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商船三井、3年がかりで旧態依然の基幹システムから脱却。SaaS/iPaaSベースに刷新までの苦悩とは

「Informatica World Tour 2023」基調講演レポート

 フルスクラッチで開発されたオンプレミスの基幹システムを今後どうしていくべきか、悩む企業は多いのではないだろうか。商船三井は、2022年にオンプレの基幹システムをSaaSに刷新。2023年9月半ばに開催された「Informatica World Tour 2023」に、同社のIT子会社である商船三井システムズのDXテクニカルプール・プロセスアーキテクト&デザイン Associate General Manager 片濱和彦氏とSURF技術運用保守チームコーディネーター 右田卓氏が登壇。「SaaS/iPaaSベースの新基幹システム~オンプレ巨大システムからの脱却~」と題して講演し、基幹システム刷新プロジェクトを振り返りながら、導入の経緯や課題、今後の展望を語った。

クラウド製品へのシフトではノンカスタマイズを徹底

 商船三井は1884年設立の外航海運企業だ。海運業を中心にフェリー・客船などのBtoC事業、不動産事業など社会インフラ企業としても事業を展開している。 

 従来の基幹システムは、業務にシステムを合わせてフルスクラッチで2013年に開発されたもの。外部システムとは中継サーバーを立て、バッチ処理でデータ連携する旧態型だった。

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 片濱氏は前基幹システムが抱えていた課題について、「会計業務に主軸が置かれており、営業支援機能が不十分。追加機能の開発にも時間がかかり、業務の変更に対するタイムリーな対応が困難でした。また、約10年に一度の定期的な再構築のたびに多額の開発投資と大量のリソースが必要になり、ハードウェアやOSの定期的なメンテナンスコストも発生します。海運業は事業規模が急に変わることも珍しくありませんが、その変化に柔軟に対応できていませんでした」と説明する。

 これらの課題に対応するため、SaaS(Software as a Service)/iPaaS(Integration Platform as a Service)ベースの新基幹システムを構築することになった。「業界スタンダードであるクラウド製品へシフトし、それに合わせた柔軟な業務改革を行うことを決めました。Fit to Standardアプローチを採用し、ノンカスタマイズを徹底しました」と片濱氏。

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商船三井システムズ

DXテクニカルプール・プロセスアーキテクト&デザイン Associate General Manager

片濱和彦氏

 刷新プロジェクトはコンセプトの頭文字をとって「SURF」と名付られ、2019年11月にスタートした。ちなみに頭文字はそれぞれ、Standardize(業務を標準化する)、Upgrade(業務を高度化する)、Renovate(業務を刷新する)、Flexibiliser(業務を柔軟にする)を指す。

 新基幹システムでは、財務・経理システムと営業管理システムにあたる船舶運航管理システムに、それぞれSaaSの「SAP S/4HANA Cloud, Single Tenant edition」と「VESON IMOS Platform」を新規導入。また、インターフェース基盤(データ連携基盤)としてインフォマティカのAI搭載データマネジメントクラウド「Intelligent Data Management Cloud(IDMC)」を採用し、システム間のインターフェースを集約することとした。

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インターフェース基盤の選定で重視した3つのポイント

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この記事の著者

古屋 江美子(フルヤ エミコ)

フリーランスライター。大阪大学基礎工学部卒。大手通信会社の情報システム部に約6年勤務し、顧客管理システムの運用・開発に従事したのち、ライターへ転身。IT・旅行・グルメを中心に、さまざまな媒体や企業サイトで執筆しています。Webサイト:https://emikofuruya.com

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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