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「データを無理して1カ所に集めない」―Clouderaの新アプローチ、Shared Data Experienceとは?


 AIや機械学習の盛り上がりの少し前には、IoTやビッグデータも大いに注目された。業界キーワードの変遷スピードはかなり速いが、ここ最近登場するどのキーワードも「データを活用し新たな価値を得る」と言う本質はかなり似たところがある。企業は次々と登場する言葉に惑わされることなく、どの技術をどのように使えば自分たちは新たな価値を得られるのか、それを冷静に見極める必要があるだろう。

データ活用をしたいけれど企業の中では未だデータがばらばらのまま

 「企業はデータをどう使うかを考えなければなりません。データを活用している企業が、急激な成長をしています」と語るのは、Cloudera株式会社 セールスエンジニア兼テクニカルエバンジェリストの嶋内 翔氏だ。

 ClouderaはHadoopのディストリビューターの印象が強いが、今や統合データ基盤を提供する会社となった。2008年に創業し、昨年2017年には上場も果たした。現在、社員は世界で1,600名以上の規模となり、3,000社を超えるパートナーがいるとのこと。

 Clouderaのビジネスは急激に成長しているが、それを支えているのが同社のビジネス成長の48%ほどを占める大手企業による採用だ。グローバルでビジネス規模上位8,000社に入るような企業の多くが、Clouderaの顧客となっている。「既存の顧客企業の40%が毎年追加でライセンスを購入していることからも、Clouderaのサービスには価値を感じてもらっています」と嶋内氏は言う。

Cloudera株式会社 セールスエンジニア兼テクニカルエバンジェリスト 嶋内 翔氏
Cloudera株式会社
セールスエンジニア兼テクニカルエバンジェリスト 嶋内 翔氏

 さまざまな企業が今、データを活用しなければならないことは理解されている。その状況をClouderaでは「Data Age」と表現する。Data Ageの中にあり新たなデータ活用をしようとしているが、多くの企業はさまざまな課題に直面し足踏みしている。

 「根本的なものとして、データを活用するためのアーキテクチャに問題があります」(嶋内氏)

 アーキテクチャの問題とは、アプリケーションごとにデータを個別に持っていること。企業の中にある複数のアプリケーションがそれぞれ別々にデータを持っているので、分析もデータごとに個別な方法をとらざるを得ない。さらにアプリケーション間のデータ連携も困難だ。

 アプリケーションごとに分散しているので、何らか統合的な分析をしたければデータをどこからか取ってくる必要がある。そのために統合データベースの設計を行い、バッチ処理などで集めてくる。そうやって集めて始めて、統合化されたデータの上で分析ができる。この処理は繰り返し実施される必要があり、アプリケーションごとに少しずつデータの集め方も変えなければならないだろう。そうしなければ、集めるデータの整合性がとれないからだ。

 こういった方法でデータを集めると、セキュリティ上の問題も発生する。バッチ処理などで集めたデータに対し、元のアプリケーションで行なっていたようなアクセスコントロールを引き継ぐのは簡単ではない。集めたデータに対し、誰がアクセスできるかを管理するのはかなり難しいのだ。さらにアクセスポリシーの変更などがあれば、全てのアプリケーションに対しそれを適用しなければならないのも大きな手間だ。

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データを1カ所に集めずにデータを一元管理するShared Data Experience

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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