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あたらしいSQL Server/Denaliの世界

トレースはもはや古い?SQL Server 2012 の拡張イベント(前編)

#011


 次に実際にリング バッファーに出力されたイベント データを確認してみます。

 ALTER EVENT SESSION を使用してセッションを開始し、SELECT 文を実行します。

 リング バッファーに出力されたイベント データの確認には次のステートメントを実行します。

 実行結果は次のように XML 形式で確認することができます。

 ターゲット リング バッファーに出力されたイベント データはセッションを停止すると確認するとこができません。また SQL Server のサービスが停止した場合も同様です。そのため出力されたイベント データを恒久的に保存したい場合はイベント ファイルのターゲット package0.event_file (SQL Server 2008 R2 までは asynchronous_file_target)を使用します。

 ターゲット package0.event_file のオプションはヘルプに記載されていますが、sys.dm_xe_object_columns を使用しても確認できます。

 column_type 列が “customizable” になっているものがユーザーによって指定できるオプションになります。

 イベント ファイルのターゲットで作成されたファイルはバイナリ形式のため、メモ帳などで開いて参照することができません。参照するには sys.fn_xe_file_target_read_file を使用します。

 SQL Server 2012 ではメタデータ ファイルが削除されたため、sys.fn_xe_file_target_read_file の第 2 パラメータのメタデータ ファイルの指定は必要ありません。SQL Server 2008 R2 までのファイルを読み込む場合の為に残されています。

 イベント ファイルのファイルを読み込んだ結果は、リング バッファーのイベント データを読み込んだときと同様に XML 形式となりますが、イベント データが多くなると確認するのも手間がかかります。XPath を使用する方法もありますが、イベントごとにイベント データに含まれる列が異なるためこの方法も手間がかかります。しかし SQL Server 2008 R2 までは結果を確認するにこれらの方法しかありません。大量のイベント データを確認することを考えると気が滅入ってきますが、SQL Server 2012 では GUI が追加されましたので安心してください。

次のページ
既定で提供される System_health セッション

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この記事の著者

坂輪貴行(サカワ タカユキ)

  日本マイクロソフトの Premier Field Engineering 部にて、SQL Server ユーザーの支援を行う。前職はシステム エンジニアであり、長く Sybase を使用したプロジェクトに従事。業界歴 14 年の月一ゴルファー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/3629 2012/02/10 18:21

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