2014年はXPサポート終了と消費増税の駆け込み需要、主要産業の業績が好調
2014年の国内EAソフトウェア市場規模は、Windows XPサポート終了に伴う消費増税直前の中小企業の駆け込み需要と、製造業など主要産業の業績が好調だったことから、前年比成長率4.3%で市場規模は3,155億8,300万円となった。
この市場の約6割を構成するERMソフトウェア市場は1,849億1,000万円、前年比成長率は4.3%だった。CRMソフトウェア市場は648億7,500万円で、前年比成長率は3.1%だった。
SCMソフトウェア市場は、339億4,300万円で、前年比成長率は4.8%だった。また、製造管理ソフトウェア市場は、最も高い前年比成長率となる5.9%で成長し、318億5,500万円となった。
EAソフトウェア市場のSaaS利用は、国内EAソフトウェア全体の8.2%の規模
国内EAソフトウェア市場におけるSaaS利用は、4ソフトウェア市場の合計で258億3,500万円、国内EAソフトウェア全体の8.2%の規模になった。CRMが全体の55.1%を占めている。カスタマーサービスやマーケティング、タレントマネジメント、既存製品への機能追加となるアドオン導入などで利用が拡大している。
2014年~2019年の国内EAソフトウェア市場の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.0%で推移し、2019年の市場規模は3,837億100万円に達すると予測している。
安定した市場成長に加え、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けた事業投資が2015年~2016年に増加し、システム投資はその翌年の2017年まで続くとIDCでは分析している。
この間では、特に顧客とのリレーション強化でCRMソフトウェア市場が活性化し、CAGR5.8%で好調に市場規模を拡大するとみている。
グローバル企業の競争力強化を支援するコンサルティング事業者との協業が重要
EAソフトウェア市場は成熟度が高いものの、税/法制度対応と経営指標の可視化など、常に刷新需要が存在する比較的安定した市場である。
この市場の拡大要因は(少子高齢化で進む国内市場の規模縮小、労働力不足懸念による)企業の海外へのシフトと、その成長戦略を具現化するデータ分析やタレントマネジメントなど新しい領域への投資となる。
「海外事業を展開する企業には、リアルタイム性の追求とデータ分析による競争力強化を図ることが肝要となる。従来型の自社業務へのフルカスタマイズ対応から脱却し、先進技術を提供するベンダー製品や事業者サービスを積極的に利用すべきである。またSIerは専門知識を要する新たな収益源確保に向け、コンサルティング事業者との協業強化を図るべきである」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティマーケットアナリストのもたい洋子氏は述べている。
今回の発表内容について詳細は、IDCが発行したレポート「国内EAソフトウェア市場2014年の分析と2015年~2019年の予測」にまとめられている。