NECと富士通は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、ポスト5Gに対応した基地局装置間の、相互接続性を検証する技術の研究開発をNECの英国ラボと富士通の米国ラボで開始する。
本取り組みは、NECは英国ロンドンNEC Europe内の、富士通は米国にあるグループ会社Fujitsu Network Communications内のO-RAN検証ラボでおこなうとしている。
本事業において、両社はO-RANフロントホールでのさまざまなベンダーの装置間相互接続性を検証する技術を開発。この技術には、FHA(FrontHaul Analyzer)、P-DU(Pseudo-DU)、テストシナリオ抽出ツール、テストパラメータ変更ツール、検証結果判定ツールなどの独自技術が含まれているという。これらの技術を、両社ラボの検証環境に導入することにより、両社以外を含む異なるベンダーの装置間での相互接続性検証の効率化が可能になるとしている。
各ラボでは、O-RAN仕様に準拠して標準テストができる適合性試験系や、コアネットワークから端末までの接続検証が可能なE2E試験系が実施可能。また、今回開発する各技術を検証に組み込むことで、システム全体の正常性検証や性能検証などにおいて、各国地域・事業者の商用環境に近い条件での実施が可能だとしている。
今後、両社は8月より、段階的に本技術を用いた検証環境をラボに構築し、検証を開始する予定だという。それぞれのラボでは、各国・地域のキャリア、装置ベンダー、政府などと連携し、装置導入までの時間を短縮。また、NEDOとともに、O-RAN仕様に準拠した機器のグローバルでの普及と発展を後押しし、オープンな5G市場の活性化に貢献するとしている。
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