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最新記事

セールスフォースの「Agentforce 3」の真価:MCP、可視化、200超の業種別テンプレートで何が変わるのか?

 セールスフォースが2025年7月に発表したAgentforce 3では、既存顧客からの要望を反映した3つの強化の柱が注目される。AIエージェントのパフォーマンス監視を可能にするCommand Center、Manufacturing CloudやFinancial Services Cloudなど200超のインダストリー特化型スキルテンプレート、そしてMCPサポートによる相互運用性の向上だ。AgentExchangeを通じた信頼性の高い外部連携や、自然言語によるガードレール設計も実現し、企業のビジネスポリシーに準拠したAIエージェント活用を推進する。

記事

トヨタ自動車が構築を目指す「エッジAI分散基盤」とは?高度なモビリティAIの学習を阻む課題と突破口

 トヨタ自動車は、エッジAI分散基盤の構築に本格的に取り組んでいる。高度なモビリティAIを実現するためには、膨大な車両データの効率的収集と、継続的なAI学習を支える大規模計算基盤が不可欠だからだ。2025年7月に開催された「F5 AppWorld 2025」(F5主催)で、同社の古澤徹氏は2つの技術的アプローチを紹介した。Wi-Fiとエッジサーバーを活用したデータ収集の効率化、そして再生エネルギーを活用した広域分散GPUクラスターによる学習基盤の構築だ。これらの実現に向け突破しなければならない課題と、同社が推進する活動とは何か。

多忙極める“AI時代”のセキュリティ人材育成、「効果的&リーズナブル」な施策は本当に存在するのか?

 9月4日(木)~5日(金)の2日間にわたり開催される、EnterpriseZine編集部が主催する年次カンファレンス「Security Online Day 2025 秋の陣」。本稿では、その見どころを紹介する。CIO/CISOからエンジニアまで、IT部門/情報システム部門に所属する方から経営層の方まで、そして大企業から中堅・中小企業まで、立場や職種ごとの目線・事情に合わせてサイバーセキュリティの課題・ノウハウに斬り込む講演が盛りだくさんだ。

IT部門は消滅する?大規模開発の常識を覆しかねない自律型AIエンジニア「Devin」のインパクトとは

 2025年5月、ウルシステムズは米Cognition AIと戦略的パートナーシップを締結し、自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」の国内エンタープライズ市場への展開を発表した。同社は、2025年1月からDevinを自社導入して活用してきた結果、その可能性を高く評価したためパートナーシップ締結に至ったという。では、Devinの登場がビジネスにもたらすインパクト、ひいてはSI産業全体に及ぼす影響はどれほどのものなのか。ウルシステムズの取締役副社長でテクノロジー部門を統括する桜井賢一氏に聞いた。

ガートナーが明かす「AIセキュリティ6大脅威」 なぜAIエージェントが機密情報を漏洩させるのか?

 企業が信頼するAIが、実は機密情報を漏洩させる危険性を秘めている。ガートナーは、2025年7月に開催した「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメント サミット」で、データ損失、プロンプトインジェクション、出力リスク、データポイズニング、検索リスク、AIエージェントリスクという6つの脅威を明かした。アナリスト デニス・シュー氏がインタビューで、これらの脅威と対策について解説した。

AI時代のデータ活用はどこまでOK?個人情報保護委員会/デジタル庁の視点から学ぶ、企業が今すべきこと

 デジタル経済の進展とAI技術の急速な発達により、世界各国でデータ活用が競争力の源泉となるなか、日本のデータ政策も大きな転換点を迎えている。2025年6月24日にAcompanyが主催したカンファレンス「Data & AI Conference Trust2025」では、個人情報保護委員会事務局 審議官の小川久仁子氏、デジタル庁 企画官の石井純一氏、Acompany 執行役員の竹之内隆夫氏が登壇し、データ活用と保護の両立について議論した。本稿では、個人情報保護法改正、DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)の国際展開、データセキュリティ、プライバシー強化技術の内容を紹介する。

荏原製作所に新しい風を巻き起こす“精鋭集団”──3つの生成AIモデルを使い分けできる専用ツールを内製

 113年の歴史を持つ荏原製作所で、急速にDXが進んでいる。多様な人材が集まるデータストラテジーチームでは、デジタルトリプレットなどを活用した製造DXや、脳科学をベースとした技術開発など、ユニークな視点からの試行錯誤が始まっている。生成AI分野では、ChatGPT、Claude、Geminiの3つのモデルを使い分けできる生成AIプラットフォーム「EBARA AI Chat」を内製開発。伝統的製造企業における生成AI活用と内製開発の裏側を、データストラテジーユニットリーダーとしてけん引する田中紀子さんに聞いた。

現場に根付いた「カイゼン文化」を管理間接部門でも──矢崎総業が生成AI活用で重視する“利益追求”

 いよいよ伝統的な製造業でも生成AIは無視できない存在となっている。創業84年の老舗製造業・矢崎総業では、2024年に全社23万人を対象に独自の生成AI基盤「Y-Assistant」を構築・導入し、管理間接部門の生産性向上を推進している。「Givery Summit 2025 - AI Enablement Day」に同社 情報システム統轄室 システム技術評価部長の小池伸幸氏が登壇。製造業における生成AI活用の取り組みをギブリー執行役員 長目拓也氏と語った。

「自由で開かれたAIイノベーション」を守れるか?シリコンバレーで2人の博士が対談、警鐘と期待を語る

 世界中から注目と期待を集めるAI・半導体業界。その主要プレイヤーの一角であるAMD(Advanced Micro Devices)が米国サンノゼ(カリフォルニア州)にて2025年6月に開催した年次イベント「ADVANCING AI 2025」で、2人の博士による対談が行われた。AMDを率いる会長 兼 CEOのリサ・スー博士と、Google Brainの共同設立者であり、人工知能研究の権威として知られるアンドリュー・ヤン=タック・ン博士だ。テーマは「AIの可能性を解き放つ」──両者が共通して強調するのは、オープンエコシステムの重要性だった。開発の自由を守るために、「ゲートキーパー」の登場に警鐘を鳴らすン博士。そしてスー博士は、それを支えるAMDが目指す姿を語り、やがて両者はAI時代を生きる開発者の在るべき姿について持論を交わした。

「新たな脅威」と「深刻な人材不足」に襲われるセキュリティ現場……現実的な打開策と次のステップを知ろう

 9月4日(木)、5日(金)の2日間にわたり開催される、EnterpriseZine編集部が主催の年次カンファレンス「Security Online Day 2025 秋の陣」。本稿では、その見どころを紹介する。CIO/CISOからエンジニアまで、IT部門/情報システム部門に所属する方から経営層の方まで、そして大企業から中堅・中小企業まで、立場や職種ごとの目線からセキュリティやITガバナンスの課題を掘り下げる講演が今年も盛りだくさんだ。

膨大な資料から必要情報を「Gemini」が抽出/オンライン会議の議事録作成からバーチャル背景の作成も

 連載「Jagu'e'r発!Gemini活用大全」の第4回をお届けします。今回は「Google ドライブ」「Google Meet」、そして新たな業務ツールとして期待される動画編集ツール「Google Vids」におけるGeminiの具体的な活用術を解説します。情報検索から動画作成まで、Geminiがいかに業務の生産性を向上させるか、その具体的な方法を紹介しますので、ぜひ業務変革の第一歩としてご活用ください。

AIはビジネスとITの「溝」を広げるのか? Gartnerが提言する、これからのアプリケーション戦略

 企業のアプリケーション戦略とビジネス戦略には、乖離がある。2023年、Gartner(以下、ガートナー)がエンタープライズアプリケーションリーダー向けに行った調査では、回答者の60%以上が「両戦略の不整合」を上位課題とした。この一因には、ビジネスチームとITチームがそれぞれ異なる指標で業務を行っていることが挙げられる。隔たりがある中、「AI」という要素も加わった。AIは、両者の溝をさらに深める可能性もあるだろう。では、AIが普及する中、ITリーダーは溝を埋めるために何を考え、どの領域に投資をすればいいのか。ガートナー バイス プレジデント アナリストのパトリック・コノートン氏に話を聞いた。

「AI、結局使われない……」を打破! 日清食品やパーソルに学ぶ、社員を動かすチェンジマネジメント

 「AI」導入が加速化する中、成功企業と失敗企業の二極化が進んでいます。その差は一体どこにあるのでしょうか。連載『AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革』では、“業務コンサルタントの視点”でAI導入を支援している小坂駿人(パーソルビジネスプロセスデザイン所属)が、AIを「真のビジネス変革」につなげるためのポイントを5回にわたって解説。第3回は、AI活用に成功する組織の特徴について考えます。

バイブコーディングの不確実性を解消する/AI駆動開発ツール「jinba」で世界市場を狙うCarnot(カルノー)

 生成AIの普及により、企業の業務自動化は従来の「局所的な効率化」から、「使えば使うほどデータやノウハウが蓄積され、システムそのものが進化し続ける」──いわば“永久機関”のような自己強化サイクルの実現という新たな次元に突入している。このテーマで日本発のグローバルSaaSを展開するCarnot(カルノー)は、自然言語によるAI駆動開発プラットフォーム「jinba」(ジンバ)シリーズを核に、現場の課題に即したワークフロー自動化に挑む。共同創業者・乗杉卓也氏に、生成AI時代のアプリケーション開発、プロダクト戦略、そして「バイブコーディング」に関する独自の考え方について聞いた。

AIを用いたサイバー攻撃で浮き彫りになる「人の脆弱性」──攻撃者の“クリエイティビティ”に対抗する術

 米国ラスベガスで6月2日〜5日(現地時間)に開催された年次イベント「Zenith Live '25」は、約2,000名に及ぶ参加者が集まる盛況ぶりだった。同イベント内で、Zscaler AIイノベーション担当のフィル・ティー(Phil Tee)氏に、AIを悪用したサイバー攻撃の現状、昨今対策の必要性が叫ばれている「人の脆弱性」に有効なアプローチについて訊いた。

CRMとERPのギャップを埋めるRevenue Cloud、なぜB2Bに収益管理が必要か?

 セールスフォースが日本で提供開始したRevenue Cloudは、営業システムと基幹システムの隙間を埋める収益管理ツールである。従来は見積りから入金まで手作業が多く、新商品投入に数カ月要していた課題を解決する。Quote-to-Cashの一元管理により、複雑な価格計算や請求処理を自動化できる。本記事では「統合商品カタログ」「スプレッドシート型見積り画面」「AI見積り作成」などの主要機能を紹介し、営業効率化とTime-to-Market短縮を実現する仕組みについて解説する。

3層アーキテクチャとHCIのいいとこ取り、デル・テクノロジーズによるAI時代の「次世代インフラ」とは

 クラウドやAIが当然の時代でも、オンプレミスに最適な環境を“シンプルかつ迅速”に導入し、運用効率を高めていくことは依然として重要なテーマだ。これまでの3層アーキテクチャとHCIでは、柔軟性とシンプルさがトレードオフの関係にあったが、デル・テクノロジーズでは“分離型”インフラストラクチャで柔軟性とシンプルさを両立させる「Dell Private Cloud」を提供することで課題解消を狙う。では、同ソリューションのポイントはどこなのか。コンポーネントや特徴について、デル・テクノロジーズ 市川基夫氏が解説する。

【IVS2025】明太子から造船まで、AIと地域の未来をデザインする 産業・人材・自治をつなぐローカル実装の最前線

 国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」が7月2〜4日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された。本記事は、DAY1で行われた「AIと地域の未来をデザインする ── 産業・人材・自治をつなぐローカル実装」の最前線の内容を紹介する。地方都市におけるAI活用は、単なる効率化を超えて産業変革の起爆剤となりつつある。しかし、東京で当たり前のDXが地方では「絵に描いた餅」になることも多い。では、地域企業はどうやってAIを現実的に活用し、成果を上げているのか。広島を中心とした地方AI実装の成功事例から、その現実解を探る。

大塚製薬×AWSが切り拓く診断イノベーション/130億文字のゲノム解析を現場に届ける

 医療現場の診断が止まることは許されない。大塚製薬は「流汗悟道」の精神を受け継ぎ、AIやアイトラッキング、ゲノム解析といった先端技術を駆使して診断の現場を革新する。130億文字に及ぶ“究極の個人情報”をAWSクラウド上で安全かつ高速に処理し、24時間365日の安定運用を実現。現場発のイノベーションが2035年の医療の姿をどこまで変えるのか、その挑戦の全貌に迫る。

【IVS2025】塩崎氏ら国会議員と弁護士が提言/AI・web3規制は制約ではなく事業機会

 国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」が7月2〜4日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された。本記事は、DAY1で行われた「日本のテックイノベーション政策最前線 ~AI・web3規制の現在地と事業機会~」の内容を紹介する。このセッションでは、日本のテクノロジー政策が世界をリードしていることが明らかになった。web3分野では日本が先駆けて制定した法制度が海外で参照され、AI分野では日本発の国際的な政策枠組みが先行している。国会議員と弁護士陣が、規制対応を事業成長の機会に転換するための視点を示した。

文書作成/関数/資料作成でもう悩まなくていい!統合された「Gemini」が“救世主”に

 第3回は「Google Docs」「Google Sheets」「Google Slides」におけるGeminiの活用術を紹介します。執筆は、アイレットのWebアプリケーションエンジニアとしてGoogle Workspace with Geminiを活用する、Google Cloud Partner Top Enginnerの山田が担当しました。それでは、Geminiが搭載されたことでどのように業務が変わるのかみていきましょう。

分社化から10年目を迎えたHPE──現地イベントで見えた変化、AI時代のインフラ戦略を明確に

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は6月23日から3日間、米ラスベガスで年次イベント「HPE Discover Las Vegas 2025」を開催した。分社から10周年の節目となる今回、同社はIT運用のAIエージェントフレームワーク「HPE GreenLake Intelligence」の発表を軸に、「ネットワーキング」「ハイブリッドクラウド」「AI」という、3領域での差別化戦略を示した。

AI駆動型攻撃で1日26億回の攻撃も……OpenTextが訴えるAI時代の対策とは

 情報管理ソリューションなどで知られるOpenTextが、近年注力しているのがセキュリティソリューションだ。2025年1月に就任した、セキュリティ製品担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのムヒ・マズーブ(Muhi Majzoub)氏が来日し、AI時代のセキュリティ動向や同社がセキュリティに注力する理由を訊いた。

富士通の経営戦略を支える“データドリブンHR”のメカニズム──生成AI活用で社外活躍の場も広げる

 2019年に「IT企業からDX企業へ」と舵を切った富士通。現在ではサービスソリューションを主力事業として展開し、全社DXにも注力している。また、データドリブン経営を加速度的に推進し、人的資本経営を実践するために、データをもとにした様々な人事施策に取り組んでいる。その取り組みの全貌を同社 CHRO室長 森川学氏が、5月27日に開催されたEnterpriseZineとHRzineの合同イベント「HR×Data Forum」で解説した。

ガートナーに訊く“AI時代”のデータ戦略、鍵は「データファブリック」と「アクティブメタデータ」

 AIの急速な進化は、ビジネスのあらゆる側面において変革をもたらしている。「AI時代」における企業のデータ管理は、従来の手法のままでは通用しなくなり、そのあり方を根本から見直さなければならない。Gartnerのリサーチ バイス プレジデントを務めるアダム・ロンサール氏は、AIが“データ管理”テクノロジー全体に大きな影響を与えていることは間違いない、と指摘する。自然言語処理、チューニング、セキュリティパッチの適用など、ITシステムに置ける「データマネジメント」の核となる部分に、さまざまな形でAIの恩恵が及んでいるからだ。一方、新たな課題も顕在化している。ロンサール氏に、AI時代におけるデータ管理の課題、企業がとるべきアプローチについて聞いた。

弁護士が指南、法的リスクを低減させる生成AI運用のポイント “価値ある”ルール整備と運用のカギとは

 生成AIは企業活動に大きな効率化をもたらす一方で、営業秘密や機密情報の漏洩リスク、ハルシネーションによる誤情報の生成、EUのAI法をはじめとする国際規制への対応といった法的リスクも孕んでいる。森・濱田松本法律事務所 外国法共同事業の田中浩之弁護士は、2025年5月29日に開催されたレクシスネクシス・ジャパン主催イベント「Lexis+ AI Roadshow 2025」の基調講演にて、こうした課題への具体的な対処法を解説。API利用時における契約上の配慮、社内ルール整備のポイント、第三者機密情報の取り扱い方針など、現状を踏まえた実務的な生成AI活用方法の指針を示した。

損保社長からAIスタートアップへ転身/「Cursor」によるプロダクト開発で現場を変える

 生成AIの普及で「非エンジニアでも手を動かし、AIを武器に業務を刷新するHands-on型リーダー」が台頭しつつある。本連載はそうしたリーダーの実践の方法を深掘りし、DXを超える現場変革のリアリティを提示していく。第1回は東京海上グループのイーデザイン損保社長からGenerativeX執行役員に転身した桑原茂雄氏。コーディング未経験から2ヵ月で、生成AIツール「Cursor」を活用し実践的なAI開発スキルを習得した同氏の経験から見えてきたのは、「小さく作る」「細かく指示する」「公開してフィードバックを得る」という実践的アプローチの重要性だ。

クレディセゾン・栗田工業・アフラックが実践した「真のAIドリブン経営」とは

 生成AIへの期待は高まるものの、実際のビジネス価値創出で94%の企業が挫折している現実がある。 5月29日に開催された日本テラデータの「AI Innovation Day 2025 Tokyo」では、クレディセゾン、栗田工業、アフラックの先進事例を通じて、AIドリブン経営への転換が紹介された。汎用AIエージェントではデータの不整合やハルシネーション問題が避けられない中、統合データ基盤と業種別データモデル、専門性の高いAIエージェントの連携こそが成功の鍵であることが示された。

IBMが仕掛ける半導体戦略、エコシステム拡充でAIニーズにどう応える 長年の研究開発を強みにできるか

 IBMは、AI処理に特化した省電力チップ「AIU(Artificial Intelligence Unit)」、AI開発・実行環境「Vela」、そしてRed Hat OpenShiftを核とするエコシステム戦略を通じ、独自のAI戦略を加速させている。サービスカンパニーとしてのイメージが強いIBMだが、その強みの源泉には長年の半導体開発の経験とノウハウがある。

量子AIなどに注目集まるも「ガバナンスなき実装は必ず失敗する」──SASの最高データ倫理責任者が提言

 企業はAIによる業務効率化や競争力向上を追求する一方で、ガバナンス整備やリスク管理といった課題に対処しなければならない。SAS Instituteでデータ倫理の最高責任者を務めるレジー・タウンゼンド氏は、過去に米国ホワイトハウスへAI政策の提言も行った人物だ。同氏が、2025年5月にフロリダ州オーランドで開催された「SAS Innovate 2025」にてメディアのグループインタビューに応じた。企業がAI活用で陥るガバナンスの落とし穴、そして量子AIなどの最新テクノロジーが次々と登場する中でも、大切な視点を見失わないための提言をお届けする。

サッポロHDは大規模データ基盤システム構築で“縦割り・内向き体制”の打破へ DX企画部長らに訊く戦略

 サッポロホールディングスは、「持続可能性」を重視した技術選定を経て構築した、グループ共通のデータ基盤「SAPPORO DATA FACTORY」を2025年1月から本格稼働させている。同社が一貫して追求するのは、データレイクを単なるデータの器とせず、「何のために使うのか」「いかに効果を出すか」まで考え抜く目的志向だ。DXによるビジネスの進化を続ける同社の取り組みについて、話を訊いた。

AI導入後に2年停滞も「ゼロ化」の視点により2ヵ月で改善──AIをポイントソリューションにしない術

 大手企業でもAI活用が進む中、想定した成果を上げられていないケースは少なくありません。連載「AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革」では、業務コンサルタントの視点で大手企業のAI導入を支援してきたパーソルビジネスプロセスデザインが、AIを“真のビジネス変革”につなげるためのポイントを全5回にわたって解説。第2回は、AI導入にあたって外部専門家をうまく活用するためのポイントを紹介します。

ITリーダーは生成AIへの「憧れ症候群」に注意せよ──役割と選択肢が増える中で陥る意思決定の罠とは?

 AI技術の進化により、企業の意思決定プロセスや組織の在り方が大きく変わろうとしている今、CIOをはじめとするITリーダーが果たすべき務めとは何か。SAS Instituteが米国フロリダ州オーランドで2025年5月に開催した「SAS Innovate 2025」にて、同社CIOのジェイ・アップチャーチ氏が各国メディアのグループインタビューに応じた。CIOやIT部門の変化する役割、AI活用でITリーダーたちが陥りがちな罠、そしてAIを組織に実装し、真に価値をもたらすためのアプローチについて語られた。

AIエージェント最前線──“文脈争奪戦”が始まった RAGの功罪、MCPの台頭……

 2025年、「AIエージェント」が日本でも浸透してきた。市場には多くのベンダーが勃興する中、企業における担当者はどのように状況を俯瞰すればよいのか。本稿では、「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出された、栁澤直氏が“AIエージェントの最前線”をリポートする。

ビジネスマンの“時間を奪う”メールこそ生成AI活用を!Gmailに出現した「Gemini」活用の一歩

 第1回に引き続きJagu’e’r GWS 分科会のメンバーがお届けします。今回は、普段、営業職の奥原とエンジニア職の野間が、それぞれの専門知識を活かして執筆しました。野間からは、現代のメール環境と課題、Gemini in Gmailの特徴と機能について、技術的な視点から詳しく解説します。奥原からは、企業での活用事例、導入による組織全体への影響について、具体的な事例を交えながら紹介します。

AIエージェントには「“新人教育”を施す必要がある」実際の活用事例から覗く、業務適用の現在地

 昨今、高い注目が集まっている「AIエージェント」。AIエージェントはこれまでのAIの進歩の延長線上にあるが、どのような特徴があるのか皆さんはご存じだろうか。長らくソフトウェア開発やコンサルティングを手がけ、近年では生成AIを積極的に活用しているというモンスターラボのCTO 平田大祐氏に、実際の活用事例とともにAIエージェントの現状と今後の展望を訊いた。

【SAP】JouleからAI Foundationまでの活用事例、Perplexityとの提携も

 SAPは企業向けAIソリューション「SAP Business AI」を急拡充し、2025年5月時点で230以上の生成AIシナリオを実装、年末までに400以上の提供を計画している。AI戦略の3つの柱は、非SAPアプリケーションにも拡張した新UI「Joule」、推論機能を持つ「Joule Agents」40以上の展開、そして複数の基盤モデルに対応する「AI Foundation」である。Perplexityとの提携により非構造化データも活用可能となり、34,000社超の顧客が既に活用している。British Telecomでは人事業務を40%高速化するなど、具体的な業務効率化の成果を上げている。

データを「見えざる資産」に変えよ!AI時代の企業価値を高める「メタデータマネジメント」とは ── Quollio Technologies松元氏

 企業のデータ活用現場で日々生じる、「意味のズレ」がDXの隠れたボトルネックとなっている。特に生成AIが企業の競争力を左右する時代において、その基盤となるデータの「質」と「文脈」の管理は喫緊の課題だ。日本には専門企業が少なかった「メタデータマネジメント」という新たな領域で先駆的な取り組みを行うQuollio TechnologiesD 代表取締役社長 CEOの松元亮太氏に、データマネジメントの現状と未来、そして日本企業が世界で「企業価値を高める」ための方策を聞いた。

デルが打ち出す“送電網”としてのAIインフラ マイケル・デルが示したエンタープライズAIの未来

 人工知能(AI)は新たな「電力」であり、Dell Technologiesはその「送電網」となる──米Dell Technologies(以下、デル)は米国ネバダ州ラスベガスで開催した年次イベント「Dell Technologies World 2025」(5月19日~22日)で、包括的なAIインフラ戦略を発表した。生成AIがPoC(概念実証)から導入・活用フェーズの段階に移行しつつある中、エンタープライズ領域での実装支援でイニシアチブをとる構えだ。初日の基調講演に登壇した同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)であるマイケル・デル氏は、「AIの台頭でこの10年は変革の時代となり、早期導入者が新しい競争優位を握る。今、動かなければ遅れる」と語り、AI基盤構築の重要性を訴えた。

「20世紀のシステムはServiceNowに統合される」業績好調のサービスナウ、CEOが見通す戦略は

 “AIエージェントの時代”に突入している中、ServiceNowがプラットフォーム戦略に自信を見せている。同社 CEOのビル・マクダーモット(Bill McDermott)氏は、「20世紀のシステムがServiceNowに統合されていく」と大胆な予言をする。本稿では、5月初めに開催されたServiceNowの年次イベント「Knowledge 2025」での発表と、マクダーモット氏およびServiceNow Japan社長の鈴木正敏氏に訊いた話をまとめたい。

パナソニックコネクトは再生を阻む伝統企業の壁をどう突破するのか?/榊原CTOが「Blue Yonder」と「SRE」による戦略を語る

 業績の低迷や人員削減など苦境に立たされ、構造改革と事業選別の真っただ中にあるパナソニックグループ。その中でパナソニックコネクトは、B2B分野の中核企業として、成長が期待されるサプライチェーンやデジタル分野を軸にグループ再生の牽引役を担う重要な位置づけとなっている。重要な鍵となるのがBlue Yonder(ブルーヨンダー)によるサプライチェーン変革と「SRE」による開発・運用体制だ。同社CTOの榊原彰氏が、PagerDutyのカンファレンスで語った内容を紹介する。

【モダナイゼーション事例】人気記事を集めました! AI時代のインフラ刷新につながる特別イベントも開催

 ITシステムを構築するということは、いつか廃棄し、新たなシステムへと移行することでもあります。新たなテクノロジートレンドが次々と生まれる中、クラウドやAIといった一大トレンドを受けて「ITモダナイゼーション」を進める企業は一気に増えました。そこでEnterpriseZine編集部では、過去1年間に公開された記事の中から、特に高い関心を寄せられたものをピックアップしました! ぜひ、参考にしてください。

AI導入でかえって業務を増やしていないか? 成功企業と失敗企業の差は「プロセスデザイン」にあり

 「AI」を導入したものの、想定していた効果を上げられていない……そのような企業に有益な方策の一つが、最適な業務プロセスを構築するための「ビジネスプロセスデザイン」という考え方です。連載『AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革』では、“業務コンサルタントの視点”でAI導入を支援している小坂駿人(パーソルビジネスプロセスデザイン所属)が、AIを「真のビジネス変革」につなげるためのポイントを5回にわたって解説。第1回は、企業におけるAI活用の実態を紐解きながら、課題解決に向けたアプローチについて考えます。

アドビが発表したAIエージェントによる新たな収益モデル/ウォールストリートも歓迎する2つめの収入源とは?

 アドビが「Adobe Summit 2025」で新たなAIエージェント戦略を発表した。その中核となる新基盤「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」は、企業の保有データを活用して複数のAIエージェントを効果的に連携させ、マーケティング業務の効率化と収益モデルの変革を可能にする。本稿では、アドビ幹部への独自取材から得たこの革新的プラットフォームの狙いと具体的役割について詳述する。

経営層の「流行りDX」に翻弄される担当者に捧ぐ!億単位の“尻切れトンボ”プロジェクトを防ぐ5つの要点

 生成AIやAIエージェントなど、新たな技術が次々に登場する中、多くの企業ではこうした新技術を取り入れたプロジェクトが進行していることでしょう。しかし、その指揮を執る経営層が技術を正しく知らない場合、プロジェクトが迷走してしまい、何億円規模の投資を無駄にすることにつながりかねません。連載「PM歴20年超の橋本将功が示す“情シスPMあるある”とその打ち手」では、プロジェクトマネージャー(PM)として20年以上キャリアを積んできた筆者が、プロジェクトの「あるある失敗パターン」から編み出したコツやヒントを情報システム部門の方々にお届けしています。連載4回目となる本稿では、このような“ふわっとしたDX”構想が経営層から降りてきたとき、振り回されないためのプロジェクトの進め方をお伝えします。

PagerDuty CEOが語る「ヒューマン・イン・ザ・ループ」のAIエージェント活用──システム運用の効率化で課題解決に挑む

 生成AIやAIエージェントがビジネスとテクノロジー領域を席巻する中、システム運用分野では人手作業の自動化が進み、業務に革命的変化をもたらしている。デジタル運用管理(Digital Operations Management)のソリューションを提供するPagerDutyは2025年4月、東京で「PagerDuty on Tour Tokyo 2025」を開催。グローバルと日本市場のAI活用分析や運用効率化ソリューションが示された。本稿では、同社CEOジェニファー・テハダ氏と富士通副社長の対談、そしてCEOへの独自インタビューを通じ、AIと人間の共創による次世代運用のあり方に迫る。

Google Cloudが急ピッチで進めるAIエージェント戦略、50社の賛同集めた「A2A」とは

 Google Cloudは4月9日~11日、米ラスベガスで「Google Cloud Next 2025」を開催。AIエージェントの戦略を大きく前進させた。エージェント開発キットやエージェント間通信プロトコルをオープンソースとして公開したほか、エージェントプラットフォーム「Google Agentspace」の機能強化、音楽生成モデル「Lyria」など、多数の新機能も発表している。

【ユーザー会直伝!】Google Workspaceに統合が進む生成AI「Gemini」を有効活用するには

 ビジネスの現場では、効率化と生産性向上が常に求められています。特に昨今は、リモートワークやハイブリッドワークの普及により、デジタルツールの重要性はますます高まっていることでしょう。そんな中、Google Cloudが提供するクラウドベースのツールスイート「Google Workspace」に、同社のAI機能「Gemini」が統合され、ビジネスに新たな可能性をもたらしています。本連載では、Google Workspaceの最新動向や活用方法について、Google Cloud公式ユーザー会「Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise(通称:Jagu'e'r)」の参加者たちが全6回にわたってリレー形式でお届けします。第1回となる今回は、「Google Workspace with Gemini」の全体像と最新のホットトピックをご紹介します。

Amazon Q Developerで解決するメインフレーム移行の技術的課題──AIによるレガシーマイグレーションの成功要因とは?

 長年企業を支えてきたメインフレームシステムは、維持コストの高さ、エンジニア人材の不足、ビジネス変化への対応の遅さという三重の課題に直面している。多くのCTOがモダナイゼーションの必要性を認識しながらも、移行リスクの高さから決断を躊躇してきた。Amazon Q Developerの登場は、この状況を一変させる可能性を秘めている。AIがCOBOLからJavaへのコード変換を支援し、DevOpsライフサイクル全体をサポートすることで、これまで困難だったメインフレームからの脱却が現実的な選択肢となりつつある。AWSの専門家に、実践的なアプローチを聞いた。

「今さらペーパーレス?」と侮るなかれ──“デジタルアレルギー”を克服した常陽銀行の驚くほどの徹底ぶり

 「銀行取引の変容は20年前から兆候があった。ゆでガエルにならないためにできることを確実に」──そう語るのは、常陽銀行 経営企画部 副部長 兼 DX戦略室長の丸岡政貴氏だ。全国の金融機関がDXに力を入れる中、常陽銀行は「DXの民主化」をキーワードに、ペーパーレス、アプリ開発、全行員による生成AI活用など、他行からも視察が相次ぐほどに成果を上げている。あくまでもビジネスへの寄与にこだわり、“やりきる”姿勢に迫る。

大企業が「AIの万年PoC」から抜け出す鍵はスタートアップに?日本市場に秘められたAI活用の伸びしろ

 各国が成長戦略とガバナンスの両立をめざしてAI政策を競うなか、日本においてもAI活用における実践的な方向性が求められている。こうした潮流を背景に、日本ディープラーニング協会(JDLA)はAI利活用の在り方を探るカンファレンス「JDLA Connect」を開催した。基調講演には、JDLAの理事長を務める東京大学大学院工学系研究科 教授 松尾豊氏をはじめ、同協会理事の江間有沙氏、岡田陽介氏、竹川隆司氏が登壇し、「AI戦略とガバナンス」をテーマにパネルディスカッションを実施。「国際動向」「ビジネス」「人材育成」という3つの視点から、AI利活用に不可欠な戦略とルール形成の在り方について議論が交わされた。