米現地時間3月18日、Citrix Systems(以下、Citrix)は、COVID-19で変化した働き方について調査結果を発表した。OnePollと協力して12カ国の7,250人の従業員を対象に調査を行い、パンデミックが始まってから仕事に対する姿勢や期待がどのように変化したか評価している。本調査を通じて、以下の3点が明らかになったという。
1.コロナ以前の働き方には戻りたくない
多くの企業は、テレワークをパンデミックに対する短期的な解決策と考えていたが、現在では、永続的な労働力とコスト管理戦略の一環として行う必要があると認識している。
Citrixのビジネス戦略担当エグゼクティブバイスプレジデントであるティム・ミナハン(Tim Minahan)氏は、「私たちが経験してきたこの危機的状況に少しでも明るい兆しがあるとすれば、それは仕事を根本的に見直すきっかけになったということです。企業も従業員も、生産性、エンゲージメント、福利厚生の面で、より柔軟な働き方がもたらすメリットを実感しています。そして、以前のような働き方には戻らないでしょう」と述べている。
両社による共同調査結果がこれを裏付けているという。パンデミック後、どのように仕事をしたいかという質問に対して、以下の結果が出たとしている。
- 回答者の52%が、毎日、リモートで働くかオフィスで働くかを選択できるハイブリッド・ワークを望んでいる
- 16%がオフィスに戻ることを望んでおらず、恒久的にリモートでの仕事を希望している
- 45%が、もし転職するとしたら、柔軟な働き方やテレワークの選択肢がある仕事しか引き受けないと回答
- 75%近くが、職場に通勤しなくても同等のクオリティの仕事ができるなら、別の都市への引越しを検討する可能性があると回答
また、米国のナレッジワーカー2,000人を対象に行った別の調査では、4人に1人が「テレワークができるようになったので、都市部の住居を離れた。または不動産を売却予定だ」と回答しているという。
2.テレワークで増える仕事
仕事とプライベートの境目がなく、通勤時間も管理できないため、世論調査では従業員の3分の2が「同じかそれ以上の時間働いている」と答えた。本調査で、何が従業員を追いつめているかが明らかになったという。
- 41%が、家庭環境(子供、ペットなど)で気が散ると回答
- 28%が、仕事を進めるための適切なテクノロジーやアプリケーションが不足していると感じている
- 36%が、同僚と連絡が取れず、孤独を感じている
これに対し、ティム・ミナハン氏は「企業がテレワーク中の効率を上げるために従業員に与えたチャットやコラボレーションツールは、コアワークからますます気をそらし、多くの疲労や、新しい仕事の在り方に適応することへのストレスを引き起こしています。それは、あまりにも多くのツールがあるために、常に作業が中断され、異なるアプリケーションやインターフェースを切り替えなければならず、業務への参加、コラボレーション、実行の効率的な方法を確立できていないからです」とコメントしている。
3.従業員体験の重要性が増す
コロナ後の世界で、より進化し強化されたポジションの獲得のために、企業は必要な人材の惹きつけと維持に注力する必要があるという。「企業は、人とテクノロジーの間に、従業員の日々の『雑音』を取り除き、意味のある成果を出すため、また好きなように働くことができるよう、従業員体験を提供する必要があります」とティム・ミナハン氏は述べている。そして、パンデミックを通して多くの企業が実感したように、デジタルワークスペースは効果的な方法だという。
- 統一されたワークスペース:自宅でも、飛行機でも、オフィスでも、あらゆるチャネル、デバイス、場所で、生産性を高めるために必要なすべてのリソースに一貫して確実にアクセスできる
- セキュアワーク:コンテクストに基づいたアクセスとアプリのセキュリティにより、どこで仕事をしていてもアプリケーションと情報の安全性が確保される
- 仕事の簡素化:機械学習、仮想アシスタント、簡素化されたワークフローなどのインテリジェンス機能により、仕事の体験をパーソナライズ、ガイド、自動化することで、従業員はノイズから解放され、最高のパフォーマンスを発揮することができる
【関連記事】
・Citrix、22億5,000万ドルでWrikeを買収する最終契約を締結
・Citrix、ISMAP準拠を見据えCitrix Cloud Japanを設立
・オートメーション・エニウェア、Citrixと連携しノーコードで自動化を実現