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ガートナー、外部委託コスト最適化のためのフレームワークを発表

 ガートナージャパンは、6月2日、企業が外部委託コスト最適化に向けた施策を進めるためのフレームワークを発表した。

 同社はITリーダーに対して、外部委託計画のフェーズで各プロジェクトの重要度を検証するとともに、ベンダー選定や契約交渉のフェーズでは適切なコストの提案や契約条件をITベンダーから引き出すことが重要と指摘する。運用保守サービスやサブスクリプションについても、利用の仕方や契約条件を見直すための契約交渉を行って、コストの適正化を図ることを求めている。

 外部委託計画では、プロジェクトの種類を「売り上げ増やコスト削減に結び付けやすいプロジェクト」と「金額的効果に結び付けにくいリスク軽減のためのプロジェクト」に分類することを推奨。「売り上げ増やコスト削減に結び付けやすいプロジェクト」は、同社が作成している「ビジネス価値ツリー」で優先順位を決められると解説。

 一方、「金額的効果に結び付けにくいリスク軽減のためのプロジェクト」は「リスク評価マトリクス」で、リスクが起こる可能性とリスクが起こった際の影響度から優先度を評価できる。

 さらに、ITサービス調達におけるソーシングオプションでは、「リモート型の開発」「クラウド開発基盤」「標準的な開発フレームワークや自動化」に関する情報開示をベンダーに求めるべき、としている。

 ベンダー選定では、開発プロジェクトの提案要請書(RFP)に含めるべき項目として、以下を挙げている。

  • プロジェクトの基本情報やサービス要件、ベンダーに期待する適性などの情報開示
  • ベンダーが回答作成のためのスケジュールを適切に調整できるように、評価プロセスや価格の提示方法の開示
  • 各ベンダーから公平で同じ粒度の提案を引き出すために、共通の回答テンプレートの開示

 回答テンプレートには「価格」「スケジュール」「体制」「管理方法」「提供形態」「成果物」「提案する製品/サービス」「セキュリティ管理ポリシー」といった項目が必要とする。とりわけ「価格」「スケジュール」「体制」については、あらかじめ提案の粒度を指定する必要があると指摘した。

 運用保守/サブスクリプションの契約交渉では、不要コストの発生源を絶つ必要性から、社内の利用状況の棚卸しや、現在使用していない「シェルフウェア」の把握を求めている。

 運用保守サービスでは、直近の契約更新時に委託範囲やサービス・レベル合意(SLA)を見直すことが可能。中長期的な対策としてAIやロボティクスなどを活用し、オンサイト人材の削減などを進める必要があると訴えたほか、コスト低減の選択肢としてサードパーティ保守への移行も提案する。

 クラウドサービスのサブスクリプションでは、完全従量課金が一般的なIaaSやPaaSでは、利用量の削減がコスト削減につながる。そのため、契約更新時に契約条件を再交渉するだけでなく、場合によっては契約期間中でも不要/過剰なサービスの停止も可能性の1つとして提示している。

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