープライズ・アセット・マネジメント」(EAM:Enterprise Asset Management)という考え方をお伝えするには、少し補足が必要になると思います。

 企業の存続条件から外すことができない条件には、利益確保や社会貢献などといったものがありますが、EAMが取り扱う管理対象を一言でいうならば、これら利益確保および社会貢献の“源泉”となるものを資産と定義して考えた方がピンとくると思います。

 たとえば、航空会社にとって利益の源泉となるもっとも重要な資産は飛行機そのものでしょう。語弊を恐れずに言えば航空会社にとって、飛行機は空にいる時に(乗客を運んでいるとき)にお金を稼ぎ、陸(メンテナンス作業など)では費用がかかる、ということになります。同様に労働環境を提供しているオフィスビルは、働く社員の生産性を高めるための重要資産という見方もできます。いずれに場合においても、コストとパフォーマンスのバランスが課題となります。

 このように企業にとっての重要資産を経営の視点から管理する手法こそがEAMの本質である、と考えています。経営に立った視点とは、資産管理に対する投資コストの最適化、資産が生み出すパフォーマンスの最大化を、経営判断に必要なKPI視点で管理状態におくことであり、一般的には保全業務領域にフォーカスされることが多く、年次計画、月次計画に従って、作業指示がされて、その結果が報告される。これらのプロセスは可視化されて、経営判断がされつつ、PDCAサイクルを回しながら最適化を図ることになります(図1)。

図1:EAMの基本の流れ

 一方、IBMが取り組んでいるスマーター・シティーにとってEAMがなぜ重要なソリューションのひとつに位置づけられているのでしょうか?

 現在、都市は中核的な行政サービスの提供に影響を及ぼしかねない深刻な課題に直面しています。昨年末に起きた笹子トンネルの事故の例を出すまでもなく、都市の責任者は、インフラの老朽化、予算の縮小、人口動態の変化、脅威の増加といった厳しい現実から新たな機会を作り出すことで、こういった課題を解決しなければなりません。

 都市が直面する問題は、交通、水資源管理、公共安全、エネルギー、教育、医療、社会福祉などの複数の組織にまたがっていることが少なくありません。EAMソリューションは、これら複数の組織が所轄する様々なインフラ・資産管理を、上述したEAMソリューションで実現することができます。言いかえれば、企業レベルから街レベル、行政レベルへと資産管理を発展させることにEAMソリューションの本分があると考えています。

 それら様々なEAMソリューションの中から今回は、建物を例にとってご紹介していきます。キーワードは、“ライフサイクル”です。

次のページ
「スマーター・ビルディング」を実現するIWMSソリューション

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この記事の著者

中丸 毅(ナカマル ツヨシ)

日本アイ・ビー・エム株式会社アプリケーション・イノベーション・サービス エンタープライズ・アセットマネージメント担当日本IBM入社当時グローバル社内情報システム設計プロジェクトに参加の後、マルチメディアソリューション、ビジネス・プロセス管理システムに関する多くのプロジェクトに参加。2004年より、S...

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