ソフトウェア開発を請負契約で行った際に、「本来の意味では完成していないけれども、ある工程の区切りで検収し代金の支払いまで済ませてしまう」ということがときどきあります。しかし、こうした分割納品には、当然ユーザーにも危険がともないます。たとえば、最初の契約に基づくソフトウェアが完成し、支払いまで済んだけれども、追加作業の途中でプロジェクトが頓挫してしまったような状況です。当初納品されたソフトウェアが少しでも役に立つならともかく、そのままではまったく業務に使えないということなら、ユーザーとしては大損です。そうした事例から、ソフトウェア開発の元請企業と下請企業間の契約に関する勘所を学びましょう。
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細川義洋(ホソカワヨシヒロ)
ITプロセスコンサルタント東京地方裁判所 民事調停委員 IT専門委員1964年神奈川県横浜市生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。大学を卒業後、日本電気ソフトウェア㈱ (現 NECソリューションイノベータ㈱)にて金融業向け情報システム及びネットワークシステムの開発・運用に従事した後、2005年より20...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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