日立製作所(以下、日立)は、4月1日付で、知能ロボットシステム開発のスタートアップ企業であるKyoto Roboticsの全発行済株式総数の約96%を取得し、子会社化したことを発表した。
Kyoto Roboticsは、2000年の創業以来、ロジスティクス・製造現場の完全自動化をめざして、人間と同じように物体を3次元ビジョンで「認識」し、AIを活用した制御システムで「考えて、運ぶ」ティーチングレス・マスターレスの知能ロボットシステムの開発を行ってきたスタートアップ企業だという。
新型コロナウイルス感染症拡大を受けて自動化ニーズが急激に高まる中、日立グループはKyoto Roboticsの買収により、ロボットの3次元ビジョンおよびAIを活用した制御システムといった高度な独自技術を獲得することで、ロジスティクスおよびFA分野における自動化ライン全体のロボットSIを提供することが可能だとしている。
日立は、2019年に米国のJRオートメーションを、日立産機システムが日本のケーイーシーを買収しており、今回の買収によって高度な知能ロボットシステムの技術・ノウハウを獲得することにより、日立グループが提供するロボットSIのさらなる高付加価値化が図れるという。
具体的には、物流センターにおいて、入出荷時のデパレタイズとパレタイズの自動化にKyoto Roboticsの知能ロボットシステムを適用したロボットSIを提供するとともに、日立インダストリアルプロダクツ製の小型無人搬送ロボット「Racrew」や搬送設備も含めて自動化ラインをトータルで提供できるとしている。
さらに、これらを倉庫制御システム(WCS)や倉庫管理システム(WMS)と連係させることで、プロダクト、OT、ITを組み合わせた、現場から経営までが一貫してつながる物流センターの高度化ソリューションを提供。FA向けには、日立グループが提供するロボットSIに、Kyoto Roboticsの知能ロボットシステムを組み合わせた自動化ラインを提供するという。
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