SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press

「グローバル一体経営」の実現に王手。荏原製作所が採用した“As-Isに引っ張られない”SAP導入手法

浅見社長ら経営層も深くコミット トップダウンで推し進める「強い意志」と「確かな手応え」


 荏原製作所では現在、グローバル経営体制の強化のためにグループ全社への「SAP S/4HANA」導入プロジェクトをアビームコンサルティングの支援のもと進めている。このプロジェクトの背景や目的、導入テンプレートをフル活用した展開手法などについて、同プロジェクトを率いるCIOの小和瀬浩之氏に話を聞いた。

10年後の“ありたい姿”から逆算し、長期ビジョンを策定

 荏原製作所は、1912年にポンプ製品のメーカーとして創業して以来、長年にわたって主力製品のポンプ製品をはじめとして送風機やタービン装置、空調システム、ごみ処理施設など社会インフラを支える様々な製品・設備を提供し続けてきた。近年では半導体製造装置の事業にも力を入れているほか、海外市場にも積極的に進出し、5つのカンパニーを展開するグローバル企業としての存在感も急速に高めている。

 そんな同社は2019年、長期ビジョン「E-Vision 2030」を発表した。執行役 情報通信統括部長 兼 CIOの小和瀬浩之氏は、E-Vision 2030を策定した背景について次のように説明する。

 「弊社はこれまで『E-Plan』と呼ばれる3ヵ年の中期経営計画を打ち出してきました。この方針に沿って、2020~2022年の3年間の中期経営計画『E-Plan 2022』を2019年に策定したのですが、その際に『10年後の荏原製作所の“ありたい姿”を描き、そこからバックキャスティングする形で中期経営計画を立てるべきでは』との意見が出たため、10年間の長期ビジョン『E-Vision 2030』を策定することになりました」

画像を説明するテキストなくても可
荏原製作所 執行役 情報通信統括部長 兼 CIO 小和瀬浩之氏

 同社はこのE-Vision 2030において「社会・環境価値と経済価値の両方を向上させることで、荏原製作所の企業価値を高める」ことを謳っている。具体的には、社会・環境価値として「CO2約1億トン相当の温室効果ガスの削減」「世界で6億人に水を届ける」などの目標を挙げるとともに、経済価値としては「ROIC10.0%以上」「売上高1兆円規模」「時価総額1兆円」などの数値目標を掲げており、その一部は既に前倒しで達成しているという。

画像を説明するテキストなくても可
クリックすると拡大します

 そして、これらの目標を達成するための具体的な施策として現在取り組んでいるのが、「グローバル経営」のための体制構築だ。年々海外ビジネスの比重が高まりつつある同社では、グローバルでいかにオペレーションを効率化し、人材を適材適所で登用し、各拠点・グループ会社に対してガバナンスを効かせるかが大きな経営課題として浮上しているという。

 そこで現在、これらの課題を解決するために全社を挙げて進めているのが、ERP導入によるグローバルでの業務標準化プロジェクトだ。

次のページ
“阿吽の呼吸”ではグローバルで戦えない

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/17621 2023/05/08 16:50

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング