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EnterpriseZine Day 2022 レポート

富士通 福田譲氏×ELYZA 野口竜司氏が指摘 過去事例や年齢ではない「DX推進のファクター」とは

EnterpriseZine Day 2022 クロージングセッション:混迷するDX実現に向けた“走り方”を二人の賢者に問う


 6月28日にEnterpriseZine編集部主催のイベント「EnterpriseZine Day 2022」が開催。同イベントのクロージングセッションでは、富士通の福田譲執行役員EVP CIO兼CDXO(最高デジタル変革責任者)補佐と、ELYZAの野口竜司取締役CMOの対談が実施された。モデレーターは、EnterpriseZine編集長の押久保剛がつとめる。

二人が語るDXの現在地とは

押久保剛(以下、押久保):「混迷するDX実現に向けた“走り方”を二人の賢者に問う」と題して、福田さんと野口さんにパネラーとして登壇いただきます。

福田譲氏(以下、福田氏):まず、賢者ではないです(笑)。私自身、悩みながら富士通のDX、内部変革を推進しています。

野口竜司氏(以下、野口氏):イライザという大規模言語AIを活用したサービスを提供する会社に所属しています。主に企業のDXをいかに実現していくかということにチャレンジしています。

押久保:今回ですが、音声SNSのClubhouseでお二人が話していたことがきっかけで対談が実現しています。

福田氏:「各企業をコンサルティングするならどんなアドバイスするか」みたいな話をClubhouseでしていましたね。皆さんが富士通だったら何をやるとか、良いアドバイスをもらいました。

「DXの現在地」データの在り方が大きく変わりつつある

(右から)ELYZA 取締役CMO 野口竜司氏、富士通 執行役員 Executive Vice President CIO、CDXO(最高デジタル変革責任者)補佐 福田譲氏、翔泳社 メディア編集部 部長/統括編集長 押久保剛
(右から)ELYZA 取締役CMO 野口竜司氏
富士通 執行役員 Executive Vice President CIO、CDXO(最高デジタル変革責任者)補佐 福田譲氏
翔泳社 メディア編集部 部長/統括編集長 押久保剛

押久保:最初に、企業にとってDXの推進が常識となっている中、現在どのような状況にあるのか。福田さんから自社の状況を含めて話してもらえますか。

福田氏:そもそも論ですが「DXが何か」ということが明確でないまま進んでいることが多い。それが混迷を産んでいます。今のデジタル時代にあって、自社の競争力を向上させることがDX。だから、別にITのことだけを言っているわけではありません。どうせ変えるなら、今の時代であればデジタル・IT・データを活用すると変化の幅やスピードを上げられるよね、ということ。それがDXだと思っています。

押久保:野口さんはいかがですか、「DX=AI」ということを仰っている印象をもっています。

野口氏:DXにおいて非常に力をもっているのがAI。何かを変革するという意味では、まったく新しいポテンシャルをもっています。AIこそがDXの切り札であり、“DXの現在地”という視点で捉えると、まさに技術的に大きく発展している状況です。DXを推進する上で助けになるようなAI技術がグローバルで次々と生まれており、それらを使いこなすか、スルーするかで成功率は変わってくるのではないでしょうか

押久保:なるほど、より具体的に教えてもらえますか。

野口氏:私も専門にしていますが、“言語系”の領域ですよね。自然な会話や対話の実現という観点では、2025年頃には日常で提供するサービスにおいて、AIと人間が普通に会話を成立させているんじゃないかと予想しています。

福田氏:AIの精度は本当に高くなってきていますよね。翻訳はもちろん、声を文字に落とす作業や、文章の要約とか。これまで個別のサービスだったものがつながり始めている。「今、私たちが話していることを4ページに収めて」と指定したら4ページの記事になるということが、もうすぐ実現できるでしょう。人間が議事録を作る必要もなくなります。

野口氏:さらに言えば、データの在り方も変わります。これまでは使いやすいデータのみを活用して、どうするかというステージだった。でも、今まさに話しているような会話やお客様の声とか、取り扱いづらかった非構造化データも活用できるようになっています。

福田氏:実際に弊社でやり始めていることですが、見込み客に電話する際、その抑揚をリアルタイムで数値化し、スコアリングされて成約率の高い話し方が提示されることも実現し始めています。もう少し静かにして相手に喋らせたほうがいいよなど、アドバイスをAIからもらうことで自己反省もできるようになります。上長が主観でアドバイスするよりも、データでファクトを示した方が非常にフェアで納得感があります。

野口氏:データ活用については、少し前の常識で考えないほうがいいですね。色々なシーンにおいてデータが業務の中に入り込んでいます。

押久保:DXという大きな言葉で語られてしまうと多くの方が戸惑ってしまいますが、今みたいな身近な例だとわかりやすいですね。

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仕事では自分のスキルや自負があり、それが変化の邪魔をする

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この記事の著者

中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)

株式会社エヌプラス代表取締役デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施...

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