SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press

Windows XPサポート終了後の「選択肢」―クラウド、モバイル、多様化し続けるIT利用環境とセキュリティ課題


セキュリティ対策は過渡期――多様化するIT環境に運用しながら随時対処するという現実

 セキュリティ対策をしなければならない環境の変化には、クラウドもある。「クラウドを利用するようになっても、結果的に守らなければならないものは変わりません」と松岡氏。これまでは自分の手許で守っていたものを、クラウドという第三者に預けられるようにはなった。守るものは同じでも、守るべき環境のバラエティが増えたのだ。クラウドで便利にはなったが、セキュリティ課題はその分増えることになる。

 クラウドのセキュリティについては、基本的には仮想化環境のセキュリティを考えることになる。たとえばHyper-VやVMwareを使って、プライベートクラウドやオンプレミスで仮想化イメージを利用していて、それをAmazon EC2などのパブリッククラウドに持っていくことができる。これは、ユーザーにとっては便利で使いやすいが、セキュリティ上は新たなリスクとなりかねない。

 「それぞれの環境で、セキュリティ確保の方法は一様ではありません。動かす仮想化イメージは同じでも、それを動かす環境ごとにセキュリティをどう確保するか考えなければなりません」(松岡氏)

 現状、仮想化環境において完成されたセキュリティソリューションはないと、松岡氏は言う。ユーザーは各ベンダーが出しているツールなどを、それぞれの環境で評価しながら利用している。運用しながら評価しているようなもので、そこには当然リスクも潜んでいる。

 クラウドについてはもう1つ、サービスに接続するクライアント環境のセキュリティ対策の課題もある。現状ではHTMLが表示できれば、クラウドサービスを利用できる端末になり得る。たとえば、家庭にある液晶テレビの多くには、Webブラウザ機能がある。――ところで、読者の皆さんは自宅のテレビに搭載されているWebブラウザのバージョンがいくつで、それにはきちんとセキュリティパッチが当たっているかを把握しているだろうか?――これは、ゲーム機などでも同じ問題だ。

 また、インターネットに接続するさまざまな装置の入力インターフェイスも多様化している。ログイン時に指紋認証を利用するものも身近だし、音声認証で操作するスマートフォンやカーナビなども一般的だ。指紋認証はシリコンなどを用いれば簡単に複製できる。実際、それを悪用した例もある。音声や網膜などの生体認証も安全性が高いと思われているが、声や網膜のデジタルデータを盗めないわけではない。

 「そのうち、何かにアクセスするために声を盗んだという事件が起こるかもしれません。SF映画などの世界だと思っていたものが、どんどん現実の世界になっています。OSをどうするかもそうですが、SF的なことも含めどこまでセキュリティ対策を突き詰めて考えるのか。これはかなり難しい問題です」(松岡氏)

 コンピュータを取り巻く技術がどんどん進歩しており、セキュリティ対策もそれに合わせ変化する。まさに過渡期にあるということだ。

次のページ
仮想化環境を効率的に守る方法も登場している

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5032 2013/08/07 11:31

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング