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Oracle Database 12c メッタ斬り!

マルチテナントでRACするとどうなるか?

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OSの存在意義が問われる

 インサイトテクノロジー 新久保浩二さん

 谷川:RACの話から外れるけど、CDB上にPDBを1つという構成もできますね。移行用に使うなら理解できるけど、移行以外にも考えられるのかな?

 新久保:「現時点ではこのマシンを占有して使うけど、いつかどこかに移す可能性がある」という要件があるなら、ありでしょうね。

 谷川:管理上の手間は増えるのかな。データベースが1つという点では今までと同じ構成のように見えるけど、CDBとPDBでレイヤが増えたぶんもあるし。

 新久保:全く同じ運用ができるかというと違いはあると思います。しかし大きくは変わりません。

 谷川:それなら未来永劫、ずっと同じマシンで稼働させることなんてないのだから、いずれは動かす。だからデータベースが1つでもCDBとPDBにしておくのが賢明なのかな。

 新久保:社内でも似た質問がありました。「今までOracleの1つの箱に1つのデータベースが乗っていた場合、12cにするときにはCDBを挟むのか?」と。自分なら常に「挟みます」と回答しました。今のところ。

 日本オラクル 近藤暁太さん

 谷川:12cに上げるメリットとしてはどうかな。RACは同じなら、拡張性やフェールオーバーとかもマルチテナントにしても変わるものではないというのなら。何かほかにマルチテナントにしたときのメリットやポイントとかある?

 近藤:宣伝になってしまいますけどね(笑)、マルチテナントにはしておいたほうがいいと思います。管理を集約できますし、アップグレードもしやすいと思います。集約してみて実際 に負荷がどうなるか確認する必要はありますが。

 谷川:先の図では3ノードで1つのCDBがあります。この状況で複数のCDBを構成することもできますよね。2ノードで1つのCDB、残りの1ノードで1つのCDBも可能?

 近藤・新久保:できます。

 谷川:それなら2台はRAC構成にして本番に、残り1台はテスト用にもできるんだね。RACだと全体で大きなサーバーだと考えることができるけど、CDBをどう分けるかが設計で重要なポイントになりそうだね。

 新久保:そこが最大の・・・。いまだになかなか難しくて。

 谷川:オラクルからどんな情報が出てくるかな。

 近藤:データベース・クラウドや統合のトレーニングを予定しています。ベストプラクティスの情報提供も予定しています。

 新久保:一般的には共有しているリソースを伸縮可能な形でPDBを使うのでしょうけど、見積もりは難しいと思います。少なくとも簡単な計算式では出せない。

 谷川:データベースでマルチテナントができるようになり、データベースの人たちが悩んでいる。これはサーバー統合していた人たちがリソースどうしたらいいかというのと似た悩みなのかな。

 新久保:そうだと思います。

 谷川:話が飛びますけど、ここまでデータベース側にマルチテナント機能が入るとOSの存在意義が疑問になる。Oracle Databaseが稼働するならファイル制御くらいかな。ユーザー管理も微妙ですよね。Oracle Databaseで使うなら負荷の小さいOSにしたほうがいいんじゃないかな。セキュリティホールも小さくなるのでは?

 新久保:OSの役目がメモリやI/Oに関わるリソースとスケジュール提供だとすると、Oracle DatabaseはあまりOSに頼っていません。確かにOSの役割が小さくなりつつあるというのは間違いないです。ただOracle Linuxがそういう方向に向かうかどうかは疑問ですね。

 谷川:確かに。

 新久保:分かりませんけど。もしかしたら隠し球が…(笑)。

 一同:

 谷川:ともあれ、マルチテナントで使うならUnixのオペレーションなどできなくてもいいということですね。

 新久保:全く要りません。

 谷川:「Windowsしか使ったことありません」という人でもUnixプラットフォームのデータベースサーバーの管理ができてしまうということか。

 新久保:いいことではあるでしょうね。過去のスキルが生かせないという見方もありますが。

 谷川:スキルのある人はCDB以下の管理もやるんだろうな。

 新久保:話は変わりますが、ASMがその最たるもので、ディスクの管理をSQLでできるようになります。自分からするとすごくいいことだと思います。言い換えるとSQL書けないとASMの管理ができないことになります。今までRAIDカードを見ていた人たちがASMだとメンテナンスできなくなるのはいろんなところでひずみが出てきてしまう。そんな一抹の不安が(笑)。

 谷川:「誰かの仕事を奪っている」的な(笑)。

 近藤:ストレージの使われ方を一番知っているデータベースの人たちが、ストレージの設計をしないと。

 新久保:例えばディスクが壊れたとします。今までASMでなくて、RAIDをカシャッと挿したらカードが勝手にリビルドしてくれていました。しかしASMにすると、カシャッと挿してもSQLでコマンドを発行しないとリビルドされません。そうなると、誰がコマンドを打つのか。お互いに「コマンド打ってくださいよ」とコミュニケーションのラウンドトリップが起こってしまったりして(笑)。

 谷川:その間にアラートが大量に出て大変なことに(笑)。そのあたり、どうですか?オラクルとしては「そもそもRAIDなんて使うな」かもしれないけど。

 新久保:使っていますよ。ExadataはRAID使っています。

 谷川:RAIDなの?でもそんな制御にはなっていないよね。

 近藤:基本的にはディスク単位でASMが制御しています。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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