タレスは、「2025年 消費者デジタル信頼指数」の調査結果を発表した。
同調査では、昨年の同時期と比較し、デジタルサービスへの信頼が世界的に低下していることが明らかになったという。消費者の信頼の低下は、過去1年間で約5人に1人(19%)が個人データの漏えいを通知されたという結果と一致しているとのことだ。また、82%の消費者が個人データの扱いに不安を感じ、過去12ヵ月間にブランドを放棄。日本国内では、過剰な個人情報の要求がブランド離れの最大の要因であることが明らかになっているという。
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グローバル信頼指数ランキング
最も信頼される業界は、2年連続で銀行(日本ではヘルスケア業界が僅差で首位となり、銀行は第2位)。しかし、調査では顕著な世代間の変化が見られ、55歳以上では51%が銀行を信頼している一方で、Z世代(16〜24歳)ではわずか32%だったという。政府機関は、前年と比較して信頼度が増加した唯一の業界であり、42%の消費者が個人情報の扱いについて最も信頼する業界として位置づけたとしている(前年は37%)。
ニュースメディアの信頼度は最も低く、わずか3%の消費者がニュースメディアを最も信頼する業界として位置づけたという。SNS、物流、自動車業界は、ニュースメディアよりもわずかに高い4%となっているとのことだ。
過度な消費者への負担
消費者の86%が、オンラインでやり取りする企業に対して、一定のデータプライバシー権を期待しているという。しかし、データプライバシーに対する懸念が高まる中、63%の消費者はデータ保護に関して消費者に過度な負担がかかっていると考えているとのことだ。37%は、製品やサービスにアクセスするために、やむを得ず個人情報を提供したと回答。一方、企業が適切にデータを使用することを信頼しているため情報を提供したと回答した割合はわずか34%だとしている。
この不満は、顧客体験にも現れているという。オンラインの購入プロセスにおいて、待機列から追い出されたり、価格が変動したり、Webサイトのダウンタイムを経験したりするなど、消費者の33%が、悪質なボットの影響による不満を示しているとのことだ。
懐疑心が高まる中で、消費者の期待は明確だと同社は述べる。消費者の64%は、パスワードレス認証、生体認証、多要素認証、責任あるAI利用などの最新技術を採用することで、ブランドやサービスへの信頼が大きく高まると回答。また、日本の消費者の77%は、企業との情報共有に関して、同意した内容を明確に把握できることが重要であると考えているとしている。
調査概要
- 調査主体:タレス
- 調査機関:CensuswideとThe Red Consultancyの共同で実施
- 調査対象:オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、メキシコ、日本、オランダ、シンガポール、スウェーデン、アラブ首長国連邦(UAE)、イギリス(UK)、アメリカ合衆国(USA)の1万4009人
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