リーンスタートアップの源流である「顧客開発モデル」という手法を体系化した、S.ブランク氏を招聘し、最新刊『スタートアップ・マニュアル』に基づく理論と実践手法を紹介します。日本での企業内事業創造、ベンチャースタートアップの第一人者が共演。
■日時:2013年3月19日(火)13:00~17:50(開場12:30~)
■場所:アイビーホール(東京・表参道)
■詳細・お申込は、こちら!
「21世紀のキャリア論」に至るまで
- コンサルティング会社を経て、現在は慶應義塾大学や慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)などでキャリア関連の講義されていますが、今までのご経歴をお伺いできればと思います。
1980年後半から10年ほど、人事や人材マネジメントに関わってきました。私が所属している慶應義塾大学SFC研究所のキャリア・リソース・ラボラトリー(以下キャリアラボ)は2000年に設立されました。その頃から、特に個人のキャリア自律形成を中心に活動しています。同じ年に『キャリアショック』という本を書いています。キャリアショックは「将来を予測して積み上げてきたキャリアが、短時間の間に一気に崩れてしまう状態」を示す言葉です。その本で「これからますますキャリアショックが増える。それを前提にキャリアを考えなければならない」と主張しました。あれから10年以上たっていますが、キャリアショックは確実に起こっています。
そこで21世紀のキャリアをもう一度整理して考えるために「21世紀のキャリアを考える研究会」を2010年1月からスタートさせ、約1年半にわたって活動してきました。私は座長、リクルートワークス研究所の大久保所長が副座長として入り、日本の外資系企業十数社の人事の方たちと議論を重ねております。
- 10年以上も前に予見されていた“キャリアショック”という状態は確かに、より現在のほうが深刻化しているように思います。少し遠回りになるかも知れませんが、今までのキャリア理論の変遷などを解説いただき、現在、主流となるキャリア論への流れを把握できればと思います。
キャリアに関する理論は昔から色々ありますが、古くて代表的なものはマッチング理論です。これは「向いている職業に就くことが最もキャリアで重要だ」という考え方です。1970年代のアメリカでは、マッチング理論をベースにしたキャリア教育が盛んでした。端的に言えば「将来なりたい仕事を決めて、その仕事のために何が必要なのかを逆算し、細かく設定していく考え方」です。当然これは時代に合わなくなります。研究を続けながら私が考えてきたことは、前提として「仕事も自分も社会も変わる。全部が変わるのだから先のことはわからないのではないか」ということです。