クラウドのために開発された、初めてのデータベース
Oracle Open World 2012での発表から10ヵ月、ついにOracle Database 12c(以下、12c)の国内提供が開始されました。クラウドの『c』を製品名に掲げ、コンテナ、プラガブル、マルチテナントなど、これまでのOracle Databaseにはなかった多くのコンセプトを引っさげて登場した12cには、実に500を超える新機能が実装されています。
新機能を理解しやすくするために、まずはこれまでのバージョンについて少しだけ振り返ってみましょう。Oracle Databaseは、その時代のトレンドにフィットするための機能を実装しながら進化を続けています。8iと9iではインターネット環境の大量トランザクション、大量データに対応するためにOracle Real Application Clusters(RAC)やPartitioningを実装し、10gと11gではグリッド・コンピューティングに対応するためにGrid InfrastructureやAutomatic Storage Management(ASM)を実装してきました。この流れで考えると、12cにはクラウド対応を考慮した機能が実装されているというのがイメージできるのではないでしょうか。
12cの主要な新機能を見てみると、データベースのマルチテナントを実現するOracle Multitenant以外にも、データ運用を自動化するAutomatic Data Optimizationや、動的なデータマスキングを行うData Redactionなど、運用を自動的かつシンプルに行える機能が実装されています。また、データロスのない災害対策構成を採るためのData Guard Far Syncや複数サイトをまとめてサービス化できるGlobal Data Servicesなど、可用性をさらに高める機能もあります。これらすべてが、Oracle Databaseがクラウド対応となるのに必要な機能なのです。
とは言え、急にクラウド対応と言われてピンと来ない方もいるかもしれません。ここで言うクラウドとは、パブリック・クラウドだけを指すのではなく、プライベート・クラウドや企業内における複数システムの統合なども含まれます。オンプレミスで稼働させる場合でも、マルチテナントによってデータベースの集約率を高めるといった使い方ができますので、多くのユーザが新機能のメリットを得られるようになっています。