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EMCジャパン、オールフラッシュストレージ「EMC XtremIO」国内提供

 EMCジャパンは11月21日、オールフラッシュストレージ「EMC XtremIO」の国内提供を開始した。「X-Brick」と呼ばれるビルディングブロック方式のスケールアウトアレイで、1つのX-Brickで10TBの容量を持ち、最大4台まで拡張できる。価格は、X-Brick 1台で3726万2500円から。2014年第1四半期には20TBのオプションを追加する予定。

パフォーマンス、効率性、シンプルの3つの観点からみる「EMC XtremIO」の特徴

 EMC マーケティング本部本部長の上原 宏氏
EMC マーケティング本部本部長
上原 宏氏

 EMC XtremIOは、EMCが2012年に買収したXtremIOの製品で、これまでに提供してきたPCIeベースのサーバ向けフラッシュカード「XtremSF」、サーバフラッシュドライバ(ソフトウェア)「XtremSW」に続くフラッシュ製品の新ラインアップとなる。

 マーケティング本部本部長の上原宏氏は、EMCのフラッシュビジネスの概況について「2012年から2017年の5年間で容量単価が5分の1に下落するなど購入しやすい状況になっている。EMCの出荷実績としても、年2倍の増加傾向にあり、2012年には50PBを超えた」と説明した。フラッシュポートフォリオとしてはXtremIOブランドのほか、「VMAX」「VNX」「Isilon」における階層化ストレージやキャッシュドライブとして利用されている。「業種を問わずあらゆる企業で採用が広がっている」(同氏)という。

 システムズ・エンジニアリング本部ブロダクト・ソリューション統括部ソリューション部シニア・システムズ・エンジニア笹沼伸行氏によると、オールフラッシュストレージの適用シーンとしては、VDI(仮想デスクトップ)用のストレージ、仮想環境のデータストア、データベースのOLAP処理などが代表的だ。

 VDIのストレージとしては、ログイン時の負荷やアンチウイルスの負荷で起こるいわゆるストームなどの課題に対応できる。仮想環境のデータストアとしての利用ではVMのデプロイやディスクのコピーを高速に行ったりできる。ランダムアクセス性に優れるため、データベースでのOLAP処理を高速化し、データベースライセンスを減らすことによるコスト削減にもつながるという。

 EMC システムズ・エンジニアリング本部ブロダクト・ソリューション統括部ソリューション部シニア・システムズ・エンジニア笹沼伸行氏
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EMC システムズ・エンジニアリング本部
シニア・システムズ・エンジニア 
笹沼 伸行氏

 笹沼氏は、製品の機能的な特徴を、パフォーマンス、効率性、シンプルという3つの観点から説明した。 まず、パフォーマンスについては、X-Brickをビルディングブロック方式で追加していくことで、IOPSとストレージ容量にリニアにスケールさせることができる点がポイントだ。

 X-Brick 1台は400GBまたは800GBのeMLC SSD 25台備え、冗長化された2つのストレージコントローラで管理されている。1つのストレージコントローラは、8Gb/sのFibre Channelポート、10GbE iSCSIポート、40Gb/sのInfiniBandポート、256GBのRAMを備える。X-Brick 4台を使ってクラスターを構成し、X-Brick間でInfiniBandを使ったRDMA通信が可能になっている。

 効率性という点では、インライン重複排除(in-line data deduplication)とよばれる技術を使ってフラッシュへの書き込みを削減して耐久性を向上させていることや、4KBのデータブロックとして書き込むシンプロビジョニングを行うことで、連続した領域を確保するためのガベージコレクシンが不要になることなどを挙げた。

 また、XtremIO Data Protection(XDP)と呼ばれるRAID拡張により、容量オーバーヘッドがRAID1の場合で50%、RAID6の場合で20%になるところを、8%にとどめている。「ディスク故障後のリビルドについても、SSDの障害を前提として空きスペースを使ったリビルドを行うため、RAIDの場合半日から1日かかるリビルドが1時間で終えることもできる」(同氏)という。

 EMC システムズ・エンジニアリング本部ブロダクト・ソリューション統括部ソリューション部シニア・システムズ・エンジニア笹沼伸行氏
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オールフラッシュストレージ
「EMC XtremIO」

 3つめのシンプルさという点では、ボリューム作成、ボリューム割り当て、イニシエータグループ作成、モニタリングなどを1つの画面上で設定できることや、モニタリング機能はコマンドラインのほか、REST APIを利用した外部ツールとの連携、VMware vCenterプラグインを使ったvCenter上からの管理に対応していることなどを紹介した。

 VMwareとの連携という点では、VAAI(vSphere APIs for Array Integration)に対応していることが挙げられる。これにより、フォーマットの高速化や数TBクラスのボリュームの管理などが容易にできる。また、インライン重複排除とRAM内に保存したメタデータを使うことで、VMのクローンのコピーなどを高速化できる。「150個のVMのクローン作成で17.5時間かかっていたところが、1時間で終わった顧客事例もある」という。

 このほか、EMC VPLEXの下にXtremIOを接続して仮想ボリュームとして扱うことや、EMC RecoveryPointやVMware Site Recovery Managerと連携してバックアップ、レプリケーションを行うことができる。バックアップやレプリケーションはXtremIO単体として今後提供予定とのこと。

 また、2014年第1四半期には、VDI環境に特化したXtremIOを使った垂直統合型製品Vblockも提供予定。VMのフルクローン2500個(マスタイメージ+差分のリンククローンの場合3500個)収容できるという。

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この記事の著者

齋藤公二(サイトウコウジ)

インサイト合同会社「月刊Computerwold」「CIO Magazine」(IDGジャパン)の記者、編集者などを経て、2011年11月インサイト合同会社設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集のほか、OSSを利用した企業Webサイト、サービスサイトの制作を担当する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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