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「変化は待っていても起こらない、自ら起こすもの」――ServiceNowのプラットフォームを活用するアフラックの覚悟

 デジタル技術を武器に既存市場に参入するディスラプター(破壊者)。実績ある大企業もこれらに対抗するため、業種や業態を問わずデジタル変革を進めなければならない。アフラック生命保険株式会社は、変革のための新たなITプラットフォームにクラウドサービスのServiceNowを選択した。生命保険業界において、アフラックはServiceNowを活用してどのように社内デジタル変革に取り組んでいるのか。アフラックのCIOとしてデジタル変革をリードする常務執行役員、二見通氏に、ServiceNow Japan社長の村瀬将思氏が話を訊いた。

生命保険業界での変化に対応するためのデジタル化と企業変革

 村瀬氏:二見さんはこれまで、さまざまな企業で変革に携わってこられました。はじめに二見さんのご経歴と、現在どのようなお仕事をされているか教えてください。

アフラック生命保険株式会社 常務執行役員 CIO 二見 通 氏
2015年、アフラックに常務執行役員として入社。それ以前は、AIGグループ会社のほか、メットライフ生命、三井生命保険株式会社でも長年にわたり常務執行役員CIOの要職を務める。

 二見氏:現在、常務執行役員 CIOとして、アフラックのIT部門を担当しています。既に30年ほど生命保険業界に身を置いており、ほとんどが外資系生命保険会社です。アフラックには2015年1月に入社。これまで主に、生命保険業務にまつわるシステム開発を行ってきました。他にも契約管理部門、あるいはコンタクトセンターの統括業務にも携わりました。アフラックでは基盤サービスやビジネスアプリケーション開発、IT人事および予算管理を担う組織など10部署を担当統括しています。

 村瀬氏:30年間にわたり生命保険業界でさまざまな経験をしてきた中で、具体的にどのような取り組みをされてきたのでしょうか。

 二見氏:多くはビジネスアプリーケションシステムの開発です。また長年にわたって、社内業務プロセス改革を含む多くのトランスフォーメーション/イノベーションプロジェクトに取り組んできました。最新テクノロジーを用いた新しい保険サービスの考案・開発、BPOを取り入れた社内業務プロセスの改革とそれらを支えるシステム開発を行ってきました。また、時には新たなビジネスモデルの構築にも関わってきました。

 現在、アフラックのIT部門では約450名の社員と約2,500名のITパートナーの方々、合わせて約3,000名のシステムメンバーがデジタル化を含む多くのシステム開発、インフラ構築・運用に取り組んでいます。最近では保険業界にも新たなディスラプターの登場に加え、人生100年時代と言われるほどにライフスタイルの変化が起こるなど、保険商品やお客様・代理店サービスにおけるニーズは多様化しています。このような状況の変化に対応するため、AIやロボティクスをはじめ新しいテクノロジーを活用した業務変革は、大きな経営課題の一つとなっています。

 また生命保険業界にもオープンイノベーションの波が押し寄せ、異業種の企業とも積極的に連携しながら新たなサービスを生み出す必要も出てきました。ここでも、デジタル化は鍵です。保険業界を含め我々の周りでは、今まで経験したことのない競争が起きており、変革できない企業は取り残され、最後は消滅しかねないという大きな危機感を持っています。

 加えて、内部でも引き続き業務改革が求められ、ここでもデジタル化は必須です。これまでの業務改革ではコスト削減を重視してきましたが、今ではUI/UXの向上へも注力しています。UI/UXは外部顧客向けに重視されていますが、IT部門にとっては社内ユーザーも顧客です。UI/UXを向上して社内システムの使いやすさとともに満足度を向上させれば、業務時間の短縮、働き方改革にもつながるはずです。

サイロ化したバックオフィス業務を部門横断的に支えることで効率化

ServiceNow Japan 社長 村瀬 将思 氏
1993年株式会社TKC入社、2000年iGATE Global Solutions Limited入社、2009年 日本HP株式会社、HP SW、PS事業本部本部長として入社。2012年itSMF Japan理事に就任、2014年日本HP株式会社 HPSW事業統括、執行役員に就任、2016年1月より現職。

 村瀬氏:外部の顧客体験だけでなく、従業員の体験向上もたしかに重要ですね。実現のために、アフラックでは実際にどのようなチャレンジをしているのでしょうか。

 二見氏:IT部門として取り組んだのは20年余り使ってきたグループウェアの刷新です。このグループウェアは、かつては画期的なものでしたが、今ではテクノロジーも古く市場シェアも狭まり、製品への投資も減少しました。技術者も不足し、バージョンアップにもコストがかかります。ソフトウェアやハードウェアのサポート終了タイミングに伴う移行にも、大きな手間がかかっていました。とはいえ、このグループウェアは使いやすい面もあって、エンドユーザーコンピューティングでさまざまな業務フローをこの上に作り込みました。一方、その結果としてアプリケーションのサイロ化という問題も生み出しました。

 これらの課題に対応するためには、バックオフィスのさまざまな業務を横断的に支えられ、汎用的でさまざまな部門が共通に使えるプラットフォームが必要となりました。また、サポート終了にともなう移行の手間やコストから解放されるには、クラウド上で構築でき、ユーザーにとっても、またシステムメンバーにとっても使いやすいシンプルなシステムでなければとも考えました。

 その上でアプリケーション開発用テンプレートが豊富に揃っていて、典型的な業務処理はすぐに実現できるものが良い。そしてもう1つ、オープンイノベーションで他のシステムと連携がしやすいことも要件としました。これら多くの要件に応えたのがServiceNowのクラウドプラットフォームだったのです。

 ServiceNowの採用で、キーワードとなったのが「スピード」と「シンプル」です。実際ServiceNowに移行して、ワークフロー申請やさまざまな操作画面はかなりシンプルで使いやすくなり開発も迅速化しました。その上でデータが一元管理され、「透明性」がある点も評価しています。

 もう1つ重要なのが「完結性」です。必要な処理を行う際に、1つのプラットフォーム上で完結できるかどうか。1つの処理なのに「ここはこのツールでこっちは別のツールで……」となっては、ユーザーにとって使い難い。こういった多くの要件を満たしてくれたのが、ServiceNowでした。

プラットフォームをより活用するために専門組織も創設

 村瀬氏:日本の多くの企業は国内同業他社の事例を気にしますが、アフラックではServiceNowのグローバル事例を評価し選んでもらえたと思っています。

 二見氏:そうですね。我々としては日本でなくグローバルのスタンダードを見ています。いち早くベストを実現するために、世界のスタンダードを常に見て考えている企業と一緒に取り組むべきだと考えています。

 村瀬氏:もう1点、アフラックは業務にテクノロジーを合わせるのではなく、世界のベストプラクティスを活用して業務自体を変革することにも積極的だと感じています。

 二見氏:せっかくパッケージ製品を入れても、跡形もなくカスタマイズしてしまったり、あるいは徹底的に作り込んでしまったりといった話は良く耳にします。しかし本来パッケージは最適な作りになっているはずです。その仕組みを壊すのは好ましくない。むしろ我々が業務のやり方をパッケージに合わせることで、世界中で活用される効率の高いビジネスプロセスを実現できます。まだまだ完璧ではありませんが、徐々にそういったアプローチが可能となります。

 村瀬氏:ServiceNowを導入する際「スピード」がキーワードとなっていました。実際、アプリケーションの開発面などで変化はありますか。

 二見氏:現在、ServiceNowのプラットフォームを活用しながら、ウォーターフォールからアジャイルに開発手法を変えているところです。スピーディーにアウトプットを出すのは、IT部門だけなく全社レベルで取り組んでいます。ServiceNowの導入は、アジャイルに素早く開発する方針にも合っていると判断しています。

 実際、開発現場からは従来よりも開発にかかる期間が1/3になったと聞いています。以前は紙とExcel、さらには各種データベースも使い業務プロセスの処理を行っていました。それがServiceNowの単一プラットフォーム上で全てが完結するようになり、迅速性が確保されるだけでなく、開発者にもユーザーにもストレスを与えなくなりました。

 今後さらにスピーディーな開発を実現するため、新たにServiceNow専任の組織も作りました。こういった組織はなかなかユーザー企業にはないかもしれません。この組織がリードし、全社レベルでServiceNowのプラットフォームをさらに活用していきたいと考えています。

ServiceNowの持つグローバルでの知見/経験を最大限に活用

 村瀬氏:今後のデジタル変革の方針を教えてください。またその際、ServiceNowに期待することはありますか。

 二見氏:今後はITのリソース管理なども、ServiceNowのプラットフォームでデジタル化していきます。このあたりは、ServiceNowに既にテンプレートがあるのでそれを活用する予定です。テンプレートを使えば人事や総務システムとの連携も容易にできると聞いており、そういったところも素早く実現できると考えています。

 ユーザーや一部のシステムメンバーからは変化を嫌い抵抗が出るかもしれませんが、それについては各ステークホルダーと綿密かつ丁寧にコミュニケーションをとりながらメリットをきちんと説明することで理解してもらうことが重要と考えています。ServiceNowは「3ヶ月待ってくれればメリットを見せます」と言える点も良いところです。早く成果を提示できれば、現場にそれを経験し納得してもらいやすくなります。

 ServiceNowに対しては、我々が逐一要求を上げなくても世界中からさまざまなリクエストが集まっているはずです。それが順次実装され、使いやすいものに成長するのはクラウドプラットフォームならではの良さです。ServiceNowを通じグローバルな知見を取り込めることは、グローバルソリューションを選んだメリットだと思います。

 だからこそServiceNowには、今後も全世界から得られるベストプラクティスの積極的な提案を期待します。やるべきことはもちろん、やるべきではないことの指摘などもしてもらいたい。そういったことで、真のパートナー関係が築けるはずです。また本音で語れるユーザーの仲間も増やしてもらい、横のつながりから新たな知見を得られるようにもしてもらいたいです。

 村瀬氏:そういった要望に応えられるよう、ユーザーにはカスタマーサクセスのベストプラクティスをドキュメント化し無料で提供しています。今後も更に情報共有を行い、お客様に価値が提供できる真のパートナーに向けて日々努力したいと思います。

 二見氏:今回のServiceNowの導入で、長年にわたりかなりカスタマイズしてきたグループウェア環境もServiceNowに比較的容易に移行できると分かりました。ただし、この実現には一緒に開発に取り組んでくれる信頼できるパートナー、良い製品を提供してくれるベンダーとの三位一体の体制が必要でした。信頼関係と、リーダーのやり遂げるのだという折れない心は特に重要な要素です。

 変革はトップダウンで成功する場合も多いのですが、理想はボトムアップとトップダウンの両方のアプローチです。今回はユーザー、システムメンバーの変革に対するモチベーションが高かったことも良かったところです。アフラックの変革はまだ始まったばかりです。変革は黙っていては起こりません。自分たちで動き出すことで生まれます。これはServiceNowのCEO ジョン・ドナフー氏も指摘していたことです。ServiceNowを使って起こした私たちの変革の経験を、今度は他の人たちとも共有できればと思っています。

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