CrowdStrikeの日本法人であるクラウドストライクは8月26日、独立系調査会社StollzNowによる調査報告書「2020年アジア太平洋及び日本(APJ)地域におけるサイバーセキュリティの現状」を発表した。
調査によると、リモートワークへの投資を増やすべきと考える回答者の中で、追加投資の優先事項としてサイバーセキュリティ対策の強化を挙げた回答者が最も多い(74%)結果となった。また、経済の見通しが厳しいにも関わらず、65%が技術予算の増加を予測している。
報告書によると、新型コロナの到来以降、多くの組織が生き残りをかけて大規模なリモートワーク対応へ迅速に移行し、ビジネスセグメントや業務全体において前例のない速さと規模でデジタル変革を実施したという。
実際、調査対象となったビジネスリーダーの44%は、パンデミックによってクラウドソリューションへの移行が加速したと答え、82%は新型コロナによって顧客との対話や製品・サービスの提供方法が変わったと答えている。
さらに、サイバーセキュリティへの予算配分が優先事項であると挙げられている通り、回答者の多くが新型コロナによってサイバー脅威が著しく増加したことを認識している。事実、CrowdStrikeでは、2020年当初からのeCrime(サイバー犯罪)活動は前年比で330%以上に増加していると観察している。
ビジネスリーダーが将来に目を向けパンデミックの初期ショックを乗り越えるには、安全なデジタル化を確立し、サイバーセキュリティ研修など適切かつ最も重要な部分への予算配分を優先し、新たなサプライチェーンを守るといった課題に取り組む必要があるとしている。
その他、本レポートで注目すべき調査結果
- 組織は、リモートワーカーに対応するためIT環境を変更してきたが、回答者の39%は新型コロナ後もセキュリティプログラムを変更しておらず、新たな、かつさらに高度な攻撃によるサイバー脅威の潜在的リスクに組織をさらしている。
- 従業員への教育とコミュニケーションはサイバーセキュリティ戦略を成功させる鍵だが、20%のビジネスリーダーはデータ漏洩が発生した際にすべきことを知らず、36%は新型コロナ関連のマルウェアに関する注意を受け取っていない。今後は、APJ地域のビジネスリーダーのうち76%が将来セキュリティ研修を改めて実施すると回答している。
- ニュー・ノーマルに向けて、ビジネスリーダーの67%が組織はリモートワーク環境の構築にもっと投資すべきだと考えている。
- 今後18ヵ月間に予想されるサイバーセキュリティ上の課題の上位は、リモートワーク(54%)、新しい規制(49%)、コンプライアンスのコスト(48%)の順で、限られた予算(47%)と追加研修(41%)が僅差で続いている。