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戦略の舵を切ったServiceNow、ビル・マクダーモット体制で「サービス体験」提供企業へ


 ITサービスマネジメント(ITSM)を中核にSaaSアプリケーションビジネスを展開しているServiceNow。IT部門の運用管理者にはお馴染みのベンダーであろう。実は2018年を境に同社は事業領域を整理しなおして、IT、Employee、Customerの3つに定義した。その狙いや現在のServiceNowの製品について、ServiceNow Japanの高橋卓也氏に訊いた。

ITサービスからデジタルワークフローへ

<p>ServiceNow Japan合同会社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長 高橋卓也氏</p>

ServiceNow Japan合同会社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長 高橋卓也氏

 2004年創業のServiceNowは、一般の人々がより効率的な働き方ができるクラウドプラットフォームの提供を目指し、フレッド・ルディー(Fred Luddy)氏が設立したSaaS企業である。社名には「欲しいサービスが今すぐ手に入る」という意味が込められており、「働く人により良い職場環境を提供する」をミッションに掲げる。

 ここ数年の同社の業績は好調に推移しており、2019年11月にはS&P 500の構成銘柄にもなった。2019年12月期の売上高は34.6億ドル。ここ数年、前年同期比30%以上の成長ペースを維持しているのは、98%という高い継続率の支えが大きい。高橋氏は「一度導入していただいたお客様が更新だけでなく、新しいアプリケーションも導入して拡張するケースが多いです」と語る。

 2018年から同社が注力しているビジネス領域が「デジタルワークフロー」である。ここでのワークフローとは、システムに合わせることなく、人を中心にサービス体験を再設計することを意味する。「優れた体験の裏には必ず優れたワークフローがある」として、従来から重視してきたシステムの運用管理者だけではなく、あらゆるサービス体験をシンプルにするプロダクトを提供しているのが現在のServiceNowと言えるだろう。

従業員体験、顧客体験、ITオペレーションの3つの領域に注力

 その注力領域は図1に示す3つである。これらは全世界500人のCIOを対象とする調査結果での課題とも一致しているのだという。

  • 従業員体験の高度化
    企業成長を実現するのは満足した従業員であり、従業員体験の質を高めることが不可欠である。
  • 顧客体験の再定義
    満足した従業員が顧客サービスを提供すれば、顧客体験の質も向上する。
  • ITオペレーションの変革
    IT部門がよりシンプルにITを管理できるようにすることで、従業員体験と顧客体験の質が向上する。
<p>図1:現在のServiceNowの注力領域 (出典:ServiceNow)</p>

図1:現在のServiceNowの注力領域 (出典:ServiceNow)

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マクダーモット体制でエンタープライズを強化

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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