日本マイクロソフト、タブレット「Surface」の法人向け販売を開始
法人向けSurfaceの販売は、7月2日に行われた新年度経営方針説明会で明かされていた。今回の発表に際し、マイクロソフトの代表取締役社長樋口泰行氏は、Surfaceへの需要が高まっていると指摘し、その背景を次のように説明した。
「発売前にもかかわらず500社を超えるお客様から引き合いをいただいている。特にWindows XPのサポート終了でPC需要が高まり、PCとしてもタブレットとしても利用できるSurfaceへの注目度が高い。小売、保険、運輸などのフィールド利用では、PCとタブレットの2台持ちをしなくてもよいというメリットがある。『これがタブレットだ』という新しいポジションを打ち出していく」(樋口氏)
ユーザーを代表し北國銀行専務が導入の理由を説明
Surfaceの導入ユーザーとしては、すでにムビチケの240台、北國銀行の2300台が公表されている。このうち北國銀行は8月28日に、2014年11月の本店移転にともない、情報システム基盤と営業用PCをマイクロソフト製品群で刷新することを発表。今回の発表会では、専務取締役の前田純一氏が登壇し、Suface導入には大きく3つの理由があったし、それぞれを説明した。
1つめは、Surfaceは、タブレットとしても使えるが、あわせてPCとしても使える端末であるということ。「当行は本支店に2300の情報系端末があり、これとは別に1300台のタブレットを導入している。これをSurface Proで統一すれば、銀行内と外交用に利用することで、二重投資の解消と維持管理コストの削減につながる。また、PCとタブレットを使い分ける煩雑がなくなり、生産性向上にもなる。(端末の統一は)災害時に業務を継続するという点でもメリットがある」(前田氏)
2つめの理由は、情報系のIT基盤を端末を含めてマイクロソフト製品に統一することだ。「本店移転にともなって、PBXの廃止とLyncを活用したIP電話への切り替え、シンクライアントの導入などを実施する。これにより、システムをシンプルにして、(1社による垂直統合のため)信頼性を向上させる」(同氏)という。Surface導入はその一環となるものだ。
3つめの理由は、ハードウェアの優位性だ。「まず画面が非常に美しい。お客様に画面を見せながら行う営業活動では、商品訴求力を高めるメリットがある。また、ペン入力の仕掛けがあることも大きかった。ペン入力は契約の更新などで威力を発揮する」(同氏)。これらを勘案して、最終的にSurface Proの導入に至ったという。