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週刊DBオンライン 谷川耕一

地理情報システムデータベースで生きた地図が生まれる


 「GIS(Geographic Information System:地理情報システム)データベースがこれからは来る!」と語るのは、6月に開催された「db analytics showcase Sapporo 2018」の最初のセッションに登壇したインサイトテクノロジー 代表取締役の小幡一郎氏だ。位置情報の活用はこれからの大きなトレンドの1つとなるが、今までのGISでは少し物足りないところがあるという。

GIS専用のデータベース「MapD」で膨大な位置情報から新たな価値を見出せ

小幡一郎氏
小幡一郎氏

 インサイトテクノロジーにはデータベースに関する長い経験があり、日本を代表するデータベースのプロフェッショナル集団。とはいえ「GISとデータベースを合わせてやるには、今までのデータベース屋では無理」と小幡氏。そこで同社では、GISの専門家である井内一史氏を招聘し本格的にこの領域に取り組んでいる。

 「GISでは、いろいろなものをレイヤーで重ね合わせて表示できます」と井内氏。とはいえ、単に地図上にさまざまな情報を重ねて表示するだけでは「既に少々古くささを感じる」とも指摘する。セッションではGISの発祥の地と言われている、カナダのバンクーバー市の地図情報を表示して見せた。地図上には確かに道路が閉鎖されている状況や、樹木が折れている状況などさまざまな表示されており、状況を読み取ることができる。

GISの専門家である井内一史氏
GISの専門家である井内一史氏

 とはいえ地図上にさまざまな情報は表示されているものの、これでは古くさく感じると。その理由を小幡氏は「一方的にバンクーバー市のほうで情報を入れ、それをユーザーに使わせている。そのため、これは固定的な情報の提供に過ぎず、どこに何があるかを覚えてしまえば意味がなくなってしまう」と説明する。

 静的な情報の提供を行うこれまでのGISに対し、新たな動きも出てきている。それが「Open 311」のような取り組みだ。311という数字は、米国における緊急時以外の行政への連絡窓口用電話番号だ。Open 311のサイトは、本来311で役所など電話で通報するような情報を、ユーザーがリアルタイムに地図上にアップデートしていく仕組みとなっている。

 「Open 311の1つであるWashington DC 311は、iOSのアプリケーションになっています。これで市とユーザーが利用する、双方向の仕組みになっているのです。ユーザーが街中で見つけた情報をiPhoneで入れれば、それがすぐに地図に反映されます。その後の市の対応状況も、アプリケーションから参照できます」(井内氏)

 情報を単に表示するだけのバンクーバーの地図とは異なり、Washington DC 311は「生きた地図」になっていると井内氏は指摘する。

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データベースが遅ければ生きた地図も活用できない

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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