Oracle Cloudがデフォルトでオンとなる無償のセキュリティ機能を追加する理由
企業は既にさまざまなセキュリティ対策を採っているが、その場しのぎのパッチワーク的なアプローチで、十分にセキュリティが確保されているとは言いにくい状況がある。さらに、新型コロナウイルス対策でリモートワークが増えている現状があり、リモートワークで必要となる新たなクラウド・セキュリティ対策も求められている。
今回の調査結果から、グローバルでは8割くらいの企業がクラウドは安全だと考えている。一方日本もクラウドに対する認知は上がっているものの、クラウドが安全だという認識は他の国より少し遅れていると言うのは、日本オラクル テクノロジー事業戦略統括 ビジネス推進本部 シニアマネージャーの大澤清吾氏だ。
クラウド上にもクラウドベンダーが提供するものからサードパーティ製のものまで、さまざまなセキュリティ対策ツールがあり、多い企業では50種以上を利用しセキュリティ対策を行っている。数多くのツールを正確に設定するのは、かなりの手間だ。たくさんある中のたった1つの設定を間違えただけで、重要な情報の漏洩につながることすらある。実際、クラウド・セキュリティのインシデントは「99%が設定ミスや顧客の利用ミスから生まれています」と大澤氏。これはクラウド・セキュリティの新たな課題の1つとなっている。
一般にパブリッククラウドを利用する際には、インフラの可用性やセキュリティの確保は、ベンダーとユーザーの間で責任共有モデルが適用される。この時、クラウド・セキュリティに関しては「顧客が責任を負うべき範囲が、実はかなり広いのです」と大澤氏。クラウドベンダーが担保してくれない部分は、ユーザー側で管理する。そのためのセキュリティ対策には、それなりにノウハウも必要であり、どう使いこなせば良いかの情報もまだまだ少ないのが現状だ。
こういった課題に対しOracleでは、クラウドのサービスを最初からセキュアな場所とすることを提唱している。たとえばデータベースやストレージの暗号化は、サービスを導入してから人が設定して行うのではなく、標準で暗号化されたものを用意し提供している。暗号化はデフォルトでオンであり、基本的にオフにはできないのだ。「Oracle Cloudでは基本的なセキュリティ機能は、常にオンで提供します。その上でAutonomous機能などで脅威を自動的に見つけ出し、問題を識別して自動で直すような機能もあります」と大澤氏は言う。