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Notes移行、成功のカギはツールとベンダーの選定


DBなどの移行に求められるツールとベンダーの条件

株式会社 富士通ビー・エス・シー 佐藤 明氏
株式会社 富士通ビー・エス・シー 佐藤 明氏

 A社のNotesからExchangeへの移行作業は、作業ツールの選定後、以下の通り進められた。まずユーザー数8000、Dominoサーバー設置拠点70以上から、6300ユーザー、Exchangeサーバー設置拠点11に絞り込んだ。

 その11拠点に移行作業用のDominoサーバーとNotes Migrator for Exchangeをインストールしたコンバートサーバーを構築し、そして現行のDominoサーバーからコンバートサーバーにデータを複製した。

 Windowsのリモートデスクトップを利用して、実際の移行作業は東京の富士通ビー・エス・シーから全国の移行用サーバーにリモートで入る形で行われた。

 まずコンバートサーバーに複製したDominoメールデータをExchangeサーバーに移行する作業からスタート。以後は3日かけて差分データの複製と移行を、タイムラグを縮めながら繰り返し、本番環境をExchangeサーバーに切り替えた。

 ここでのポイントは、日常業務を支える本番環境に影響を与えず、日中帯でも移行作業を可能にしたことだ。またNotes Migrator for Exchangeはサーバーの移行だけでなく、ローカルのNotesメール、アドレスデータをMicrosoft Outlookなどで使われている「.pstファイル」に変換することも可能だ。

 もちろんNotesからの移行ニーズは、メールだけではない。たとえば掲示板データをMOSSで使いたいという希望がある。その作業で有用なのが同じくクエスト・ソフトウェアのNotes Migrator for SharePointだ。

 有効なツールを使えば、Notesからの移行は確実で、効率的に行うことが可能になる。ただ佐藤氏は「移行ベンダーはExchange/MOSSとNotes双方に対して詳しい知識が必要」と指摘する。

 まずユーザーの既存システムはNotesであり、現在も運用されているため、Notesの高度な技術力が必要になる。旧環境から新環境へのシステム切り替えをする際、Dominoサーバーの設定変更が発生する場合が多く、そこでアドバイスが求められることになる。

 特にカスタマイズされているデータベースの移行可否判断など、移行の際には、設計部分での確認が必要だ。クライアント/サーバーのNotes/Dominoと、ポータル機能や強固なRDBエンジンを備えたMOSSでは、同様の機能を提供する場合の難易度が違う。

 そこでクエスト・ソフトウェアの移行ツールNotes Migrator for SharePointのDiscovery EditionによりDBを分析し、ヒヤリングなどを行った上で、ASP.netで作り込んででも移行する必要があるのか、カスタムリスト機能で対応するのかなどを判断する。佐藤氏は「まず移行不要なものを削ることが重要」と指摘するが、その前提はやはり双方のプラットフォームに関する知識を有していることだ。(次のページに続く

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Notes移行をトリガーにビジネスの幅を広げる

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