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WebSphere Application Server(AD)

クラウド時代のJavaEEプラットフォーム選びのポイント

第1回

クラウド時代に重要となるアプリケーション連携機能

 様々なアプリケーションをクラウド化し利用するような場合、それぞれのアプリケーションを相互に連携する要望が出てくる。その際には、Webサービス(SOAP)を利用し連携させることになる。単にデータ連携するならば、どのアプリケーション・サーバーでも大きな差はないかもしれない。

 しかし、SOAPを使ってアプリケーション連携をする際に、分散トランザクションを行いたければ注意が必要だ。通常は、分散トランザクションのためのロジックを、プログラミングで作り込まなければならず、この手間はかなり大きなものになる。これに対しWebSphereでは、分散トランザクション機能が標準で用意されており、この機能をオンにするだけでいいのだ。

 「WebSphereでは、Webサービスにおける分散トランザクションの3つの仕様をすべてサポートしています。3つともサポートしているのはWebSphereだけです」と須江氏。クラウド化が進めばよりSOAP/HTTPを利用した分散トランザクション要求は増えてくると思われる。その際に、WebSphereのこのWebサービス・トランザクション機能はかなり有効なものとなるだろう。この他にもWebSphereでは簡易ESB機能(SIBus)が内蔵されており、SOA環境でシステムを相互接続する基盤として豊富な実績を持つメッセージング製品WebSphere MQとの相互接続もサポートしている。

 WebSphereで用意されているこれら様々な機能をユーザーが試すために、IBMでは他社製品からの移行キャンペーンを実施している(図3)。マイグレーションツールの無償配布をするだけでなく、移行のためのアセスメントサービスも無償で提供しているのだ。 「通常、WebサービスやServlet、EJBなどのプログラムであれば、9割程度はほぼそのままで移行できます。移行の手間はほぼテストに関わるもので、これは通常の製品バージョンアップと大差ありません」と須江氏は言う。

図3: 無償の移行アセスメントサービス

 もちろん、アプリケーション開発のためならば、WebSphere Application Server for Developerという開発者向け無償版も用意されており、すぐにWebSphereの豊富な機能を試すことが可能だ。自分たちがクラウド上で何をしたいかを改めて見つめ直し、そのために最適なアプリケーション・サーバーの機能は何かを考え、最適な製品選択をお薦めする。

 

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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