
前回の記事では、ERPを試用することにより、ユーザー企業自身がFIT&GAPをする事の意義について解説しました。最終回となる今回は、実際の試用の進め方について紹介します。
試用の範囲をベンダーに確認する
第1回目の記事「今後はクラウドERPを導入すべき?活況のERP市場、企業が選定する際のポイント」の際にも述べましたが、コンシュマー向けだけではなくエンタープライズ向け製品もクラウド=WEBシステムの時代となり、ほとんどのベンダーが試用環境を用意していると思います。しかし、提供される内容・条件はベンダーごとにそれぞれ異なります。試用の内容については、初回にベンダーと接触する段階から簡単にでも確認しておくことをおすすめします。 確認すべきことは下記のようなことです。
試用は可能か?
こうなってくると試用ができないパッケージは選定において不透明感を拭うことができず、選定に不利になるでしょう。
試用期間はどれくらいか?
通常は1ヶ月程度が平均的な期限ではないでしょうか。選定が続いていれば、延長に応じてくれる場合も多いと思います。
どこまでの機能が提供されるのか?
フルパッケージなのか、特定の機能だけなのか。全ての機能を開放している製品は少ないと思いますが、触りだけしか使えないのも困りますね。
データ投入はどこまで可能か
マスタの変更追加が可能か、といった制限です。本番データに近い形で行いたいと希望するユーザー企業もいらっしゃいますが、一概におすすめしません。(後述)
ユーザー数はどれくらいか?
同時ログインがどれだけできるかによって、作業の進め方も変わります。
その他条件はあるか?
WEBサイトから簡単に申し込みができる場合もありますし、アンケートの提出、営業に口頭で意思を伝えれば準備でしてくれる会社もあるでしょう。
このように、提供会社ごとに内容も違いますので、そちらに合わせてユーザー側のやり方も考える必要があります。
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笹山 秀樹(ササヤマ ヒデキ)
ビーブレイクシステムズ 営業部 リーダー。中小企業診断士。大学卒業後、2005年にビーブレイクシステムズに入社。営業部に配属され、受託システム開発案件の営業に従事する。その後、同社の発売したERPパッケージ「MA-EYES」の担当となり、日々、コンサルティング営業として日本全国を飛び回っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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