SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

最新記事

なぜAI活用で部署間に温度差が生まれるのか、「組織の溝」を本質的に解消する方法

 企業の「AI」導入が加速化する中、成功企業の「型」が徐々に見え始めています。それは、一体どのようなものなのでしょうか。連載『AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革』では、“業務コンサルタントの視点”でAI導入を支援している小坂駿人(パーソルビジネスプロセスデザイン所属)が、AIを「真のビジネス変革」につなげるためのポイントを5回にわたって解説。第4回は、AI担当部署と経営層、現場の連携について考えます。

記事

なぜ企業の生成AI活用は思うように進まないのか? 「期待とのギャップ」を埋める対策──Gartnerアナリスト提言

 なぜ企業の生成AI活用は思うように進まないのか? 2025年8月27日から28日に開催されたガートナージャパンの「デジタル・ワークプレース サミット」で、その理由が明らかになった。パイロット導入は進むものの、大規模展開への投資意向を示した企業はわずか17%。8割超の組織が価値を実感できずに停滞している背景にある課題と、その解決に向けた実践的アプローチを「デジタル・ワークプレースにおける生成AI活用戦略:4つの重要トレンド」講演から解説する。

日本は「プラスAI」から「AIファースト」へ変革が必須──IBMが富士通と見据える技術革新の未来図

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は9月17日に年次イベント「Think Japan」を開催した。イベント冒頭のキーノートでは日本IBM 代表取締役社長執行役員 山口明夫氏や富士通 代表取締役社長CEO 時田隆仁氏らが登壇し、富士通と日本IBMの協業や「IBM AI Lab Japan」を立ち上げる計画などが発表された。本稿ではその模様をレポートする。

教員がAIを欺いて学生の“ズル”を回避? 進化する「AI騙し」に対抗できる組織のセキュリティ強化術

 生成AIやAIエージェントの活用気運が高まる中、そこに潜むリスクを認識し、組織として適切に対応するための体制を整えることは、AI活用に取り組むすべての企業にとって必須の課題です。連載「AI事件簿 ~思わぬトラップとその対策~」では、過去のAIに関するインシデント事例や先人たちの教訓をもとに具体的なリスク対策を解説しています。連載第5回となる本記事では、AIを騙すサイバー攻撃「プロンプトインジェクション」にフォーカス。生成AIを活用していると特に起きやすいこのリスクはどのようなもので、どう対策すべきなのでしょうか。

村田製作所が挑む「自律分散型DX」の現在地──80年の歴史に新たな基盤を築くDXリーダーの覚悟

 製造業でDXを進めるにあたっては、「技術革新」と「組織変革」を両輪として進める必要性が多くの企業に認識されている。そうした中、村田製作所は長期構想「Vision2030」の実現に向けて、DXを経営の中核に据え、単なるシステム導入にとどまらない本質的な変革に挑んでいる。2022年から取材当時まで情報システム統括部の統括部長を務めてきた須知史行氏は、80年の歴史をもつ同社において、デジタル人材の育成とITインフラの整備を基盤に、自律分散型経営の実現を目指し、様々な取り組みの指揮を執る。進行中の基幹システム刷新プロジェクトやデジタル人材育成、製造業DXの展望について同氏に話を聞いた。

元楽天副社長 平井康文氏がRevCommに参画──音声AIの可能性、「人財」を軸にした組織変革へ

 音声技術とAIを活用して、ビジネスコミュニケーションの課題解決に取り組むRevComm。同社は2025年7月1日、新たに取締役プレジデント&COO(Chief Operating Officer)として平井康文氏の就任を発表した。Ciscoや楽天で要職を歴任し、輝かしい実績を持つ平井氏。同氏がなぜ今、スタートアップであるRevCommに参画するのか。音声AIの未来に見出す可能性と、その戦略に迫る。

なぜMUFG、ソニー、セブン&アイはGoogleのAIを選んだのか?── Google Cloud幹部が語る日本企業との「共同のイノベーション」

 MUFG、ソニー、セブン&アイといった日本の大手企業がGoogle Cloudを相次いで選択している。その背景には、Gemini 2.5をはじめとするAI技術、クラウド、データ基盤インフラが統合されたAIネイティブクラウドの統合性に対する高い評価がある。Google Cloud Next Tokyo 2025の2日目基調講演で紹介された先進事例と、Google Cloud幹部への独占インタビューにより、日本企業の導入の理由を明らかにしていく。

板倉弁護士が警鐘「今が意思反映の最後のチャンス」データ・AI関連の法改正で企業が押さえるべきポイント

 個人情報保護法の3年ごと見直し、データ利活用法制の整備、AI法成立──。データ・AI関連の法制度が同時並行で整備される中、ひかり総合法律事務所の板倉陽一郎弁護士は「これらの法改正が、制度設計の段階で事業者の声を反映させる最後のチャンス」と警鐘を鳴らす。本稿では、2025年6月24日に開催された「Data & AI Conference『Trust 2025』」で行われた同氏のセッションの内容をお届けする。

国産SaaS連合が示したERPの「オフロード」という選択肢 SAPの“2027年問題”を解決できるか

 多くの日本企業が「2025年の崖」や「SAPの2027年問題」という課題に直面し、レガシーとなった基幹システムの刷新を迫られている。複雑なアドオン開発に縛られて肥大化したERPから、いかにして脱却すべきか。その有力な解として、セゾンテクノロジーが主導する国産SaaSベンダーとの「ERPモダン化アライアンス」が始動した。iPaaS(Integration Platform as a Service)の「HULFT Square」を中核に、ERPのコア機能はそのまま、日本固有の業務要件をSaaSに「オフロード(切り出し)」する。この「ポストモダンERP」の考え方は、企業の俊敏性を高める一方、システム全体の設計が複雑化するリスクもともなう。そして、この新たなアプローチの成否の鍵を握るSIerの役割も考察した。

スズキ 鵜飼芳広×テックタッチ 井無田仲──グローバル企業が「中小企業型経営」で現場を動かす

 2025年度から、新中期経営計画「By Your Side」を掲げたスズキ。2030年度に売上8兆円、営業利益8000億円を目指すスズキでは、DXは単なるIT改革を超え、企業文化そのものを進化させる力として位置付けられている。このDXの根底にあるのが「中小企業型経営」という独自の精神だ。グローバル企業でありながら、現場に近い判断や迅速な実行を重視する姿勢は、DXの進め方にも色濃く反映されている。どのように現場を巻き込み、全社的な変革を進めてきたのか。テックタッチCEOの井無田仲氏が、全社DX推進を担うシニアフェロー 鵜飼芳広氏に大胆な経営目標の裏側で進む、“DXの実像”について聞いた。

「弁護士のジレンマ」から生成AIで起業したLegal Agent朝戸氏 ──「士業スキル×AI」に勝ち筋を探る

 ChatGPT-4oからGPT-5へとその進化はとどまることを知らず、あらゆる業界でゲームチェンジが起きている。中でも、膨大な知識と経験が求められる専門職の世界も例外ではない。法律業界もまた、人力に依存してきた従来のビジネスモデルが大きな転換期を迎えている。 今回お話を伺ったのは、新進気鋭の法律事務所「Legal Agent」代表の朝戸統覚氏。大手法律事務所での経験から、既存の法律業務のジレンマを痛感し、生成AIの可能性にいち早く着目。弁護士業務に特化したAIツールを自作し、人力の階層構造に依存しない新たな法律事務所を立ち上げた。起業を決意させた生成AIの衝撃、そして「士業のベテランスキル+AIが勝ち筋」と語る朝戸氏の描く法律業界の未来像とは何か。最前線で新たな生存戦略を実践する朝戸氏に、これまでの歩みと今後の展望を伺った。

「オンプレ資産」こそAIの金脈 相次ぐ買収で陣容を整えるCloudera、その勝算は

 2025年8月7日、建国60周年を迎えようとする熱気に包まれたシンガポールで、Clouderaはフラッグシップイベント「EVOLVE25」を開催した。事前登録者数は1,000名超と盛況ぶりを見せる中、イベントのテーマに据えられた「Bringing AI to Your Data - Anywhere」を体現するような同社の競争戦略が示された。

AIが招いた大規模エンジニアレイオフの影響とIT採用市場の最新動向:打開策は“自組織らしさ”の確立?

 連載「DX人材難のIT部門に捧ぐ『優秀な人材と自部門のマッチング法』」では、優秀とされるDX人材がどのような視点で転職する企業を選んでいるのかといった“採用”の視点から、自部門とDX人材のマッチング率を高める具体的施策を解説。DXを担当するDX部門やIT部門で人材採用に携わる、もしくは人材難に悩んでいる方に向けて、「採用」の視点からDXプロジェクトを成功させるヒントを届けます。連載最終回となる本記事では、AIがIT人材市場にもたらす影響と、その中で自組織が生き残るための具体策「ブランディング戦略」の立て方について解説します。

Google CloudのGemini CLIが実現する「バイブコーディング」── コード生成30%超の裏にあるReActループとMCPの強み

 Google Cloudが推進するAIドリブンソフトウェア開発では、「ReActループ」と「MCP(Model Context Protocol)」が中核技術となる。今回は、自然言語からコードを生成する「バイブコーディング」、計画作成から実行まで自動化する「Gemini CLI」、外部ツールとの連携を可能にする「MCP対応」などの最先端手法について、Google Cloud Next Tokyo ‘25で来日した幹部に聞いた。

勝者はSalesforce、AI時代の主役は「データ」へ Informatica争奪戦で業界再編は?

 生成AI、そして自律型エージェントAIの登場が、ビジネスを一変させようとしている。企業の競争優位性は、もはやアプリケーションの機能ではなく、その根幹を支える「データ」そのものへとシフトしている。この地殻変動を象徴するのが、SalesforceがIBMとの争奪戦の末に獲得した、データ管理のトップベンダー、Informaticaの一件だ。これは単なるM&Aではない。AI時代のデータ覇権を巡る、新たな戦いの幕開けといえる。この買収劇を起点に、今後の業界再編、企業が取るべき針路について考察してみた。

AIエージェント時代に浮上するデータの責任問題──「AIセーフティ」と「AIセキュリティ」という2つのリスクにどう対処するか

 「人間100人、AI100人の組織構成を検討している」──そんな企業が既に日本に現れている。AIエージェントが業務の主要な担い手となる時代、データの責任範囲と権限移譲はどう再定義されるべきか。Quollio Technologies CEO 松元亮太氏と、シリコンバレーでAIセキュリティスタートアップの成長を牽引し、Ciscoによる買収を経験した平田泰一氏が語る、データ世界観の根本的転換とは。

柔軟な開発か品質の確保か? アジャイル開発を活かせない企業に必要な“テスト自動化×AI”のアプローチ

 2025年6月20日、EnterpriseZine編集部主催のオンラインイベント「EnterpriseZine Day 2025 Summer」が開催された。オーティファイ マーケティング部 ディレクター 内野彰氏による講演「業務DXが“前に進まない理由”──属人化・拡張・レガシーといった課題と、モダナイゼーションの再定義」では、多くの企業が現在直面する課題「DXの停滞」を解決するためのヒントが、「AI×開発・テスト自動化」という切り口から紹介された。

セールスフォースの「Agentforce 3」の真価:MCP、可視化、200超の業種別テンプレートで何が変わるのか?

 セールスフォースが2025年7月に発表したAgentforce 3では、既存顧客からの要望を反映した3つの強化の柱が注目される。AIエージェントのパフォーマンス監視を可能にするCommand Center、Manufacturing CloudやFinancial Services Cloudなど200超のインダストリー特化型スキルテンプレート、そしてMCPサポートによる相互運用性の向上だ。AgentExchangeを通じた信頼性の高い外部連携や、自然言語によるガードレール設計も実現し、企業のビジネスポリシーに準拠したAIエージェント活用を推進する。

トヨタ自動車が構築を目指す「エッジAI分散基盤」とは?高度なモビリティAIの学習を阻む課題と突破口

 トヨタ自動車は、エッジAI分散基盤の構築に本格的に取り組んでいる。高度なモビリティAIを実現するためには、膨大な車両データの効率的収集と、継続的なAI学習を支える大規模計算基盤が不可欠だからだ。2025年7月に開催された「F5 AppWorld 2025」(F5主催)で、同社の古澤徹氏は2つの技術的アプローチを紹介した。Wi-Fiとエッジサーバーを活用したデータ収集の効率化、そして再生エネルギーを活用した広域分散GPUクラスターによる学習基盤の構築だ。これらの実現に向け突破しなければならない課題と、同社が推進する活動とは何か。

多忙極める“AI時代”のセキュリティ人材育成、「効果的&リーズナブル」な施策は本当に存在するのか?

 9月4日(木)~5日(金)の2日間にわたり開催される、EnterpriseZine編集部が主催する年次カンファレンス「Security Online Day 2025 秋の陣」。本稿では、その見どころを紹介する。CIO/CISOからエンジニアまで、IT部門/情報システム部門に所属する方から経営層の方まで、そして大企業から中堅・中小企業まで、立場や職種ごとの目線・事情に合わせてサイバーセキュリティの課題・ノウハウに斬り込む講演が盛りだくさんだ。

IT部門は消滅する?大規模開発の常識を覆しかねない自律型AIエンジニア「Devin」のインパクトとは

 2025年5月、ウルシステムズは米Cognition AIと戦略的パートナーシップを締結し、自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」の国内エンタープライズ市場への展開を発表した。同社は、2025年1月からDevinを自社導入して活用してきた結果、その可能性を高く評価したためパートナーシップ締結に至ったという。では、Devinの登場がビジネスにもたらすインパクト、ひいてはSI産業全体に及ぼす影響はどれほどのものなのか。ウルシステムズの取締役副社長でテクノロジー部門を統括する桜井賢一氏に聞いた。

ガートナーが明かす「AIセキュリティ6大脅威」 なぜAIエージェントが機密情報を漏洩させるのか?

 企業が信頼するAIが、実は機密情報を漏洩させる危険性を秘めている。ガートナーは、2025年7月に開催した「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメント サミット」で、データ損失、プロンプトインジェクション、出力リスク、データポイズニング、検索リスク、AIエージェントリスクという6つの脅威を明かした。アナリスト デニス・シュー氏がインタビューで、これらの脅威と対策について解説した。

AI時代のデータ活用はどこまでOK?個人情報保護委員会/デジタル庁の視点から学ぶ、企業が今すべきこと

 デジタル経済の進展とAI技術の急速な発達により、世界各国でデータ活用が競争力の源泉となるなか、日本のデータ政策も大きな転換点を迎えている。2025年6月24日にAcompanyが主催したカンファレンス「Data & AI Conference Trust2025」では、個人情報保護委員会事務局 審議官の小川久仁子氏、デジタル庁 企画官の石井純一氏、Acompany 執行役員の竹之内隆夫氏が登壇し、データ活用と保護の両立について議論した。本稿では、個人情報保護法改正、DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)の国際展開、データセキュリティ、プライバシー強化技術の内容を紹介する。

荏原製作所に新しい風を巻き起こす“精鋭集団”──3つの生成AIモデルを使い分けできる専用ツールを内製

 113年の歴史を持つ荏原製作所で、急速にDXが進んでいる。多様な人材が集まるデータストラテジーチームでは、デジタルトリプレットなどを活用した製造DXや、脳科学をベースとした技術開発など、ユニークな視点からの試行錯誤が始まっている。生成AI分野では、ChatGPT、Claude、Geminiの3つのモデルを使い分けできる生成AIプラットフォーム「EBARA AI Chat」を内製開発。伝統的製造企業における生成AI活用と内製開発の裏側を、データストラテジーユニットリーダーとしてけん引する田中紀子さんに聞いた。

現場に根付いた「カイゼン文化」を管理間接部門でも──矢崎総業が生成AI活用で重視する“利益追求”

 いよいよ伝統的な製造業でも生成AIは無視できない存在となっている。創業84年の老舗製造業・矢崎総業では、2024年に全社23万人を対象に独自の生成AI基盤「Y-Assistant」を構築・導入し、管理間接部門の生産性向上を推進している。「Givery Summit 2025 - AI Enablement Day」に同社 情報システム統轄室 システム技術評価部長の小池伸幸氏が登壇。製造業における生成AI活用の取り組みをギブリー執行役員 長目拓也氏と語った。

「自由で開かれたAIイノベーション」を守れるか?シリコンバレーで2人の博士が対談、警鐘と期待を語る

 世界中から注目と期待を集めるAI・半導体業界。その主要プレイヤーの一角であるAMD(Advanced Micro Devices)が米国サンノゼ(カリフォルニア州)にて2025年6月に開催した年次イベント「ADVANCING AI 2025」で、2人の博士による対談が行われた。AMDを率いる会長 兼 CEOのリサ・スー博士と、Google Brainの共同設立者であり、人工知能研究の権威として知られるアンドリュー・ヤン=タック・ン博士だ。テーマは「AIの可能性を解き放つ」──両者が共通して強調するのは、オープンエコシステムの重要性だった。開発の自由を守るために、「ゲートキーパー」の登場に警鐘を鳴らすン博士。そしてスー博士は、それを支えるAMDが目指す姿を語り、やがて両者はAI時代を生きる開発者の在るべき姿について持論を交わした。

「新たな脅威」と「深刻な人材不足」に襲われるセキュリティ現場……現実的な打開策と次のステップを知ろう

 9月4日(木)、5日(金)の2日間にわたり開催される、EnterpriseZine編集部が主催の年次カンファレンス「Security Online Day 2025 秋の陣」。本稿では、その見どころを紹介する。CIO/CISOからエンジニアまで、IT部門/情報システム部門に所属する方から経営層の方まで、そして大企業から中堅・中小企業まで、立場や職種ごとの目線からセキュリティやITガバナンスの課題を掘り下げる講演が今年も盛りだくさんだ。

膨大な資料から必要情報を「Gemini」が抽出/オンライン会議の議事録作成からバーチャル背景の作成も

 連載「Jagu'e'r発!Gemini活用大全」の第4回をお届けします。今回は「Google ドライブ」「Google Meet」、そして新たな業務ツールとして期待される動画編集ツール「Google Vids」におけるGeminiの具体的な活用術を解説します。情報検索から動画作成まで、Geminiがいかに業務の生産性を向上させるか、その具体的な方法を紹介しますので、ぜひ業務変革の第一歩としてご活用ください。

AIはビジネスとITの「溝」を広げるのか? Gartnerが提言する、これからのアプリケーション戦略

 企業のアプリケーション戦略とビジネス戦略には、乖離がある。2023年、Gartner(以下、ガートナー)がエンタープライズアプリケーションリーダー向けに行った調査では、回答者の60%以上が「両戦略の不整合」を上位課題とした。この一因には、ビジネスチームとITチームがそれぞれ異なる指標で業務を行っていることが挙げられる。隔たりがある中、「AI」という要素も加わった。AIは、両者の溝をさらに深める可能性もあるだろう。では、AIが普及する中、ITリーダーは溝を埋めるために何を考え、どの領域に投資をすればいいのか。ガートナー バイス プレジデント アナリストのパトリック・コノートン氏に話を聞いた。

「AI、結局使われない……」を打破! 日清食品やパーソルに学ぶ、社員を動かすチェンジマネジメント

 「AI」導入が加速化する中、成功企業と失敗企業の二極化が進んでいます。その差は一体どこにあるのでしょうか。連載『AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革』では、“業務コンサルタントの視点”でAI導入を支援している小坂駿人(パーソルビジネスプロセスデザイン所属)が、AIを「真のビジネス変革」につなげるためのポイントを5回にわたって解説。第3回は、AI活用に成功する組織の特徴について考えます。

バイブコーディングの不確実性を解消する/AI駆動開発ツール「jinba」で世界市場を狙うCarnot(カルノー)

 生成AIの普及により、企業の業務自動化は従来の「局所的な効率化」から、「使えば使うほどデータやノウハウが蓄積され、システムそのものが進化し続ける」──いわば“永久機関”のような自己強化サイクルの実現という新たな次元に突入している。このテーマで日本発のグローバルSaaSを展開するCarnot(カルノー)は、自然言語によるAI駆動開発プラットフォーム「jinba」(ジンバ)シリーズを核に、現場の課題に即したワークフロー自動化に挑む。共同創業者・乗杉卓也氏に、生成AI時代のアプリケーション開発、プロダクト戦略、そして「バイブコーディング」に関する独自の考え方について聞いた。

AIを用いたサイバー攻撃で浮き彫りになる「人の脆弱性」──攻撃者の“クリエイティビティ”に対抗する術

 米国ラスベガスで6月2日〜5日(現地時間)に開催された年次イベント「Zenith Live '25」は、約2,000名に及ぶ参加者が集まる盛況ぶりだった。同イベント内で、Zscaler AIイノベーション担当のフィル・ティー(Phil Tee)氏に、AIを悪用したサイバー攻撃の現状、昨今対策の必要性が叫ばれている「人の脆弱性」に有効なアプローチについて訊いた。

CRMとERPのギャップを埋めるRevenue Cloud、なぜB2Bに収益管理が必要か?

 セールスフォースが日本で提供開始したRevenue Cloudは、営業システムと基幹システムの隙間を埋める収益管理ツールである。従来は見積りから入金まで手作業が多く、新商品投入に数カ月要していた課題を解決する。Quote-to-Cashの一元管理により、複雑な価格計算や請求処理を自動化できる。本記事では「統合商品カタログ」「スプレッドシート型見積り画面」「AI見積り作成」などの主要機能を紹介し、営業効率化とTime-to-Market短縮を実現する仕組みについて解説する。

3層アーキテクチャとHCIのいいとこ取り、デル・テクノロジーズによるAI時代の「次世代インフラ」とは

 クラウドやAIが当然の時代でも、オンプレミスに最適な環境を“シンプルかつ迅速”に導入し、運用効率を高めていくことは依然として重要なテーマだ。これまでの3層アーキテクチャとHCIでは、柔軟性とシンプルさがトレードオフの関係にあったが、デル・テクノロジーズでは“分離型”インフラストラクチャで柔軟性とシンプルさを両立させる「Dell Private Cloud」を提供することで課題解消を狙う。では、同ソリューションのポイントはどこなのか。コンポーネントや特徴について、デル・テクノロジーズ 市川基夫氏が解説する。

【IVS2025】明太子から造船まで、AIと地域の未来をデザインする 産業・人材・自治をつなぐローカル実装の最前線

 国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」が7月2〜4日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された。本記事は、DAY1で行われた「AIと地域の未来をデザインする ── 産業・人材・自治をつなぐローカル実装」の最前線の内容を紹介する。地方都市におけるAI活用は、単なる効率化を超えて産業変革の起爆剤となりつつある。しかし、東京で当たり前のDXが地方では「絵に描いた餅」になることも多い。では、地域企業はどうやってAIを現実的に活用し、成果を上げているのか。広島を中心とした地方AI実装の成功事例から、その現実解を探る。

大塚製薬×AWSが切り拓く診断イノベーション/130億文字のゲノム解析を現場に届ける

 医療現場の診断が止まることは許されない。大塚製薬は「流汗悟道」の精神を受け継ぎ、AIやアイトラッキング、ゲノム解析といった先端技術を駆使して診断の現場を革新する。130億文字に及ぶ“究極の個人情報”をAWSクラウド上で安全かつ高速に処理し、24時間365日の安定運用を実現。現場発のイノベーションが2035年の医療の姿をどこまで変えるのか、その挑戦の全貌に迫る。

【IVS2025】塩崎氏ら国会議員と弁護士が提言/AI・web3規制は制約ではなく事業機会

 国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」が7月2〜4日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された。本記事は、DAY1で行われた「日本のテックイノベーション政策最前線 ~AI・web3規制の現在地と事業機会~」の内容を紹介する。このセッションでは、日本のテクノロジー政策が世界をリードしていることが明らかになった。web3分野では日本が先駆けて制定した法制度が海外で参照され、AI分野では日本発の国際的な政策枠組みが先行している。国会議員と弁護士陣が、規制対応を事業成長の機会に転換するための視点を示した。

文書作成/関数/資料作成でもう悩まなくていい!統合された「Gemini」が“救世主”に

 第3回は「Google Docs」「Google Sheets」「Google Slides」におけるGeminiの活用術を紹介します。執筆は、アイレットのWebアプリケーションエンジニアとしてGoogle Workspace with Geminiを活用する、Google Cloud Partner Top Enginnerの山田が担当しました。それでは、Geminiが搭載されたことでどのように業務が変わるのかみていきましょう。

分社化から10年目を迎えたHPE──現地イベントで見えた変化、AI時代のインフラ戦略を明確に

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は6月23日から3日間、米ラスベガスで年次イベント「HPE Discover Las Vegas 2025」を開催した。分社から10周年の節目となる今回、同社はIT運用のAIエージェントフレームワーク「HPE GreenLake Intelligence」の発表を軸に、「ネットワーキング」「ハイブリッドクラウド」「AI」という、3領域での差別化戦略を示した。

AI駆動型攻撃で1日26億回の攻撃も……OpenTextが訴えるAI時代の対策とは

 情報管理ソリューションなどで知られるOpenTextが、近年注力しているのがセキュリティソリューションだ。2025年1月に就任した、セキュリティ製品担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのムヒ・マズーブ(Muhi Majzoub)氏が来日し、AI時代のセキュリティ動向や同社がセキュリティに注力する理由を訊いた。

富士通の経営戦略を支える“データドリブンHR”のメカニズム──生成AI活用で社外活躍の場も広げる

 2019年に「IT企業からDX企業へ」と舵を切った富士通。現在ではサービスソリューションを主力事業として展開し、全社DXにも注力している。また、データドリブン経営を加速度的に推進し、人的資本経営を実践するために、データをもとにした様々な人事施策に取り組んでいる。その取り組みの全貌を同社 CHRO室長 森川学氏が、5月27日に開催されたEnterpriseZineとHRzineの合同イベント「HR×Data Forum」で解説した。

ガートナーに訊く“AI時代”のデータ戦略、鍵は「データファブリック」と「アクティブメタデータ」

 AIの急速な進化は、ビジネスのあらゆる側面において変革をもたらしている。「AI時代」における企業のデータ管理は、従来の手法のままでは通用しなくなり、そのあり方を根本から見直さなければならない。Gartnerのリサーチ バイス プレジデントを務めるアダム・ロンサール氏は、AIが“データ管理”テクノロジー全体に大きな影響を与えていることは間違いない、と指摘する。自然言語処理、チューニング、セキュリティパッチの適用など、ITシステムに置ける「データマネジメント」の核となる部分に、さまざまな形でAIの恩恵が及んでいるからだ。一方、新たな課題も顕在化している。ロンサール氏に、AI時代におけるデータ管理の課題、企業がとるべきアプローチについて聞いた。

弁護士が指南、法的リスクを低減させる生成AI運用のポイント “価値ある”ルール整備と運用のカギとは

 生成AIは企業活動に大きな効率化をもたらす一方で、営業秘密や機密情報の漏洩リスク、ハルシネーションによる誤情報の生成、EUのAI法をはじめとする国際規制への対応といった法的リスクも孕んでいる。森・濱田松本法律事務所 外国法共同事業の田中浩之弁護士は、2025年5月29日に開催されたレクシスネクシス・ジャパン主催イベント「Lexis+ AI Roadshow 2025」の基調講演にて、こうした課題への具体的な対処法を解説。API利用時における契約上の配慮、社内ルール整備のポイント、第三者機密情報の取り扱い方針など、現状を踏まえた実務的な生成AI活用方法の指針を示した。

損保社長からAIスタートアップへ転身/「Cursor」によるプロダクト開発で現場を変える

 生成AIの普及で「非エンジニアでも手を動かし、AIを武器に業務を刷新するHands-on型リーダー」が台頭しつつある。本連載はそうしたリーダーの実践の方法を深掘りし、DXを超える現場変革のリアリティを提示していく。第1回は東京海上グループのイーデザイン損保社長からGenerativeX執行役員に転身した桑原茂雄氏。コーディング未経験から2ヵ月で、生成AIツール「Cursor」を活用し実践的なAI開発スキルを習得した同氏の経験から見えてきたのは、「小さく作る」「細かく指示する」「公開してフィードバックを得る」という実践的アプローチの重要性だ。

クレディセゾン・栗田工業・アフラックが実践した「真のAIドリブン経営」とは

 生成AIへの期待は高まるものの、実際のビジネス価値創出で94%の企業が挫折している現実がある。 5月29日に開催された日本テラデータの「AI Innovation Day 2025 Tokyo」では、クレディセゾン、栗田工業、アフラックの先進事例を通じて、AIドリブン経営への転換が紹介された。汎用AIエージェントではデータの不整合やハルシネーション問題が避けられない中、統合データ基盤と業種別データモデル、専門性の高いAIエージェントの連携こそが成功の鍵であることが示された。

IBMが仕掛ける半導体戦略、エコシステム拡充でAIニーズにどう応える 長年の研究開発を強みにできるか

 IBMは、AI処理に特化した省電力チップ「AIU(Artificial Intelligence Unit)」、AI開発・実行環境「Vela」、そしてRed Hat OpenShiftを核とするエコシステム戦略を通じ、独自のAI戦略を加速させている。サービスカンパニーとしてのイメージが強いIBMだが、その強みの源泉には長年の半導体開発の経験とノウハウがある。

量子AIなどに注目集まるも「ガバナンスなき実装は必ず失敗する」──SASの最高データ倫理責任者が提言

 企業はAIによる業務効率化や競争力向上を追求する一方で、ガバナンス整備やリスク管理といった課題に対処しなければならない。SAS Instituteでデータ倫理の最高責任者を務めるレジー・タウンゼンド氏は、過去に米国ホワイトハウスへAI政策の提言も行った人物だ。同氏が、2025年5月にフロリダ州オーランドで開催された「SAS Innovate 2025」にてメディアのグループインタビューに応じた。企業がAI活用で陥るガバナンスの落とし穴、そして量子AIなどの最新テクノロジーが次々と登場する中でも、大切な視点を見失わないための提言をお届けする。

サッポロHDは大規模データ基盤システム構築で“縦割り・内向き体制”の打破へ DX企画部長らに訊く戦略

 サッポロホールディングスは、「持続可能性」を重視した技術選定を経て構築した、グループ共通のデータ基盤「SAPPORO DATA FACTORY」を2025年1月から本格稼働させている。同社が一貫して追求するのは、データレイクを単なるデータの器とせず、「何のために使うのか」「いかに効果を出すか」まで考え抜く目的志向だ。DXによるビジネスの進化を続ける同社の取り組みについて、話を訊いた。

AI導入後に2年停滞も「ゼロ化」の視点により2ヵ月で改善──AIをポイントソリューションにしない術

 大手企業でもAI活用が進む中、想定した成果を上げられていないケースは少なくありません。連載「AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革」では、業務コンサルタントの視点で大手企業のAI導入を支援してきたパーソルビジネスプロセスデザインが、AIを“真のビジネス変革”につなげるためのポイントを全5回にわたって解説。第2回は、AI導入にあたって外部専門家をうまく活用するためのポイントを紹介します。

ITリーダーは生成AIへの「憧れ症候群」に注意せよ──役割と選択肢が増える中で陥る意思決定の罠とは?

 AI技術の進化により、企業の意思決定プロセスや組織の在り方が大きく変わろうとしている今、CIOをはじめとするITリーダーが果たすべき務めとは何か。SAS Instituteが米国フロリダ州オーランドで2025年5月に開催した「SAS Innovate 2025」にて、同社CIOのジェイ・アップチャーチ氏が各国メディアのグループインタビューに応じた。CIOやIT部門の変化する役割、AI活用でITリーダーたちが陥りがちな罠、そしてAIを組織に実装し、真に価値をもたらすためのアプローチについて語られた。

AIエージェント最前線──“文脈争奪戦”が始まった RAGの功罪、MCPの台頭……

 2025年、「AIエージェント」が日本でも浸透してきた。市場には多くのベンダーが勃興する中、企業における担当者はどのように状況を俯瞰すればよいのか。本稿では、「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出された、栁澤直氏が“AIエージェントの最前線”をリポートする。

ビジネスマンの“時間を奪う”メールこそ生成AI活用を!Gmailに出現した「Gemini」活用の一歩

 第1回に引き続きJagu’e’r GWS 分科会のメンバーがお届けします。今回は、普段、営業職の奥原とエンジニア職の野間が、それぞれの専門知識を活かして執筆しました。野間からは、現代のメール環境と課題、Gemini in Gmailの特徴と機能について、技術的な視点から詳しく解説します。奥原からは、企業での活用事例、導入による組織全体への影響について、具体的な事例を交えながら紹介します。

AIエージェントには「“新人教育”を施す必要がある」実際の活用事例から覗く、業務適用の現在地

 昨今、高い注目が集まっている「AIエージェント」。AIエージェントはこれまでのAIの進歩の延長線上にあるが、どのような特徴があるのか皆さんはご存じだろうか。長らくソフトウェア開発やコンサルティングを手がけ、近年では生成AIを積極的に活用しているというモンスターラボのCTO 平田大祐氏に、実際の活用事例とともにAIエージェントの現状と今後の展望を訊いた。

【SAP】JouleからAI Foundationまでの活用事例、Perplexityとの提携も

 SAPは企業向けAIソリューション「SAP Business AI」を急拡充し、2025年5月時点で230以上の生成AIシナリオを実装、年末までに400以上の提供を計画している。AI戦略の3つの柱は、非SAPアプリケーションにも拡張した新UI「Joule」、推論機能を持つ「Joule Agents」40以上の展開、そして複数の基盤モデルに対応する「AI Foundation」である。Perplexityとの提携により非構造化データも活用可能となり、34,000社超の顧客が既に活用している。British Telecomでは人事業務を40%高速化するなど、具体的な業務効率化の成果を上げている。

データを「見えざる資産」に変えよ!AI時代の企業価値を高める「メタデータマネジメント」とは ── Quollio Technologies松元氏

 企業のデータ活用現場で日々生じる、「意味のズレ」がDXの隠れたボトルネックとなっている。特に生成AIが企業の競争力を左右する時代において、その基盤となるデータの「質」と「文脈」の管理は喫緊の課題だ。日本には専門企業が少なかった「メタデータマネジメント」という新たな領域で先駆的な取り組みを行うQuollio TechnologiesD 代表取締役社長 CEOの松元亮太氏に、データマネジメントの現状と未来、そして日本企業が世界で「企業価値を高める」ための方策を聞いた。

デルが打ち出す“送電網”としてのAIインフラ マイケル・デルが示したエンタープライズAIの未来

 人工知能(AI)は新たな「電力」であり、Dell Technologiesはその「送電網」となる──米Dell Technologies(以下、デル)は米国ネバダ州ラスベガスで開催した年次イベント「Dell Technologies World 2025」(5月19日~22日)で、包括的なAIインフラ戦略を発表した。生成AIがPoC(概念実証)から導入・活用フェーズの段階に移行しつつある中、エンタープライズ領域での実装支援でイニシアチブをとる構えだ。初日の基調講演に登壇した同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)であるマイケル・デル氏は、「AIの台頭でこの10年は変革の時代となり、早期導入者が新しい競争優位を握る。今、動かなければ遅れる」と語り、AI基盤構築の重要性を訴えた。

「20世紀のシステムはServiceNowに統合される」業績好調のサービスナウ、CEOが見通す戦略は

 “AIエージェントの時代”に突入している中、ServiceNowがプラットフォーム戦略に自信を見せている。同社 CEOのビル・マクダーモット(Bill McDermott)氏は、「20世紀のシステムがServiceNowに統合されていく」と大胆な予言をする。本稿では、5月初めに開催されたServiceNowの年次イベント「Knowledge 2025」での発表と、マクダーモット氏およびServiceNow Japan社長の鈴木正敏氏に訊いた話をまとめたい。

パナソニックコネクトは再生を阻む伝統企業の壁をどう突破するのか?/榊原CTOが「Blue Yonder」と「SRE」による戦略を語る

 業績の低迷や人員削減など苦境に立たされ、構造改革と事業選別の真っただ中にあるパナソニックグループ。その中でパナソニックコネクトは、B2B分野の中核企業として、成長が期待されるサプライチェーンやデジタル分野を軸にグループ再生の牽引役を担う重要な位置づけとなっている。重要な鍵となるのがBlue Yonder(ブルーヨンダー)によるサプライチェーン変革と「SRE」による開発・運用体制だ。同社CTOの榊原彰氏が、PagerDutyのカンファレンスで語った内容を紹介する。

【モダナイゼーション事例】人気記事を集めました! AI時代のインフラ刷新につながる特別イベントも開催

 ITシステムを構築するということは、いつか廃棄し、新たなシステムへと移行することでもあります。新たなテクノロジートレンドが次々と生まれる中、クラウドやAIといった一大トレンドを受けて「ITモダナイゼーション」を進める企業は一気に増えました。そこでEnterpriseZine編集部では、過去1年間に公開された記事の中から、特に高い関心を寄せられたものをピックアップしました! ぜひ、参考にしてください。

AI導入でかえって業務を増やしていないか? 成功企業と失敗企業の差は「プロセスデザイン」にあり

 「AI」を導入したものの、想定していた効果を上げられていない……そのような企業に有益な方策の一つが、最適な業務プロセスを構築するための「ビジネスプロセスデザイン」という考え方です。連載『AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革』では、“業務コンサルタントの視点”でAI導入を支援している小坂駿人(パーソルビジネスプロセスデザイン所属)が、AIを「真のビジネス変革」につなげるためのポイントを5回にわたって解説。第1回は、企業におけるAI活用の実態を紐解きながら、課題解決に向けたアプローチについて考えます。

アドビが発表したAIエージェントによる新たな収益モデル/ウォールストリートも歓迎する2つめの収入源とは?

 アドビが「Adobe Summit 2025」で新たなAIエージェント戦略を発表した。その中核となる新基盤「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」は、企業の保有データを活用して複数のAIエージェントを効果的に連携させ、マーケティング業務の効率化と収益モデルの変革を可能にする。本稿では、アドビ幹部への独自取材から得たこの革新的プラットフォームの狙いと具体的役割について詳述する。

経営層の「流行りDX」に翻弄される担当者に捧ぐ!億単位の“尻切れトンボ”プロジェクトを防ぐ5つの要点

 生成AIやAIエージェントなど、新たな技術が次々に登場する中、多くの企業ではこうした新技術を取り入れたプロジェクトが進行していることでしょう。しかし、その指揮を執る経営層が技術を正しく知らない場合、プロジェクトが迷走してしまい、何億円規模の投資を無駄にすることにつながりかねません。連載「PM歴20年超の橋本将功が示す“情シスPMあるある”とその打ち手」では、プロジェクトマネージャー(PM)として20年以上キャリアを積んできた筆者が、プロジェクトの「あるある失敗パターン」から編み出したコツやヒントを情報システム部門の方々にお届けしています。連載4回目となる本稿では、このような“ふわっとしたDX”構想が経営層から降りてきたとき、振り回されないためのプロジェクトの進め方をお伝えします。

PagerDuty CEOが語る「ヒューマン・イン・ザ・ループ」のAIエージェント活用──システム運用の効率化で課題解決に挑む

 生成AIやAIエージェントがビジネスとテクノロジー領域を席巻する中、システム運用分野では人手作業の自動化が進み、業務に革命的変化をもたらしている。デジタル運用管理(Digital Operations Management)のソリューションを提供するPagerDutyは2025年4月、東京で「PagerDuty on Tour Tokyo 2025」を開催。グローバルと日本市場のAI活用分析や運用効率化ソリューションが示された。本稿では、同社CEOジェニファー・テハダ氏と富士通副社長の対談、そしてCEOへの独自インタビューを通じ、AIと人間の共創による次世代運用のあり方に迫る。

Google Cloudが急ピッチで進めるAIエージェント戦略、50社の賛同集めた「A2A」とは

 Google Cloudは4月9日~11日、米ラスベガスで「Google Cloud Next 2025」を開催。AIエージェントの戦略を大きく前進させた。エージェント開発キットやエージェント間通信プロトコルをオープンソースとして公開したほか、エージェントプラットフォーム「Google Agentspace」の機能強化、音楽生成モデル「Lyria」など、多数の新機能も発表している。

【ユーザー会直伝!】Google Workspaceに統合が進む生成AI「Gemini」を有効活用するには

 ビジネスの現場では、効率化と生産性向上が常に求められています。特に昨今は、リモートワークやハイブリッドワークの普及により、デジタルツールの重要性はますます高まっていることでしょう。そんな中、Google Cloudが提供するクラウドベースのツールスイート「Google Workspace」に、同社のAI機能「Gemini」が統合され、ビジネスに新たな可能性をもたらしています。本連載では、Google Workspaceの最新動向や活用方法について、Google Cloud公式ユーザー会「Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise(通称:Jagu'e'r)」の参加者たちが全6回にわたってリレー形式でお届けします。第1回となる今回は、「Google Workspace with Gemini」の全体像と最新のホットトピックをご紹介します。

Amazon Q Developerで解決するメインフレーム移行の技術的課題──AIによるレガシーマイグレーションの成功要因とは?

 長年企業を支えてきたメインフレームシステムは、維持コストの高さ、エンジニア人材の不足、ビジネス変化への対応の遅さという三重の課題に直面している。多くのCTOがモダナイゼーションの必要性を認識しながらも、移行リスクの高さから決断を躊躇してきた。Amazon Q Developerの登場は、この状況を一変させる可能性を秘めている。AIがCOBOLからJavaへのコード変換を支援し、DevOpsライフサイクル全体をサポートすることで、これまで困難だったメインフレームからの脱却が現実的な選択肢となりつつある。AWSの専門家に、実践的なアプローチを聞いた。

「今さらペーパーレス?」と侮るなかれ──“デジタルアレルギー”を克服した常陽銀行の驚くほどの徹底ぶり

 「銀行取引の変容は20年前から兆候があった。ゆでガエルにならないためにできることを確実に」──そう語るのは、常陽銀行 経営企画部 副部長 兼 DX戦略室長の丸岡政貴氏だ。全国の金融機関がDXに力を入れる中、常陽銀行は「DXの民主化」をキーワードに、ペーパーレス、アプリ開発、全行員による生成AI活用など、他行からも視察が相次ぐほどに成果を上げている。あくまでもビジネスへの寄与にこだわり、“やりきる”姿勢に迫る。

大企業が「AIの万年PoC」から抜け出す鍵はスタートアップに?日本市場に秘められたAI活用の伸びしろ

 各国が成長戦略とガバナンスの両立をめざしてAI政策を競うなか、日本においてもAI活用における実践的な方向性が求められている。こうした潮流を背景に、日本ディープラーニング協会(JDLA)はAI利活用の在り方を探るカンファレンス「JDLA Connect」を開催した。基調講演には、JDLAの理事長を務める東京大学大学院工学系研究科 教授 松尾豊氏をはじめ、同協会理事の江間有沙氏、岡田陽介氏、竹川隆司氏が登壇し、「AI戦略とガバナンス」をテーマにパネルディスカッションを実施。「国際動向」「ビジネス」「人材育成」という3つの視点から、AI利活用に不可欠な戦略とルール形成の在り方について議論が交わされた。

【特集】デジタル変革に待ったなし、地銀の生存競争──2025年の崖を回避するためのトリガーは(2025 Spring)

 EnterpriseZine編集部は2025年4月、最旬ITトピックの深層に迫る『EnterpriseZine PRESS 電子版~2025 Spring~』(PDF)を発行いたしました。EnterpriseZineのメールマガジン会員にご登録いただいた方は無料でダウンロードいただけます。

「答えられません」を正しく言えるAIの作り方:プログラミングの質問に答える政策AIボットは何が問題か

 連載「AI事件簿 ~思わぬトラップとその対策~」では、過去のAIに関するインシデント事例や先人たちの教訓をもとに具体的なリスク対策を解説しています。連載第3回となる本記事では、生成AIの提供者も利用者も気を付けるべき「オフトピック(off topic)」の問題を取り上げます。“本題から逸れてしまう”この事象はどういった状況で発生し、どのようなリスクを生み出すのでしょうか。2024年に国民民主党の政党AIボットで実際に起きた事象をもとに解説していきます。

脆弱性対応を“AIで仕組み化”する具体的な5ステップ:専門家不足でも持続可能な内製診断を実現するには

 DXの加速にともなってデジタルサービスが急増する中、企業はサプライチェーン全体のセキュリティ強化という課題に直面している。限られたリソースの中で効率的に脆弱性対策を進める手段として「脆弱性診断の内製化」が挙げられるが、品質の維持やコストへの不安は残る。こうした課題に対して、2025年3月18日に開催された「Security Online Day 2025 春の陣」に登壇したエーアイセキュリティラボの阿部一真氏は、AI技術を活用した解決策を提示。脆弱性診断を単なるAIツールの導入にとどめず、戦略的思考に基づきプロセス全体をどう構築すべきか、その具体的な進め方を紹介した。

NVIDIA決算に見る「長く考えるAI」への期待とニーズ /AIで伝承文化を守るオープンソースプロジェクト

 NVIDIAは2月26日(米国時間)、2025年度第4四半期(2024年11月~2025年1月)の決算を発表。前年同期比78%増の393億3000万ドル(約5兆8500億円)という過去最高の売上を記録し、年初に“DeepSeekショック”があったにもかかわらず引き続き生成AIにおける最大の勝者としての存在感を見せつけた。今回は、同社の好調な業績を牽引したGPU「NVIDIA Blackwell」の特徴である推論と長時間思考について概観してみたい。また、Red Hatが支援するAIによる歴史再現プロジェクト「Griot and Grits」についても紹介する。

なぜAI活用の優位性確保で「財務会計」が重要に? 米国管理会計士協会 会長が来日、日本企業へ期待語る

 グローバルで公認管理会計士(CMA)の資格を提供している米国管理会計士協会(IMA)。そこで会長 兼 CEOを務めるマイク・デプリスコ氏が来日した。今、AIを取り巻くテクノロジー変革の中で、財務会計の役割が変わりつつあるという。「テクノロジー活用には財務会計の視点を、そして財務会計のプロフェッショナルは、テクノロジー活用に貢献できる新たなスキルと役割を」と提言するデプリスコ氏。本稿でその意図をお届けする。

GeminiがDevOpsサイクルを加速する、HRBrains、はてなが導入した生産性向上の鍵とは?

 GoogleがDevOpsを支援するGemini Code Assistを解説。コード生成からトラブルシューティングまで開発・運用の効率化を実現。Cloud Run with GPUsでオンデマンドGPUリソースを提供し、コスト最適化を実現。HRBrainがGemini Code Assistを導入して開発生産性を向上、はてなは「toitta」開発にCloud Runを活用してプロトタイプ開発を効率化。Google Cloudは自社開発の知見を企業の生成AI活用に生かしている。

30周年迎えたSOLIDWORKS、ダッソーが宣言する、3D CADに留まらない「新しい時代」とは

 仏Dassault Systèmes(ダッソー・システムズ:以下、ダッソー)は、2025年2月23日から26日にかけて米・ヒューストンにて「SOLIDWORKS」「3DEXPERIENCE」プラットフォームのユーザー向け年次イベント「3DEXPERIENCE World 2025」を開催した。イベントでは、ダッソーのCEO、エグゼクティブ・バイス・プレジデント、SOLIDWORKSのCEOらが登場し、今後の方向性を示した。“ジェネレーティブ・エコノミー”時代の製造業を支援する、とする同社は、ユーザー層も既存の設計担当者からの拡大を図るという。

パーソル/資生堂/日テレの生成AI推進リーダーと探る、導入しただけで終わらせない“成果を出す共通項”

 ChatGPTの登場で大きな転換点を迎えた生成AI。企業では導入フェーズから活用・発展へとステージが変わりつつある。1月31日に開催された「Enterprise IT Women's Forum」の特別講演では、先駆的に生成AIの活用を進めてきた企業のリーダーたちが、成果と課題を語り合った。登壇したのは、パーソルホールディングス グループデジタル変革推進本部 本部長 朝比奈ゆり子氏、資生堂インタラクティブビューティー IT本部 デジタルイノベーション部 部長 櫻井佳子氏、日本テレビホールディングス 経営戦略局 経営戦略部 兼 R&Dラボ 主任 辻理奈氏。現場のリアルな経験から、生成AI活用の今とこれからが見えてきた。

生成AIで脅威ハンティングも対話型に──SentinelOneが考える「防御者のためのAI」とは

 2024年9月25日、26日の2日間に亘り、EnterpriseZine編集部主催のオンラインイベント「Security Online Day 2024 秋の陣」を開催した。SentinelOne Japan シニアソリューションエンジニア 富田隆一氏によるセッション「防御者のためのAI:自律型サイバーセキュリティプラットフォーム」では、AI技術を活用した最新セキュリティソリューションの紹介が行われた。

HCIを超えた“広範囲なソフトウェアベンダー”へ:Nutanix CTOが示すAI時代のインフラ戦略

 ブロードコム(Broadcom)によるVMwareの買収以降、レガシーな仮想化インフラ環境からの移行ニーズが高まっている。HCI(ハイパーコンバージドインフラ)、パブリッククラウド、コンテナ環境など様々な移行先候補が挙がる中、市場における期待値が高い移行先の一つにNutanixが挙げられるだろう。同社のソリューションや移行戦略にはどのような強みがあるのか、ニュータニックス・ジャパン 執行役員Field CTO 兼 システムエンジニア統括本部長の荒木裕介氏に話を訊いた。

企業ユーザー向けに進化するDeepL、生成AI時代でも戦える理由とは? CTOに技術開発の裏側を訊く

 AI翻訳サービスとして世界中で普及しているDeepL。日々業務の中で利用している人も多いことだろう。同社は2024年11月にリアルタイム音声翻訳機能「DeepL Voice」を提供開始し、2025年1月末にはAPI機能の大幅な強化も発表した。これまではテキスト翻訳のサービスとして普及していたが、現在は音声翻訳市場への参入とAPI強化により、企業の「グローバルコミュニケーション」を支援する総合的な言語ソリューションプロバイダーとしての地位確立を目指している。同社でCTOを務めるセバスチャン・エンダーライン氏に、直近の技術開発の裏側と今後の展望について話を伺った。

AIでネットワークエンジニアの在り方は変わるのか? 求められるスキルセットの変化を考える

 グローバルで20年以上にわたり技術者として活躍、エンタープライズITの世界で腕を磨き、現在はExtreme NetworksのAPAC担当 CTOとして腕を振るうジャスティン・ハースト氏。第一線でネットワーク業界を見続けてきた同氏は、AIがもたらすディスラプションをどのように見ているのか。

日本企業が抱える“AIの障壁”、今必要な「ARCフレームワーク」の考え方とは

 グローバルで20年以上にわたり技術者として活躍、エンタープライズITの世界で腕を磨き、現在はExtreme NetworksのAPAC担当 CTOとして腕を振るうジャスティン・ハースト氏。第一線でネットワーク業界を見続けてきた同氏は、AIがもたらすディスラプションをどのように見ているのか。

トランプ大統領“肝入り”超巨大AIプロジェクトの第一関門とは/中国発の生成AIが世界を震撼させた真因

 米国のAI戦略はドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の誕生により劇的に変化することは間違いない。今回はドラスティックな変化を予感させる2つの大きなAIニュース「Stargate Project」と「DeepSeek-R1」の登場について触れておきたい。また、NVIDIAがリリースしたAIエージェントのためのガードレール機能についても紹介する。

複雑さは最大の敵──ネットワーク管理のシンプルさを訴えるExtreme Networksが描くAIとの協働

 近年、ネットワークインフラが果たす役割はますます重要になっている。多くのアプリケーションがネットワークに接続されていることを前提としており、セキュリティ、AIなど多岐にわたる分野でネットワークが不可欠となっている。 Extreme Networksの最高製品責任者(CPO) 兼 最高技術責任者(CTO)であるナビル・ブカリ(Nabil Bukhari)氏は、「セキュリティやAIなどネットワークベンダーが果たす役割はより重要なものとなっている」と話す。同社が考える、今後、ネットワークベンダーに求められる要素とはどんなものなのか。

緊急寄稿:米大統領令がインシデントの元凶に?DeepSeekへの攻撃成功率は100%?AI市場を予測

 2025年1月20日、トランプ米大統領が「人工知能の安全・安心・信頼できる開発と利用に関する大統領令」を撤回した。これにより、国内外含めて今後のAIの開発者および提供者にどのような影響があるのか、AI利用者はどのようなことに気を付けていくべきなのか。AI市場への影響について緊急寄稿という形で考察していきます。

VAST DataのDatabricksやNetAppにはない優位性、日本でもダークホースとなるか

 AIの急激な進化にともない、企業は爆発的に増加するデータの管理、処理、そして具体的なビジネスでの活用に課題を抱えている。VAST Dataは、高性能なAIデータプラットフォーム「VAST Data Platform」と、リアルタイムRAGプラットフォーム「VAST InsightEngine with NVIDIA」の提供で課題解消を目指す。

乱立したデータ基盤のモダナイズを1年でやり切る──ルネサス エレクトロニクスがAIとの統合環境に移行

 データ基盤とAI基盤、日本ではこの2つが別々に構築されるケースが多く、そのことがデータとAIの民主化を阻んでいる。2024年11月、都内で開催されたDatabricksの年次カンファレンス「Data + AI World Tour Tokyo 2024」で、データブリックス・ジャパン 代表取締役社長 笹俊文氏は、データとAIの民主化の実現に向けた重要なポイントの1つとして「自社のデータでモデルをトレーニングしてビジネスで成果を得る」ことを挙げた。データを利活用してモデルをリファインする“Data + AI”こそが、誰もがデータとAIの恩恵を受けられる基盤であるというのは同社が一貫して主張してきたことだが、一方で自社データをフル活用できるAIプラットフォームを構築するには、データガバナンスやセキュリティ、データの断片化といった様々なハードルが存在しており、簡単に実現できる道ではない。多くの日本企業がデータとAIの統合に悩むなか、Databricksの支援を受けて従来のデータ基盤を刷新し、わずか1年で要件定義から本番稼働までを実現したルネサス エレクトロニクスの事例が基調講演で語られたので、その概要を紹介する。

三菱UFJ銀行が法人営業に生成AIを活用──成功のポイントを明かす

 三菱UFJ銀行が「生成AI」の活用を進めている。法人顧客を抱える市場部門において、営業担当者向けに導入したところ、見込み顧客の獲得活動を10倍に拡大、コンバージョン率は30%改善するなどの効果が期待できることがわかった。Amazon Web Services(AWS)が2024年12月に米ラスベガスで開催した年次イベント「AWS re:Invent 2024」にて、同行の市場企画部 市場エンジニアリング室 上席調査役 堀金哲雄氏が話した。

情シスのPC選定、AI時代にどう変わる? ITジャーナリストが指南、価格と性能以上に必要な視点とは

 情報システム部門における、大切な業務の1つが「パソコン(PC)の選定」だ。特に予算が限られる中、機能性やデザイン、スペックの高さなどを天秤にかけながら頭を悩ませる場面も少なくない。では、Windows 10のサポート終了も迫っている今、どのようなPC選定が正解なのだろうか。

「IT部門はAIエージェントを育成する人事部門へ 」NVIDIAのCEOが示したAIの次なる景色

 “AI is eating the world”──。CES 2025でのNVIDIA ジェンスン・フアンCEOの基調講演を一言で示すなら、こんな表現が相応しいのではないでしょうか。フアンCEOは基調講演で、Generative AIを超えた次なるステージとして「Agentic AI」から「Physical AI」への移行を示唆しました。本稿ではAIの基盤モデルが社会インフラ化する中で、AIは企業の業務プロセスにどう組み込まれていくのか、について解説します【冒頭写真提供:Consumer Technology Association(CTA)】。

トランプ大統領はAIに5000億ドル投資、ソフトバンクGやOpenAI、Oracleの思惑 日本への影響は?

 2025年1月22日、ソフトバンクグループはOpenAIと共同で、大規模なAIインフラストラクチャ構築プロジェクト「Stargate Project」を発表した。このプロジェクトは、米国におけるAI分野でのリーダーシップ確立と、世界経済への貢献を目的としている。

「Copilot Studio」の使い方──AIエージェントを構築/ドキュメント作成効率化のコツも

 MicrosoftからOpenAI社のGPTエンジンを用いた「Microsoft Copilot」が提供されると、ExcelやWordなどのOfficeアプリスイート「Microsoft 365」にも組み込まれることになりました。連載「『Copilot for Microsoft 365』を使いこなす」では、『神速Excel』(ダイヤモンド社)の著者である中田元樹氏が“使いこなし”のテクニックを伝授。第6回は、「Copilot Studio」にフォーカスしてお届けします。

電通デジタルが「Amazon Nova」で動画広告バナーを作成、CVR8倍・CPA73%減の成果に

 Amazonが12月の「AWS re:Invent 2024」で発表した基盤モデル「Amazon Nova」。Novaの動画生成AI「Amazon Nova Reel」をいち早く使って動画広告を作成したのが電通デジタルだ。クリックコンバージョン(CVR)は8倍、コスト(CPA)は73%減と驚異的な成果を挙げたという。電通デジタルのデータ&AI部門執行役員の山本覚氏がre:Inventの会場で取材に応じてくれた。

CES2025開幕、縦横無尽に浸食するテクノロジーがもらたす現在地と未来を体感

 CES 2025が1月7日(米国時間)からラスベガスで開幕した。今年掲げられた全体テーマは「DIVE IN」。テーマにふさわしく、業界問わず縦横無尽に浸食するテクノロジーの今とこれからを体感できる場となっている。本稿では、本編開催に先立って行われたメディア・デーの内容をお届けする。

「酒屋からデジタル変革を」数万×200の配送ルートから最適解を導き出すカクヤスDXリーダーたちの挑戦

 首都圏を中心に酒類などの販売やデリバリーを展開するカクヤス。同社は、飲食店および家庭に向けた販売サービスの向上と社内業務の効率化を目的に、2024年10月1日に「デジタルイノベーションセンター」を新設した。同センターは、社内データの利活用を推進し、需要予測を活用した在庫管理や配送業務の最適化など、デジタルを活用した業務改革をけん引している。今回は、同センターの創設者である取締役の飯沼勇生氏に、取り組み内容や今後の展望について聞いた。

2030年には「AIコンバージェンス」が日本を激変させる?AI時代のトップ企業に必要な“知の循環”

 ここ数年続くDXのトレンドをさらに加速させているAI。なかでも深化の著しい生成AIによって、日本企業のDXはどのような進展をたどっていくのだろうか。今回は、2030年代に起こるトレンドとして「AIコンバージェンス」という概念を生み出したアイ・ティ・アール(ITR)の会長/エグゼクティブ・アナリストである内山悟志氏の講演をもとに、今後10年で日本企業が競争戦略を取り戻すためのヒントを探っていく。

エンタープライズIT「2025年の展望」を大予想、AIの勢いはどうなる? 注目トレンドは……

 2024年、生成AIはエンタープライズITの世界を席巻した一方、ROI(投資対効果)への疑問や実用化の課題も顕在化した。そこで生成AIの現状と課題を振り返り、2025年の注目トレンド「マルチモーダルAI」「リアルタイムRAG」「AIエージェント」の可能性と課題を考察してみた。他にも取材の中で見えてきた、ERPの動向なども取り上げる。2025年は、生成AIとERPの進化が交差する重要な年となりそうだ。

AIセキュリティの業界標準を確立する──GoogleのCISO室長が語るルールメイキングの現況と展望

 AI技術の発展スピードは凄まじいが、安全性や倫理性といった懸念点への対策はやや遅れ気味だ。“安全で責任あるAI”の実現のために、Googleは『Google's Secure AI Framework(SAIF)』を提唱し、健全なAIの普及を目指している。今回は、同社でアジア太平洋地域のCISO室長を務めるマーク・ジョンストン氏に、AIセキュリティの現状と課題、「Coalition of Secure AI(CoSAI)」をはじめとするGoogleや業界全体でのルールメイキングの現況、今後の展望について話を伺った。

【年末特集】SUBARU、楽天のCIOが語る2025年の目標 JFEのSIRTリーダーが挑む新体制

 ITテクノロジーに携わる多くの方にとって、2024年は様々な意味で「転機の年」になったのではないでしょうか。日本中の組織でAIの導入が進み、それを活用するためのデータ基盤の整備に具体的に着手する事例も多く見受けられました。また、重要インフラや有名企業を狙ったサイバー攻撃が相次ぎ、マスメディアでも連日報道されたことで、サイバーセキュリティや情報保護に対する世間の関心も一気に高まりました。こうした潮流を受け、2025年の対策に向けて本腰を入れ始めた読者の方も多いことでしょう。そこで、今年も企業や自治体の第一線で活躍するITリーダーたちに年末インタビューを実施。2024年の進捗を総括していただき、2025年に見据える課題や目標を伺いました。本稿は、その第3弾となります。

“第3の波”といわれる「エージェントAI」動向を探る──Salesforce/NTTデータ/UiPath

 2024年のエンタープライズIT業界は、昨年と同様に生成AIに関連したニュースや導入事例が話題の中心を占めたが、もうひとつの注目すべきトレンドとしてAIの“第3の波”と呼ばれる「エージェントAI(agent AI)」が挙げられる。今回は、ここ1~2ヵ月の間に発表されたITベンダ各社のエージェントAIへの取り組みから、セールスフォース・ジャパン/NTTデータ/UiPathの発表をピックアップ。また、一般のニュースでも話題になることが多いAIとサステナビリティの関係性、特にデータセンターの電力消費量について、ガートナージャパンの桂島航アナリストの見解も紹介する。

【年末特集】JTB、日清食品HD、横浜市、損保ジャパンのCIO/CISOに2025年の目標を尋ねる

 ITテクノロジーに携わる多くの方にとって、2024年は様々な意味で「転機の年」になったのではないでしょうか。日本中の組織でAIの導入が進み、それを活用するためのデータ基盤の整備に具体的に着手する事例も多く見受けられました。また、重要インフラや有名企業を狙ったサイバー攻撃が相次ぎ、マスメディアでも連日報道されたことで、サイバーセキュリティや情報保護に対する世間の関心も一気に高まりました。こうした潮流を受け、2025年の対策に向けて本腰を入れ始めた読者の方も多いことでしょう。そこで、今年も企業や自治体の第一線で活躍するITリーダーたちに年末インタビューを実施。2024年の進捗を総括していただき、2025年に見据える課題や目標を伺いました。

「事業のエキスパートをAIの世界に入ってこられるようにする」Dataiku CEOが創業時から掲げる“AIの民主化”への道筋

 毎日食べるパンのように、AIを人々の当たり前にしたい──2013年にフランスで起業したAIプラットフォーム企業「Dataiku」の共同創業者で、現在もCEOを務めるフロリアン・ドゥエト(Florian Douetteau)氏は、同社がコーポレートビジョンとして掲げる「Everyday AI」に込められた思いをこう表現した。ITの世界では“誰でも使える”という意味で民主化というキーワードが使われるが、最近は“AIの民主化”という言葉を聞く機会も少なくない。そしてDataikuの提唱するEveryday AIもまさにAIの民主化を表すフレーズであり、創業時から変わらない同社のゴールでもある。 ここ1、2年の生成AIブームで急速に事業を拡大したDataikuは、現在、日本市場にも力を入れており、10月にはドゥエト氏自身が来日し、顧客やパートナーと意見交換を重ねてきた。「日本企業のAIへの強いモチベーションとパッションを改めて実感した」と話すドゥエト氏だが、Everyday AIは日本で本当に実現できるのだろうか。今回、多忙な来日スケジュールの合間を縫って直接ドゥエト氏にインタビューする機会を得たので、その内容を紹介したい。