富山市は、TISインテックグループのインテックの支援のもとでBIツールを構築した。併せてインテックは、データを可視化するBIダッシュボードの作成・活用支援の開始を発表した。
同市は、人口減少や超高齢社会の進行を見据えたデジタル技術とデータ利活用によるスマートシティ政策を推進する中で、2019年からデータ連携基盤を運用。IoTセンサーから蓄積したデータやオープンデータを活用することで、行政課題の解決や業務効率化、市民サービスの向上に向けた新サービス・新産業の創出に取り組んでいるという。
その中で、エンジニアやデータアナリストといった専門家でなくても職員がデータ加工や分析、レポート作成を実施できるようにするため、BIツール「Tableau」の導入を決定し、2025年2月にインテックが利用環境を構築した。なお、環境構築においてはTISインテックグループのアグレックスが協力しているとのことだ。
BIツールの活用にあたっては、行政職員のITスキルの習熟度差異やデータの整備不足、データフォーマットが統一されていないなどといった課題があるという。そのため、インテックは3つのステップを体系化し、BIダッシュボードの作成および活用に向けた支援を行ったとしている。

- 【ステップ1】検討会議:BIダッシュボードを作成するにあたり、分析の業務背景や現状課題をヒアリング。また、分析対象のデータ候補やその所在を確認し、BIダッシュボードのイメージを検討
- 【ステップ2】技術習得研修:職員にグラフや表、マップの作成方法の研修を実施し、基本的な操作習得をサポート
- 【ステップ3】BIダッシュボード作成支援:職員のBIダッシュボード作成および改善において、電話やメール、訪問によるサポートを実施


富山市の都市計画課では、人口動態データをもとに、年代ごとの人口や世帯分布を地図やグラフ等で可視化したとのこと。これにより、市内の居住状況を視覚的に把握することが可能になり、同市が進めるコンパクトなまちづくりの推進状況の把握にも活用できたと述べている。
インテックは、今後も富山市のスマートシティ政策を支援するとともに、今回の富山市におけるBIダッシュボード作成・活用支援のノウハウをサービスメニュー化し、2026年3月までに全国展開を予定しているとのことだ。
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