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韓流IT事情

仁川国際空港が6年連続で世界一のサービス評価を受ける理由とは?

第6回


韓国の仁川国際空港が好調だ。開港3年目から黒字を達成して以来、6年連続で1500億ウォン以上の黒字を更新し続けている。また、大手航空会社の経営も軒並み増収増益となっている。一方で、あまり元気のない日本の空港と航空会社。大きく明暗を分けている日韓の違いはどこにあるのか。なぜ仁川国際空港は、他の空港より高い競争力を維持し、世界から高い評価を受け続けているのか。そこには、伝統的なビジネスモデルとはかけ離れた仁川国際空港のビジネスコンセプトがある。

日本のハブ空港として利用される仁川国際空港

 昨年、日本の航空業界のニュースの中で、私が注目したのは2つある。1つは、仁川国際空港が日本のハブ空港になりつつあるとの話題だ。テレビカメラの前に立った当時の国土交通省大臣の前原誠司氏は、固い表情で韓国の仁川国際空港が日本のハブ空港の役割を果たしていると語り、羽田空港を拡大して、奪われたハブ空港を取り戻すと宣言した。

 それには、日本国内の28カ所の地方空港から仁川国際空港の直行便を運航されている現実がある。九州地方の場合、海外に行くために仁川国際空港を利用する乗換客数の割合が仁川国際空港全体の乗換客の中で2008年30%台だったのが2009年には50%を超えるなど利用者が急増している。確実に仁川国際空港が日本のハブ空港としての位置を固めているようである。

 なぜ歴史も浅い仁川国際空港が成田や羽田空港よりも、日本の地方空港にとって頼りの存在になったのか。それにしても一国の大臣が対外に向けて高らかに奪還宣言をしただけに、その後の行方が注目だ。

 もう1つは、日本の航空会社である日本航空(JAL)の没落である。これほど巨大な航空会社が破綻をするというのはあまり聞いたことがない。近年の経済危機で多くの航空会社が経営悪化に苦労しているが、それらの経営危機とは全く状況が違う構造的な問題があるのだろう。

 最近公開された日本国内の大手航空会社2社の経営成績を見てみると、2社とも元気がなさそうだ。経営再建中の日本航空(JAL)の場合、2010年3月期決算は前期の売上高2兆2,304億円から1790億円下がった1兆9,511億円、営業利益は900億の黒字から509億円の赤字となっている。また全日本空輸(ANA)は、2010年3月期決算は前期の売上高より1642億円下がった1兆2,283億円に、営業利益は618億円下がった542億円の赤字へ転落でありいずれにしても売り上げ、利益率がともに下向きになっている。

 一方、韓国の大手航空会社2社の経営成績を見ると、大韓航空は2010年決算で、売り上げは2009年より22%増加の11兆4592億ウォンに、営業利益は前年対比739%増加の1兆1192億ウォンを記録した。2009年の利益が非常に少なかった事情もあるのだが、それにしても800%に近い増加は珍しいものである。

 この記録は、創立以来最高の売り上げと最高の経常利益を上げたとして、華々しく宴会を開いたというニュースが目についた。また、もう1社のアシアナ航空も順調で、売上は2009年より30.5%増しの5兆726億ウォンで営業利益も2009年より増加した6357億ウォンで、これらも創立以来最高の実績のようだ。(次ページへ続く

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ここが変だよ、日本の航空サービス

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この記事の著者

廉 宗淳(ヨム ジョンスン)

イーコーポレーションドットジェーピー代表取締役社長、青森市 情報政策調整監(CIO補佐官)、佐賀県 統括本部 情報課 情報企画監。1962年ソウル市生まれ。1985年ソウル市公務員として3年間勤務。1989年に来日し、3年間、日本の企業でプログラマーとして勤務。1993年 韓国に帰国し、ITベンチャ...

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