16年度から17年度は国内民間企業のIT市場規模は前年度比で僅かに縮小に転じる
国内民間企業のIT市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、2015年度が前年度比2.1%増の11兆5,560億円と推計。今後は、2016年度が前年度比0.7%減の11兆4,750億円、2017年度が前年度比0.5%減の11兆4,180億円、2018年度は前年度比0.5%増の11兆4,750億円になると予測する。
金融業界で続いていた大掛かりなシステム更新も2016年度にはピークアウトし、落ち着きつつある。そのため、2016年度から2017年度にかけては、国内民間企業のIT市場規模は前年度比で僅かに縮小に転じると予測する。
2018年度以降については、Windows7の延長サポート終了(2020年予定)に向けた動きや、東京オリンピックに向けた新たな需要が見込まれることから、国内民間企業のIT市場規模は上向いてくると予測する。
注目高まるセキュリティ関連ソフトウェアへの投資
この調査において実施をした法人アンケート調査では、今後3年間でIT投資が増加するソフトウェア(複数回答)について尋ねている。2011年調査からの回答比率の推移をみると、2012年に「セキュリティ関連ソフトウェア」が「ERP(基幹業務統合管理)」を上回って以来5年間、「セキュリティ関連ソフトウェア」のトップが続いている。「セキュリティ関連ソフトウェア」に対する回答比率は、2016年調査では55.0%となり、2011年調査と比較すると29.2ポイントの増加であった。
2015年は、情報漏えい問題、ゼロデイ脆弱性、ランサムウェアの増加などの情報セキュリティ問題(インシデント)が話題になった。また、IoT 機器やスマートフォンなどのデバイスを悪用したDDoS攻撃の増加が今後も予想される。こうした問題への関心がセキュリティ関連への投資行動として表れたものと考える。
また、今後3年間でIT投資が増加するソフトウェアについての回答比率が3番目に高い「SFA(営業支援システム)」は、2016年調査では19.4%で第3位と2015年調査から順位をひとつあげた。営業面において、情報の共有や有効活用に課題を感じている企業は多く、大企業やIT関係以外の企業においても、社内案件管理や情報共有のため、SFAを導入する企業が増加していると考える。