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2025年6月20日(金)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

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『EnterpriseZine Press』

2025年春号(EnterpriseZine Press 2025 Spring)特集「デジタル変革に待ったなし、地銀の生存競争──2025年の崖を回避するためのトリガーは」

AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革

AI導入後に2年停滞も「ゼロ化」の視点により2ヵ月で改善──AIをポイントソリューションにしない術

AI活用の推進力に差がつく、外部専門家の選び方

 大手企業でもAI活用が進む中、想定した成果を上げられていないケースは少なくありません。連載「AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革」では、業務コンサルタントの視点で大手企業のAI導入を支援してきたパーソルビジネスプロセスデザインが、AIを“真のビジネス変革”につなげるためのポイントを全5回にわたって解説。第2回は、AI導入にあたって外部専門家をうまく活用するためのポイントを紹介します。

AI活用の完全内製化が難しい理由

 下記第1回で確認したように、大手企業を中心に(生成AIを含む)AIの導入が進んでいます。一方、導入できてもスムーズに活用できているとは限らず、難しさを感じている企業も少なくありません。

 では、なぜAIの活用が円滑に進まないのでしょうか。PwCコンサルティング合同会社が売上500億円以上の日本企業・組織の従業員を対象に行った『生成AIに関する実態調査2024 春』によると、生成AI活用において直面した課題として「必要なスキルを持った人材がいない」「ノウハウがなく、どのように進めれば良いか、進め方がわからない」が上位にあがっており、主に人材とノウハウの不足がAI活用の推進を妨げていることがわかります。

 それぞれの要因をより深く分析してみましょう。

 まず人材不足については、企業における事業構造が影響していると考えられます。つまり、DX推進室などのAI活用を推進する部署は売上に直結しないため、人材を潤沢にあてがえないのです。実際、数千名の社員を抱える大手企業であっても、当該部署には数名しかいないことも珍しくありません。業務量に対して人材が圧倒的に足りていないため、AI活用に必要な施策をやり切ることが難しくなっているといえます。

 そして、単に人材の頭数を揃えて担当部署に配置したとしても、関連するノウハウがなければAI活用は推進できません。特に注意しなければならないのは、企業でAIを活用する場合、「AIのノウハウ」だけでは不十分だということです。AIを自由に使うことではなく、“AIを業務に適用すること”を求められているため、業務課題を分析・把握するビジネスアナリティクスやプロジェクトを推進させるPMO(Project Management Office)などの「ビジネスのノウハウ」、業務にあったAIを作成するための「開発のノウハウ」が必要なのです。これら3つのうち1つでも欠けてしまうと、企業におけるAI活用は失敗に終わるでしょう。

出典:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(筆者所属)
出典:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(筆者所属)
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 たとえば担当部署にエンジニア出身者しかいない場合、AIや開発の知識があっても現場業務を理解していないため、一方的にAIツールを導入するだけで「どの業務でどのように使うべきか」を指定できず、AIの業務適用が進まない可能性が高いでしょう。逆に現場経験はあるがAIや開発の知識をもっていない担当者しかいない場合、「業務をこのように変えたい」というイメージは湧くものの、そのためにAIをどのように活用すればいいのかわからないため、「AIは想像していたよりも使えない」とモチベーションが消失しかねません。

 このように、企業内でAI活用を推進していくためには、AI・開発・ビジネス、それぞれのノウハウを有した人材を一定数、担当部署に配置することが求められます。専門知識を持った人材を採用するなど、社内で進められるならばそれがベストですが、難しい場合には外部の専門家に頼ると良いでしょう。内製にこだわるあまりAI活用において他社に引けを取り、市場競争力が下がってしまうことだけは避けるべきです。

次のページ
AI導入後に2年停滞するも、2ヵ月で劇的に進歩したワケとは

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AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革連載記事一覧
この記事の著者

小坂 駿人(コサカ ハヤト)

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ビジネストランスフォーメーション事業本部
データコンサルティンググループ 兼 ゼロ化コンサルティンググループ マネジャー2021年、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社に入社。前職ではHR業界における事業戦略/新規事業開発部門に所属。2022年には、...

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