米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、制裁対象となっている北朝鮮 偵察総局(RGB)のハッカー集団「アンダリエル」と関係のある悪質なサイバーアクターとして、ソン・クムヒョク氏に制裁を課した。
ソン氏は、北朝鮮のIT労働者スキームを助長していたとのことだ。中国やロシアなどで働く北朝鮮国民をはじめ、多くの個人が採用されて偽の身元と国籍を与えられ、北朝鮮政権の利益のために、意図しない企業に雇用されていたという。
場合によっては、これらの北朝鮮IT労働者が企業ネットワークにマルウェアを侵入させ、さらなる搾取を行っていたことが知られているとのこと。加えてOFACは、北朝鮮に利益をもたらしていたロシアを拠点とするIT労働者スキームに関与した1個人と4団体にも制裁を科している。
財務副長官のマイケル・フォークンダー氏は以下のように述べている。
「本日の措置は、北朝鮮が大量破壊兵器および弾道ミサイル計画への秘密裏の資金調達を継続していることに対する、警戒の重要性を強調するものだ。財務省は、デジタル資産の窃盗、米国人のなりすまし、そして悪意のあるサイバー攻撃を通じて制裁を回避しようとする金正恩政権の試みを阻止するため、あらゆる利用可能な手段を駆使することに引き続き尽力する」
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