情シス部門のためにトレーサビリティを解説する連載の第3回。前回まではトレーサビリティの意味や、その重要性などについて説明をしてきました。今回は演習編ということで、実際に問題を出題し、解説しながら、トレーサビリティの方法論をお伝えしていきたいと思います。
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はじめに
第1回と第2回では、トレーサビリティの考え方や意義についてお話しました。この連載におけるトレーサビリティの定義とは、以下のとおりです。
顧客要件(=開発の出発点)から、プログラム(=終点)までの過程を追跡できるようにすること
再度、おさらいしておきますと、「顧客要件」とは、皆さんがプロジェクトを立ち上げるにあたって抱いている「何か、もっと満足したいこと」を文書にまとめたもののことです。この連載では、顧客要件を開発プロセスの出発点、最終的に納入される各プログラムを終点と考えるのでした(詳細については、第1回を参照のこと)。
さて、これまでの連載をすべて読んでいただいた場合も、スキップされた場合も、第3回まで読み進めていただいているわけですから、トレーサビリティを実現することに価値を感じていただいていることには違いないと思います。
では、トレーサビリティとは、具体的にはどのように実現すればよいのでしょうか?

自動化や用語検索など、さまざまな手法が考えられると思います。いくつかの現場での実践を経て、現時点で私が至った結論は「全行に固有のIDをつけて管理・検索できる仕組みを作る」というものです。
今回は、トレーサビリティ活動の具体的な実践方法を、お話しします。
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- この記事の著者
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南川 しのぶ(ミナミカワ シノブ)
IT技術、IT経営のコンサルタント。主にシステム開発コンサルティング活動の他、外部セミナー、顧客先企業の内部セミナーの講師も務める。カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(Software Engineering Institute)認定PSPソフトウェア開発者(SEI-Certified P...
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