ServiceNow Japan合同会社は2月25日に記者会見をおこない執行役員社長の村瀬将思氏が、2021年のビジネス戦略を発表した。2020年度はグローバルでは、前年度比31%の売上成長を果たした。日本でもテレワーク環境への対応にともない、各種SaaSを用いた業務のデジタル化が追い風になり堅調な成長を果たせた。開始時にはITSM(ITサービスマネジメント)を主軸としたサービスを展開していたが、現在は「プラットフォームのプラットフォーム」(platform of platforms)をテーマに、各社のクラウドサービスやSaaSをシームレスに連携するワークフロー基盤の提供が事業の柱だと、村瀬社長は述べる。
村瀬社長は直近の日本での代表的な導入事例として以下を紹介した。
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カルビー株式会社
2020年7月1日からモバイルワークを基本とした働き方を無期限に延⻑することを決定。この新しい働き方の3本柱の1つに「モバイルワーク」を行うことを原則、結果的に「30%前後の出社率」を目標値とした。そのために従業員の出社状況をリアルタイムに把握する必要があり、Now Platformによる開発を僅か8稼働日で実現。従業員よる出社申請だけでなく、承認依頼メールの発信、上⻑による承認までをワークフローで実現した。 -
広島県
広島県が提供する「広島コロナお知らせQR」でServiceNowを活用。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けて、QRコードを活用し、感染者と接触した可能性のあることを通知、PCR検査の受診を促すサービスを実現した。
2021年においては官⺠問わず、社会全体を良い世界にするためのワークフローを事業目標にするという。おもな公共向けの事業として、1月に公開した新型コロナウイルス対応のワクチン接種のための「ServiceNow Vaccine Administration Management」の提供をさらに進め、ワクチン接種を受ける人たちが必要な情報の収集や、接種する日程の予約管理、接種する前に知っておくべき情報や予約受付の通知受信といった機能を提供していくとともに、自治体、製薬会社向けの新製品をリリースする。政府が進めているCOCOCAとの違いは「PCR検査の受信までをカバーしている」ことだと村瀬社長は言う。
また2021年はパートナーエコシステムのさらなる拡大と強化を図る。2020年はすでに国内最大手5社を提携しており、NECはサービスプロバイダーとして再販契約を結び、NTTデータなどではServiceNow専任組織を設立し年間500億の売上を目標にしている。2021年度はパートナーとはテレコム・金融・製造業界向け共同ソリューションの展開、国内デリバリ認定エンジニア数を600名から 1,200名へ倍増させ、ServiceNow Assureという品質デリバリ・サービスの提供を開始する。またISVパートナーとは自治体、製造業、サービス業向けなどの業種特化型アプリをリリース予定しており、日本の固有の業務に対応するRPA連携なども提供していく予定だという。