
本連載では、初めて現行業務をシステム化することになったシステム担当者向けに、システム化する際の注意すべき基本事項を紹介してきました。今回は「プロジェクト管理のシステム化」にスコープを当て、システム化する際の基本的なポイントについてご紹介していきます。
プロジェクト管理をシステム化する際の基本的なポイント
IT業界ではプロジェクト単位で業務を管理していることが多く、現行業務をシステム化する際にはこのプロジェクト管理のシステム化は切り離せないものであり、検討しなければならない事項となります。
連載第3回目である今回は「プロジェクト管理をシステム化する際の基本的なポイント」として、以下3つのフェーズに分けてご紹介します。
- プロジェクト管理をシステム化する方針を決定する
- 現状のプロジェクト管理方法を確認・整理する
- プロジェクトの契約やその他システムに付随する機能について検討する
1.プロジェクト管理をシステム化する方針を決定する
プロジェクト管理システムでは、大きく分けて以下の2つに分類することができます。
- プロジェクトの作業進捗を管理するもの(作業進捗管理)
- プロジェクトの原価を管理するもの(原価管理)
作業進捗管理については、対象となるプロジェクトを作業分類毎に分け、作業予定に対する作業進捗を管理するものになります。
原価管理については、対象となるプロジェクトの原価予定額に対する実際発生額を管理するものになります。
プロジェクト管理をシステム化する際、まず初めに作業進捗を中心機能としたシステムを検討するのか、それとも原価の予実管理を中心機能としたシステムを検討するのか、どちらを主体としたシステムを検討するのか方向性を決める必要があります。
なぜなら作業進捗管理と原価管理を紐づけて管理することは難しいためです。IT業界では主な原価は人件費であることが多く、管理したい原価予実の内容も当初予定していた人件費に対する実際発生額を管理することがメインとなります。
人件費の算出方法としては、実際に作業した工数をプロジェクト毎に管理し、予め定められた対象者の1時間当たりの単価と管理された工数を掛け合わせ算出する方法となります。
作業進捗管理では、どこまで作業を進めることができたかを管理するため、作業内容や対象者の能力により1時間あたりの進捗度は異なります。
原価管理では「1時間当たりの単価×工数」で算出することは可能ですが、上述したように作業進捗管理では単純に工数情報を利用し、作業進捗を表現することができません。
パッケージシステムではこのどちらかをメイン機能としていることが多いこともあり、まずは検討の主軸をどちらに置くのか方針を決める必要があると言えます。

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山口 文彦(ヤマグチ フミヒコ)
ビーブレイクシステムズ 営業部 リーダー 大学卒業後、キャラクターグッズの企画・製造・販売を行っている企業にて営業として販売活動に従事。その際携わった基幹システム刷新プロジェクトの経験を活かし2012年にビーブレイクシステムズに入社。自社開発ERPパッケージ「MA-EYES」の営業担当となり、関東、...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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