アクロニスは10月19日(シンガポール現地時間)、サイバーセキュリティを取り巻く状況や、企業やリモートワーカーが直面している問題を包括的にまとめた年次レポート『Acronis Cyber Readiness Report(アクロニスによるサイバーレディネスレポート)』を発表した。
本調査は、日本を含む世界18ヵ国の中小規模企業に勤める3,600人のIT管理者、およびリモートワーカーを対象に実施されている。
「サイバー攻撃を受けていない」企業、わずか20%
10社のうち3社が、少なくとも1日に1回はサイバー攻撃を受けていると回答している一方で、今回の調査で攻撃を受けていないと回答した企業はわずか20%と、2020年の32%と比べて減少しているという。
- フィッシング攻撃は増加を続け、現在では58%を記録。また、マルウェアによる攻撃件数も増え、2020年の22.2%から増加し、今年の攻撃全体の36.5%を占めている
- URLフィルタリングソリューションの需要は2020年から10倍に増加。現在では、世界中の企業の20%が、ビジネスにおけるフィッシングの危険性を認識
しかし、IT管理者の約半数(47%)がMFAソリューションを使用しておらず、そうしたIT管理者はMFAに価値を見出せないか、導入するには複雑すぎると考えているのだとしている。
- ウイルス対策ソリューションに対する需要は、2021年では73.3%を記録し、昨年比30%の増加。また、ウイルス対策ソリューションにバックアップとディザスタリカバリを統合したソリューションに対する需要は、47.9%となり、昨年比2倍以上に増加
- 脆弱性評価とパッチ管理に対する需要は、2020年の26%から今年は45%へと増加
- より優れた安全なリモート監視、および管理ツールに対する需要は35.7%となり、昨年比3倍以上に増加
リモートワーカーの4人に1人がフィッシング攻撃のターゲットに
- リモートワーカーの4人に1人が、今年直面した主な課題の1つとして、ITサポートの不足を挙げている。世界中のリモートワーカーが認識している主な技術面の課題は、「Wi-Fi接続」「VPNおよび他のセキュリティ対策の使用」「ITサポートの不足」の3つ
- リモートワーカーの4人に1人が多要素認証を使用しておらず、フィッシング攻撃の格好のターゲットに
- 平均すると、リモートワーカーの5人に1人がフィッシング攻撃の標的となり、1ヵ月あたり20通を超えるフィッシングメールを受信。また、回答者の71%が毎月フィッシング攻撃のターゲットになっていることを確認
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