SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press(AD)

「Fusion-ioはSSDではない!」―カットスルーアーキテクチャによる圧倒的なパフォーマンスとは

DB Online Day 2012レポート

カットスルーアーキテクチャによる圧倒的なパフォーマンス

「Fusion-ioはマイクロ秒の世界を実現」
「Fusion-ioはマイクロ秒の世界を実現」

 Fusion-ioは、なぜこれほどまで急激に多くのユーザに採用されているのか。

 その背景には、サーバーのCPUの性能は大きく向上していて、メモリも大容量化している。これに対し、ストレージは容量が増えてはいるけれど速度が追いついていない現状がある。結果的に、アプリケーションの性能を向上させようとすると、ストレージのスピンドル数を増やす、メモリを増やす、アプリケーションそのものにチューニングを施すという方法をとることになる。これらの対策を実施するには、コストも工数もかかってしまう。そして、これらの方法で性能向上させようとすると「問題はよくなるどころか、複雑化してしまいます」と大浦氏は指摘する。

 この課題解決のために、SSDを用いる方法がある。たしかにHDDをSSDに置き換えれば、性能は向上する。しかし、大浦氏によれば、HDDよりは速くても、SSDはミリ秒の世界のソリューションとのこと。CPUの近くにあるメモリはナノ秒の世界。ミリ秒とナノ秒の間には大きな隔たりがある。Fusion-ioはこの隔たりの間に、新しいメモリ階層を作ったものだと大浦氏は説明する。「Fusion-ioはマイクロ秒の世界を実現しました。これで、HDDのミリ秒に対して3桁の性能改善につながります」(大浦氏)

 HDD型のSSDと比較すると、Fusion-ioではとくに書き込みのパフォーマンスが向上する。「現状のSSDは書き込みが遅いというのが課題です。書き込み処理が入るとなかなか性能が出ない。Fusion-ioは、読み込みも書き込みも性能が出るというのが特長です」(大浦氏)

 この性能向上をもたらしているのは、ハードウェア技術だと思われがちだ。しかしそうではないという。

 「Virtual Storage Layerという、デバイスドライバなどのミドルウェア部分が肝です。SSDの場合は、通常はRAIDコントローラ経由でフラッシュメモリにアクセスする。これだとRAIDコントローラ、SSDのコントローラという形で多くのステップを経ることになります。これに対しFusion-ioでは、CPU自体が、Virtual Storage Layer経由で直接フラッシュメモリを読み書きする。Virtual Storage Layerは、新しいフラッシュメモリ用のOSを作っているようなものなのです」(大浦氏)

 そして、これこそがSSDとの大きな差になっているのだ。

 フラッシュメモリについては、エンタープライズ用途で利用する際には、寿命を気にすることも多い。これについても、さまざまな特許技術で信頼性の確保を行っているという。SSDで持っているような信頼性技術に加え、SANストレージ同等の信頼性技術がカードの中に詰め込まれている。また、640ギガバイトのストレージ容量に対して、実際は800ギガバイトぶんのフラッシュメモリを搭載している。つまり、160ギガバイトぶんの領域を予備として保持しており、これを信頼性確保やパフォーマンス向上に利用しているとのこと。

 このFusion-ioとMicrosoft SQL Serverとを組み合わせることで、大きな性能向上が図られることも紹介された。とくに、SQL Server 2012で新たに実装されたAlways Onを加速する。

 「超高速なレプリケーション、フェイルオーバーが実現されます。また、tempdbをFusion-ioを搭載したローカルサーバーの上に置いて、NASやSANのストレージと組み合わせた構成も、データベースの処理を効率的に高速化することに寄与します」(大浦氏)

 また、Fusion-ioは、ストレージとしてだけでなく、従来ストレージ用のキャッシュとしても利用できる。なので、アプリケーションの状況に応じ最適な方法で、フラッシュメモリの性能を最大限に利用できるのだ。

 「サーバーの性能を大きく向上させることは、結果的にハードウェアコストを大きく削減することにつながります」と大浦氏は言い、SSDにはない、Fusion-ioならではのさまざまなメリットを示した。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4226 2012/10/01 00:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング