NTTデータの預貯金照会業務のデジタル化サービス「pipitLINQ」が、5月より日本年金機構の全国170事務所・拠点での財産調査業務において利用されることを発表した。
同社は、日本年金機構における「紙をなくす(紙ゼロ)」「紙を移動させない」取り組みの実現に向け、昨年2月から3月まで「pipitLINQ」を利用した実証実験を実施している。その結果、金融機関とのやり取りが発生する財産調査業務において従来の紙ベースでの処理に替わり「pipitLINQ」を利用することで、依頼プロセス・確認プロセスの所要時間が約44%削減され、業務効率化に対する有効性が確認され、今回の導入が決定したという。
サービス概要(特長)
「pipitLINQ」は行政機関と金融機関をつなぐ全国統一型のサービス。行政機関と金融機関の双方が「pipitLINQ」に加入することで、加入機関間で電子データによる預貯金等照会が可能となる。書面を取り扱う人的負担や郵送によるコストおよび回答までのタイムラグが大幅に軽減され、迅速かつ適正な業務の実現につながるという。
導入による想定効果
- 業務効率化:金融機関への照会依頼および回答受領が電子データで授受可能となることにより、紙による仕訳、封入・封緘等作業が不要となり職員の稼働を削減することが可能になる
- 依頼~回答確認期間の短縮:業務を煩雑化していた様式の異なる紙の照会票が統一的な電子データになることにより、金融機関側でのシステムによる自動化が可能となることから、回答受領までの時間が大幅に短縮される
NTTデータは、行政機関および金融機関における業務効率化に貢献するとともに、「デジタル・ガバメント実行計画」に掲げられている「金融機関×行政機関の情報連携(預貯金等の照会)」を通じた行政手続きのデジタル化を実現すべく、2021年度末までに100の金融機関および300自治体への導入を目指すとしている。
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